映画・テレビ

2021年5月28日 (金)

【映画】やすらぎの森

美しく崇高な世界には憧れるが、この境地にはたどり着けないし、たどり着きたくもない。久しぶりに外したかな…(かずさん)

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カナダ・ケベック州の深い森で静かに暮らす年老いた世捨て人たちの姿を描いた人間ドラマ。監督は本作が3本目の長編劇映画となるケベック出身のルイーズ・アルシャンポー。

【ストーリー】
カナダ・ケベック州、人里離れた深い森にある湖のほとり。その場所にたたずむ小屋で、それぞれの理由で社会に背を向けて世捨て人となった年老いた3人の男性が愛犬たちと一緒に静かな暮らしを営んでいた。そんな彼らの前に、思いがけない来訪者が現れる。ジェルトルードという80歳の女性は、少女時代の不当な措置により精神科療養所に入れられ、60年以上も外界と隔絶した生活を強いられていた。世捨て人たちに受け入れられたジェルトルードはマリー・デネージュという新たな名前で第二の人生を踏み出した。日に日に活力を取り戻した彼女と彼らの穏やかな生活。しかし、そんな森の日常を揺るがす緊急事態が巻き起こり、彼らは重大な決断を迫られるようになる。

【作品データ】
製作:2019年製作/126分/カナダ
原題:Il pleuvait des oiseaux
配給:エスパース・サロウ
オフィシャルサイト

【スタッフ】・キャスト
監督:ルイーズ・アルシャンボー
製作:ギネット・プティ
原作:ジョスリーヌ・ソシエ
脚本:ルイーズ・アルシャンボー
撮影:マチュー・ラベルディエール
編集:リチャード・コモー

【キャスト】
ジェルトルード/マリー・デネージュ:アンドレ・ラシャペル
チャーリー:ジルベール・シコット
トム:レミー・ジラール
テッド・ボイチョク:ケネス・ウェルシュ
ラフ(ラファエル):エブ・ランドリー
スティーヴ:エリック・ロビドゥー
ジュヌヴィ:エーヴルイーズ・ポルタル

【感想】
人生の最期をどう迎えるのか?実に難しい命題だ。たぶん絶対の正解はなく、いろんな答えがあると思うのだが、本作品ではいくつかの答えを提示してくれた。
主人公デネージュの再生には心から拍手を送りたいし、世捨て人3人の貢献も評価したいが、生き様については同性ながら共感できない。
世を捨てているようでありながら、捨てきれていない。絵を描き、人前で歌を歌い、いくばくかの現金を持っているなど
このあたりのリアリティーさは欧米社会ならではの逃げない現実描写であると思う。日本人である僕からすれば、潔さが足りんというか、ファンタジーとして描き切れていないという思いもあるが、福祉サービスに丸抱えされて怠惰な生活を送る人たちよりは、自立した生き方ではありから、ましであるのか・・・
それを含めて高齢者は自らの終焉をどう迎えるのかの問題提議として受け取ってくれればよいと原作や演出した監督は思っているかもしれない。
心をざわつかせてくれた犬を殺すところや外界から補給を受けているところなども人間中心主義のシニカルさの表現とすれば秀逸である。
現代人は文明に依存せざるを得ないところは名優ハリソン・フォードが自身の主演映画で一番好きだと言っていた「モスキートコースト」を思い出しました。
追伸:主役の方のおっぱいと演技は、とても素敵で印象的でした。

【ネタバレ】
山火事が迫ってきて、行政の介入が迫ってきた。町に戻りたくないという思いのほかに、大麻の栽培という違法行為の露見もあって、彼らは選択を迫られた。
トムは死期が近いことを悟り、服毒自殺。その際に飼い犬のドリンクにも毒を与えて一緒に死んだ。
世捨て人たちに補給していたホテル支配人のスティーヴはラフと恋仲になりアジアへの旅行を夢見ていたが大麻栽培での逮捕を恐れてラフにも伝えず雲隠れ
ラフは取り組んでいた大昔の山火事の展覧会をボイチョクの残した絵画とともに大成功を収めた。
やすらぎの森で結ばれたデネージュとチャーリーは一緒に死ぬのかと思ったが、街に出て普通の生活をしているところでエンディングとなった。

2021年5月 2日 (日)

【映画】ミッドナイトスワン

草なぎ剛って、凄いなと思ったけれど、休日の朝から見る映画ではないとも思いました。(笑)(かずさん)

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草なぎ剛がトランスジェンダーという難役に挑んだ愛の物語。身体と心の葛藤を抱えて生きる主人公が、バレエダンサー志望の少女と出会い、疑似親子的な関係を深めていく。監督兼オリジナル脚本を『下衆の愛』の内田英治が手がけ、共演に田口トモロヲ、真飛聖、水川あさみらが名を連ねる。オーディションで抜擢された服部樹咲が少女を演じ、本作で女優デビューを果たした。

【ストーリー】
新宿のニューハーフショークラブで働くトランスジェンダーの凪沙。ある日、凪沙のもとに故郷の広島から親戚の娘である一果がやってくる。叔父だと思い訪ねてきた一果は凪沙の姿を見て戸惑うが、二人はそのまま共同生活を始めることに。やがて、一果のバレリーナとしての才能を知った凪沙は、彼女のために生きようと考えるようになる。そこには凪沙の“母になりたい”という思いがあった。

【作品データ】
製作:2020年(日本)
時間:124分
配給:キノフィルムズ
オフィシャルサイト

【スタッフ】
監督:内田英治
脚本:内田英治
エグゼクティブプロデューサー:飯島三智
プロデューサー:森谷雄 森本友里恵
撮影:伊藤麻樹
音楽:渋谷慶一郎
助監督:松倉大夏
バレエ監修:千歳美香子

【キャスト】
凪沙:草なぎ剛
桜田一果:服部樹咲
瑞貴:田中俊介
キャンディ:吉村界人
アキナ:真田怜臣
桑田りん:上野鈴華
桑田真祐美:佐藤江梨子
桑田正二:平山祐介
武田和子:根岸季衣
桜田早織:水川あさみ
洋子ママ:田口トモロヲ
片平実花:真飛聖

【受賞歴】
第44回 日本アカデミー賞(2021年)
受賞
 最優秀作品賞
 最優秀主演男優賞 草なぎ剛
ノミネート
 最優秀監督賞 内田英治
 最優秀脚本賞 内田英治
 新人俳優賞 服部樹咲

【感想】
外との関りが自分にとって都合の良いものでないことは往々にあるし、かといって内なる強さを持ちえないことも怏々としてあるのが普通の人間であろう。
なので社会の許容度が低いLGBTの生き辛さは想像に難くない。一方でそれゆえに内なる強さを持ち得ざるを得なくて、だからこそあえてそのいばらの道を突き進んでいけるということなのだろう。
何事も共感できれば最高ではあるが、なにはとにかく相手を理解、最悪でも許容するということが出来れば大概のことはうまくいくのであると改めて思った。(自分もそうだが内なる強さって、結局誰かを傷つけるんだよなあ・・・)

それにしても草なぎ君は凄い役者だなあと思う。思いつつ、疑り深い僕は、アイドルだった草なぎ君という古い情報があるゆえに、今そこに映し出される凪沙の演技を凄いと感じてしまっているのかもしれない。
このあたりはいわゆる認知バイアスによるような気もする。だから草なぎ君の事なんて知らない外国人から評価されると確かな確信が持てるんだけどなあ・・・。
そうは思うけど、やはり草なぎ君の演技は凄いと思いました。さらにもう一人の主人公、一果役の服部樹咲さんもこれまたいい演技しています。
そして内田監督の意地悪なくらい説明を省略した演出と脚本。観ているこちらが考えざるを得ません。だから良い映画だと思います。(笑)
だけど、一果の親友りんちゃんがビルの屋上から飛び降りたシーン、あれだけは説明してくれ!一果にとっても、とても大事なエピソードじゃないのかよ・・・
それからバレエって、本物は一回、しかもアマチュアのしか観たことがないけれど、また観たくなりましたね。

2021年4月28日 (水)

【映画】ジャンク・ヘッド

久々の衝撃作品!鑑賞直前に鬼滅の刃の最終巻読んだ感動も吹っ飛びました(笑)(かずさん)

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孤高のクリエイター・堀貴秀が独学で7年の歳月をかけて制作し、カナダ・モントリオールで開催されるファンタジア国際映画祭で最優秀長編アニメーション賞を受賞するなど世界的に高く評価されたSFストップモーションアニメ。原案、絵コンテ、脚本、編集、撮影、演出、照明、アニメーター、デザイン、人形、セット、衣装、映像効果のすべてを堀監督が1人で担当し、総ショット数約14万コマという膨大な作業を経て完成させた。

【ストーリー】
環境破壊が進み、地上はもはや人間が住めないほど汚染された。人類は地下開発のための労働力として人工生命体マリガンを創造するが、自我に目覚めたマリガンが反乱を起こし地下を乗っ取ってしまう。それから1600年後。遺伝子操作で永遠に近い命を手に入れた人類は、その代償として生殖能力を失った。絶滅の危機に陥った人類は、地下で独自に進化を遂げたマリガンの調査を開始。政府が募集した地下調査員に名乗りをあげたダンス講師は、調査中に死と隣り合わせになったことで命を実感し、マリガンたちと協力して人類再生の道を探る。

【作品データ】
製作:2017年/日本
時間:99分
配給:ギャガ
オフィシャルサイト

【スタッフ】・キャスト
監督:堀貴秀
原案:堀貴秀
キャラクターデザイン:堀貴秀
撮影:堀貴秀
照明:堀貴秀
編集:堀貴秀
音楽:堀貴秀 近藤芳樹
制作:やみけん

【感想】
 僕は地味で小難しくてヒットしないけれど人生にインスパイアを与えてくれる良質な映画が大好きである。その結果、マイナー映画好きな立ち位置になっている。なので今回は千葉県での上映初日の初演を観に行ってしまった。
 とにかく良い映画の第一印象である画面から伝わってくる何とも言えない緊張感が最初からビシバシ伝わってきた。
 テクニック的には辻褄とか伏線の回収とかが微妙な感じで、脚本というかストーリー展開に相当な無駄があると思うのであるが、それが本作品にとっては逆に不気味で良い味わいになっている。もはやそのような映画は天然記念物物で、強いてあげれば意味不明なエピソードてんこ盛りで、話がなんだかよくわからなくなる宮崎駿監督作品のような展開だと思った。
 あえて上から目線で評すれば、不老長寿化した人間、謎の人工生命体、男女の逆転現象、異生物の出現とか現代人がこれまで作り出してきたファンタジーの世界感を孤高のクリエイターが模倣し紡いでいるだけなのであるが、普通は何百人単位で製作される映画をほぼたった一人で7年の歳月をかけて創られたことには、素直に驚嘆してしまうし、そのオリジナリティの高さには一人の人間として、成し遂げた偉業に羨望しかなかった。
 本作品の評価はまさにその一点に尽きると思うのであるが、凡人の僕は次回作品も見てみたいと思う欲望溢れるただの現代人なのであった。

2021年4月27日 (火)

【映画】ワン・モア・ライフ!

人生のロスタイムを手に入れたダメおやじ92分一本勝負!これをコメディにできるところがさすがイタリア!見習わないとね(かずさん)

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「ローマ法王になる日まで」のダニエレ・ルケッティが監督・脚本を手がけ、イタリアで大ヒットを記録したコメディ。思いがけず人生のロスタイムを手に入れた中年男性の奮闘を通し、「幸せとは何か? 家族とは何か?」を描き出す。

【ストーリー】
シチリア島パレルモで暮らすパオロは、いつも通る交差点で交通事故に遭ってしまう。死の瞬間、彼の脳裏によぎったのは愛する妻や子どもの姿ではなく、恋人に告げられた深すぎる言葉や客待ちタクシーの列の謎など、他愛のないことばかり。予想以上に短い寿命に納得できず天国の入口で猛抗議すると計算ミスがあったことが発覚し、92分間だけ寿命を延長してもらえることに。地上に戻った彼はこれまでの自分勝手な生き方を改め、限られた時間の中で家族との絆を取り戻そうとするが……。

【作品データ】
製作:2019年/イタリア
時間:94分
原題:Momenti di trascurabile felicita
配給:アルバトロス・フィルム
オフィシャルサイト

【スタッフ】
監督:ダニエレ・ルケッティ
脚本:ダニエレ・ルケッティ

【キャスト】
パオロ:ピエルフランチェスコ・ディリベルト
アガタ:トニー・エドゥアルト
天国の役人:レナート・カルペンティエーリ
アウオラ:アンジェリカ・アッレルッツォ
フィリッポ:フランチェスコ・ジャンマンコ

【感想】
強い衝撃、端的には大事故の時って、確かにその一瞬に様々なストップモーションが見えるらしい。かくいう私も中学2年の時の急坂での自転車での大転倒の時、見た記憶がある。(それがなんだったのか、すでに覚えていないが(笑))
さて、それはこの映画ではそのことは単なる始まりであり、主題は自分にとって大切なものは何か?というものである。
自分の人生に限りがあるということは普段はあまり意識していないが、それゆえに大切なものが見えていないというか、感謝できていないことを痛感させられた。
そして、本人の本当の思い、本心が残された家族や友だちに正しく伝え残らないというのは本当に嫌だなあと痛切に思った。
そういう意味では、死のカウントダウンが割とはっきりしている癌というのは突然死より残された家族を含めて、思いをしっかり伝えられる時間的余裕があるという意味で、悪くない死に方なのかもしれないと思った。
僕の場合は、僕の思いを伝えるものとしてこのブログを大事にしていきたいと思った。
それにしてもイタリア人てのは、本当に愛情深くて浮気性なんですね。(笑)

2020年12月 4日 (金)

【映画】劇場版 鬼滅の刃 無限列車編

単純に面白かったし、感動したし、涙しました。(かずさん)

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累計発行部数1億部を突破した吾峠呼世晴の人気漫画を原作としたテレビアニメ「鬼滅の刃」の劇場版。主人公の竈門炭治郎と仲間たちが“無限列車”に乗り込むシーンで幕を下ろしたアニメ「竈門炭治郎 立志編」の最終話からつながる物語が展開する。鬼に変貌した妹の禰豆子を人間に戻すため“鬼殺隊”となった炭治郎が、数十名が行方不明になっているという無限列車を舞台に、過去最強の敵となる魘夢と死闘を繰り広げる。

【ストーリー】
人喰い鬼がすむ大正時代の日本。鬼に家族を殺された竈門炭治郎は、鬼に変貌した妹の禰豆子を元に戻すため“鬼殺隊”に入隊。蝶屋敷での修業を終えた炭治郎と、同じく鬼殺隊の仲間となった我妻善逸、嘴平伊之助は、禰豆子を連れて、短期間に40人以上が行方不明になっているという“無限列車”に乗り込む。そこで鬼殺隊最強の剣士“柱”の一人である煉獄杏寿郎と合流した彼らは、無限列車の中で鬼に立ち向かう。

【作品データ】
映倫区分:PG12
製作年:2020年
製作国:日本
配給:東宝=アニプレックス
上映時間:117分

【スタッフ】
監督:外崎春雄
原作:吾峠呼世晴
キャラクターデザイン、総作画監督:松島晃
脚本制作:ufotable
サブキャラクターデザイン:佐藤美幸、梶山庸子、菊池美花
プロップデザイン:小山将治
コンセプトアート:衛藤功二、矢中勝、樺澤侑里
撮影監督:寺尾優一
3D監督:西脇一樹
色彩設計:大前祐子
編集:神野学
音楽:梶浦由記、椎名豪
主題歌:LiSA

【キャスト】
竈門炭治郎:花江夏樹
竈門禰豆子:鬼頭明里
我妻善逸:下野紘
嘴平伊之助:松岡禎丞
煉獄杏寿郎:日野聡
魘夢(下弦の壱):平川大輔
猗窩座:石田彰
煉獄槇寿郎:小山力也
煉獄瑠火:豊口めぐみ
煉獄千寿郎:榎木淳弥

【感想】
大ヒット絶賛上映中で歴代興行収入第2位まで上がり、5位以内で劇場で見ていないのが新たに出現してしまったということで、観に行った。(笑)
原作は読んでいたから、ストーリーに目新しさはなかったが、映画館の大スクリーンでのアニメーションは音響効果とともにど迫力でした。
それにしても、アニメとは思えないドアップの連続。しかもリアルではありえない大粒で大量の涙が惜しみなく流れること流れること・・・
ベタな演出しかしてないんだけど、それゆえ、わかりやすく感情移入できるのが良いのかも。

それにしても、日本人は自己犠牲出来る人間が好きだよなあ。滅私奉公を現代で体現する機会なんてないし、そもそもそんな言葉を若者は知らないだろうにのに・・・
これは思うに、日本人には武士道の基、朱子学が骨の髄まで染み込んでいるんだね。
身分とか貧富とか戦争とかの理不尽さの経験が少ないだろう若者が鬼滅の刃を好きな理由はそれしかないな。(笑)

しかし、鬼滅の刃の全体の話の中のほんの一部の映画化で大ヒットなのは、いかがなものか・・・(まあ、ハリーポッターがヒットしているのと同じか)

いずれ、ジブリの名作「千と千尋の神隠し」を抜いて、興行収入1位になるのは、やはりコロナ禍でエンターテイメントの抑制下でのあだ花的な現象なのかなあ・・・

2020年11月15日 (日)

【映画】PLAY 25年分のラストシーン(フランス)

「25年分のラストシーン」、ベタだけどこの映画のタイトルはこれしかないですね。(かずさん)202011movie_play2
25年に渡る主人公の成長を、ホームビデオの映像で振り返る試みの斬新さで話題を集めたフランス映画。1993年。13歳のマックスは、両親から贈られたビデオカメラで、家族や友人たちとの日々を撮影し始める。やがてそれは、彼のライフワークとなり……。主演のマックス・ブーブリル(「ピッチの上の女たち」)は、監督のアントニー・マルシアーノと共同で脚本も手掛けている。2020年6月5日から公開延期。

【ストーリー】
1993年、パリ。両親からビデオカメラを贈られた13歳のマックスは、陽気で温かい家族の姿や友人たちとの日々を撮り始める。それは彼のライフワークともいえる趣味になっていった。やがて38歳になったマックスは、撮りためた25年に及ぶ映像を振り返り、編集する。エマと初めて会った日のこと、仲間との夜遊び、旅行、サッカーW杯、ミレニアム、挫折、成功……。そこには、いつも一緒に過ごしていた4人の仲間たちとの日々、そして彼のすべてが記録されていた。素直になれず、大切なものを手放してしまったマックスは、新たに“映画”のラストシーンを準備するが……。

【キャスト】
マックス マックス・ブーブリル
エマ:アリス・イザーズ
マチアス:マリック・ジディ
アルノー:アルチュール・ペリエ
マックスの母:ノエミ・ルヴォウスキー
マックスの父:アラン・シャバ

【スタッフ】
監督・脚本:アントニー・マルシアーノ
脚本:マックス・ブーブリル
製作:バンジャマン・エラルフ

【作品データ】
原題:PLAY
映倫区分:PG12
製作年:2018年
製作国:フランス
配給:シンカ=アニモプロデュース
上映時間:108分
公式サイト:https://synca.jp/play/

【感想】
30年前にホームビデオが生まれ、そして今はスマホで誰もが動画を撮れる時代。
主人公の視点や心情が撮影した画像から観ている観客の誰もが推し量れる時代になって、本作品は初めて理解できる。
そういう意味では、その時代は数年前に到来していたはずだから、もう少し早くこの作品が生まれていてもよかったんだろうけど、映画人が職業人たるプライドがあったから、今までこうした素人っぽい映像だけでの長編映画が誕生するのを邪魔していたんだろう。

気になる女子をついつい撮ってしまうのも思春期の性だし、仲間内で強がるのも若かりし頃の傾向で、もっと大人になると強がりも含め本音が隠れていく・・・。それらが演技を超えた素人ビデオ撮影そのもののカメラワークで表現されているのがうまいし、新鮮!

最後はリアルな対面で愛を告白するのがやっぱり最高なんだと思わせたシーンはWebのテレビ会議システムのPC側のカメラレンズが映したもので、だからそれすら普通の映画では考えられないのだがズームアップする訳でないのが、最高にリアルな演出でしたね。
そして15年前の仕返し、これこそ観ている観客全てが二人は運命で結ばれ愛し合っていることを確信できた納得のラストでしたね。

とことんまで主人公が撮影していることに拘り、それが新たな映画演出として感動的に結実していた、ぜひとも見ていただきたい映画です。

2020年8月29日 (土)

【映画】ポルトガル、夏の終わり(フランス=ポルトガル)

巡りあわせとタイミングで予想もしない人生になる。それを受け入れるのも不条理でなく人生なんだと思わせてくれた。そういう生き方をしたいと背中を押してくれる映画です。(かずさん)

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『人生は小説よりも奇なり』のアイラ・サックスがメガホンをとり、死期を悟った主人公と、彼女の大切な人々との関わりを描くヒューマンドラマ。主人公フランキーを『エル ELLE』のイザベル・ユペールが演じるほか、『パディントン2』のブレンダン・グリーソン、「スパイダーマン」シリーズのマリサ・トメイらが出演。第72回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品作品。

【ストーリー】
ヨーロッパを代表する女優フランキー。自身の死期を悟った彼女は“夏の終わりのバケーション”と称して、親友や家族をポルトガルにある世界遺産の町・シントラに呼び寄せる。彼女はそこで、自分がこの世を去ったあとも愛する人たちが平和に暮らせる段取りを整えようとする。しかし、それぞれが問題を抱えていたことで、彼女の計画が大きく崩れていく。

【作品データ】
原題:FRANKIE
製作年:2019年
製作国:フランス=ポルトガル
配給:ギャガ
上映時間:100分
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【スタッフ】
監督:アイラ・サックス
脚本:マウリシオ・ザカリーアス、アイラ・サックス
撮影:ルイ・ポッサス
美術:シルビア・グラボウスキー
衣裳デザイン:シルビア・グラボウスキー
編集:ソフィー・レンヌ
音楽:ディコン・ハインクリフェ
録音:バスコ・ピメンテ、フレデリック・デモルダー、シリル・オルツ
アソシエイト・プロデューサー:カテリーナ・メルクト
製作総指揮:ケヴィン・シュネヴァイス、ルーカス・ホアキン
共同製作:ルイス・ウルバノ、サンドロ・アギラール、ディアナ・エルボーム
製作:サイード・ベン・サイード、マイケル・メルクト

【キャスト】
フランキー:イザベル・ユペール
ジミー:ブレンダン・グリーソン
アイリーン・ビアンキ:マリサ・トメイ
ポール・ガニエ:ジェレミー・レニエ
ミシェル・ガニエ:パスカル・グレゴリー
シルヴィア・オンド:ヴィネット・ロビンソン
イアン:アリヨン・バカレ
ゲイリー・アーチャー:グレッグ・キニア
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【ひと言】
1年5か月ぶりの映画館での映画鑑賞でした。
選んだ映画は、死が免れなくなったときに、自分の死後に残される家族や友人のことを案じるという実に地味なお話の映画でした。
そんなあらすじであることを知って、鑑賞したのであるが、深い深い余韻を残す映画にしかなしえない素晴らしい芸術作品でした。

難解なフランス映画らしく、人間関係、その人の人生について、会話の中から少しずつあぶりだされていく展開。
バカンスらしく、間延びした時間経過そのままのゆったりとかつ、親しい家族ならではの不躾かつ説明不足な会話、それを見事なまでに演出している切れ味のないカメラワークは日常生活そのものの既視感となって、最近の非日常的な緊張感のある映像を売りにする映画が多いなか、真逆な不思議な味わいを私ですら不満な感じで見てました。(恐らく普通の観客はなんなんだ金返せって感じだと思います(笑))
夕陽を見に山頂に集まるという約束を、全員が果たすべく参集するのであるが、主人公が何かを察し、全員が揃ったところからのラストシーンの固定カメラからの超ロングショットの長回しとなるのであるが、もちろんそんなエンディングとは知らずに見ていたのであるが、このラストシーン、時間は測っていないが5分以上はあったのではないか?

今まで長く映画を見てきたが、これほど長い固定のラストシーンはなかったし、映像的にも内容的にもまったく面白くなくて、むしろかなり退屈なラストシーンなのであるが、直前に意味深なシーンと山頂での人々の動きが映画の回想を誘発し、私の思考はぐるぐる巡りました。

人生は思うようにならないと見るべきか?思うようにならないから面白いし、生き甲斐があると見るべきか?
ぐるぐると考えてしまいましたね。
そういう意味で紆余曲折しながらでも一生懸命生きるべきだと思うことのできる良い映画だと思いました。

大切な故人の想いを今一度反すうし、その思いを胸に新しい一歩を踏み出していこうと思います。

【ネタばれ】
ネタをばらしちゃうと、完全に面白くない映画です。ほとんど何も起きない映画なので。
強いて言えば、ラストシーンは凄いと思うか、金返せと思うか、評価は二分されるだろう印象的なラストです。

2019年3月17日 (日)

【映画】君は月夜に光り輝く(日本)

純粋培養の悲恋映画です。赤いハイヒール良かったなあ・・・(涙)。
酸いも甘いも身に染みた大人には突っ込みどころ満載ですが、泣けましたよ。(かずさん)

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第23回電撃小説大賞で最高賞の大賞に輝いた、佐野徹夜のデビュー作を、若手演技派の永野芽郁&北村匠海主演で映画化したせつないラブストーリー。不治の病に侵された少女と、彼女の叶えられない願いを代わりに実行しようとする少年の恋の行方が描れる。監督は『君の膵臓をたべたい』で高い評価を受けた月川翔。

【ストーリー】
クラスの寄せ書きを届けるため病院を訪れた高校生・岡田卓也(北村匠海)は、発光病に侵され入院する同級生の渡良瀬まみず(永野芽郁)と出会う。発光病にかかると細胞異常により皮膚が発光し、死が近づくにつれその光は強くなっていき、成人するまで生存した者はいない不治の病だった。それにも関わらず明るく振舞うまみず。卓也は病院から出られないまみずの願いを代わりに実行して感想を伝える、代行体験をすることに。代行体験を重ねるごとにまみずは人生の楽しみを覚えていき、卓也は彼女に心惹かれていった。しかし死の影が忍び寄り、まみずは卓也に最期の代行体験を託す……。

【作品データ】
製作年:2019年
製作国:日本
配給:東宝
上映時間:101分
映画公式サイトへ
https://kimitsuki.jp/

【スタッフ】
監督:月川翔 
製作:市川南 
プロデューサー:神戸明 
原作:佐野徹夜 
脚本:月川翔 
撮影:柳田裕男 
音楽:伊藤ゴロー、歌川幸人 
企画・プロデュース:春名慶、岸田一晃 
音楽プロデューサー:北原京子 
プロダクション統括:佐藤毅 
美術:五辻圭 
編集:坂東直哉 
録音:加藤大和 
スクリプター:中村愛由美 
エグゼクティブプロデューサー:山内章弘 
俳優担当:舟本佳子 
ヘアメイク:百瀬広美 
助監督:牧野将 
照明:宮尾康史 
装飾:安藤千穂 
ラインプロデューサー:濱﨑林太郎 
VFXスーパーバイザー:鎌田康介 
スタイリスト:望月恵 
製作担当:和氣俊之 

【キャスト】
永野芽郁 
北村匠海 
甲斐翔真 
松本穂香 
今田美桜 
優香 
生田智子 
長谷川京子 
及川光博 

【感想】
親しい人の死はいつも悲しい。本作品でも主役の永野芽郁ちゃんは、観ている私が親しみを感じるに十分な演技を見せ、それゆえに最後の死はとても悲しく、涙腺の弱くなった中年たる私は、ひとしきり泣かせてもらった。

ふと周りを見渡せば、圧倒的に若い人が多くて、自分の年齢を感じるとともに、そういうジャンルの映画なんだなあと改めて思った。

彼らの親世代である私から見ると、本作品のストーリー展開やキャラクター設定は、突っ込みどころ満載でしたので、それについて、ディスるというより、備忘録的に記述していきたい。

・永野芽郁ちゃんは自分のかわいさと悲劇的な人生を逆手にわがまますぎる。(笑)
・お母さんが二人とも狭量すぎる。母はもっと強いのではないか・・・。
・代行にお金がかかりすぎていて、二人の家庭環境的に無理がある。
・ラストシーンは二人の純愛を昇華させるようなシーンにして欲しかったなあ

2019年3月15日 (金)

【映画】グリーンブック(アメリカ)

アメリカという国のらしさと傲慢さを感じつつも、明るい未来を感じさせつつ、波乱万丈なロードムービーであり、大人の男2人の友情映画としては見ごたえ十分で感動的な映画でした。

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第76回ゴールデン・グローブ賞で作品賞など最多の3部門に輝いた、実話を基にした人間ドラマ。人種差別が色濃く残る1960年代のアメリカ南部を舞台に、黒人の天才ピアニストと、彼に雇われたイタリア系の用心棒兼運転手との旅を描く。『メリーに首ったけ』などコメディを得意とするファレリー兄弟の兄ピーターが監督を務める。

【ストーリー】
1962年、アメリカ。ニューヨークのナイトクラブで用心棒を務めるイタリア系のトニー・リップ(ヴィゴ・モーテンセン)は、粗野で無教養だが、家族や周囲から愛されている。“神の域の技巧”を持ち、ケネディ大統領のためにホワイトハウスで演奏したこともある天才黒人ピアニスト、ドクター・シャーリー(マハーシャラ・アリ)は、まだ差別が残る南部でのコンサートツアーを計画し、トニーを用心棒兼運転手として雇う。正反対のふたりは、黒人用旅行ガイド『グリーンブック』を頼りに旅を始めるが……。

【作品データ】
原題:GREEN BOOK
製作年:2018年
製作国:アメリカ
配給:ギャガ
上映時間:130分
映画公式サイトへ
https://gaga.ne.jp/greenbook/

【スタッフ】
監督:ピーター・ファレリー 
製作総指揮:ジェフ・スコール、ジョナサン・キング、オクタヴィア・スペンサー、クワミ・L・パーカー、ジョン・スロス、スティーヴン・ファーネス 
プロデューサー:ジム・バーク、チャールズ・B・ウェスラー、ブライアン・カリー、ピーター・ファレリー、ニック・バレロンガ 
脚本:ニック・バレロンガ、ブライアン・カリー、ピーター・ファレリー 
撮影:ショーン・ポーター 
衣装:ベッツィ・ハイマン 
音楽:クリス・バワーズ 
音楽監修:トム・ウルフ、マニシュ・ラヴァル 
美術:ティム・ガルヴィン 
編集:パトリック・J・ドン・ヴィト 
キャスティング:リック・モンゴメリー 
音楽編集:マニシュ・ラヴァル   

【キャスト】
Tony Lip:ヴィゴ・モーテンセン 
Don Shirley:マハーシャラ・アリ 
Dolores:リンダ・カーデリーニ 
Oleg:ディミテル・D・マリノフ 
Johnny Venere:セバスティアン・マニスカルコ 
George:マイク・ハットン 
Record Exec:P・J・バーン 
Gio Loscudo:ジョー・コルテーゼ 
Jules Podell:ドン・スターク

【感想】
開けっ広げに、過去の自分の失敗談を明るくユーモアを交えて、披露できる人間は一般的には度量が広いと思う。わが友人の中にも、そういう人物はたくさんいるし、不遜を顧みずに言わせてもらうと、自分もどちらかと言えばそういう人間ではある。

そうは思いつつも、日本で育った日本人であるので、空気を読めない張りの、誰も同情というか共感もできない失敗談、例えば最近のバイトテロのような話を自慢はできない空気感は有しており、もっと大きな話として、歴史的な事象のことを言えば、75年前の大日本帝国時代の凄惨な戦争の話などは、今では避けてしまうのが日本人的であると言えるだろう。

ことさら過去をほじくり返すことを潔しとしないのが日本人の美徳であると思うし、現に現在の日本は十分に平和な国であるから必要ないだろうとも思うことが一般的な日本人の感覚ではないだろうか。

さて、本映画であるが、今から55年前くらいのアメリカでの白人優位の黒人差別のエピソードを臆面もなくさらしながら話は進んでいくのである。島国であり、移民も少ない日本では人種差別というのが実感として存在しなかったレベルであり、特に若い人には、本映画での黒人差別のシーンはかなり強烈に心に焼き付けられるだろう。

インテリで温厚な黒人と楽天的でガサツで教養のない白人という日本人のステレオタイプには全くなじみのない主人公二人が反目しながらお互いに自分の役割を果たしながら、困難(本映画では黒人差別)をお互いに敬意をもって克服していく様は、ヒーローが危機に立ち向かい、解決していくような爽快感すら持って、最後は深い友情となって結実してエンディングを迎え、それが本当の話であるというエンドロールを経て、気持ちよく映画を見終わった日本人が多数であろう。

ところが、本映画を見終わった直後の私はというと、本ブログに一番最初のコメントのとおり、「アメリカという国のらしさと傲慢さを感じ」て釈然としない気持ちになっていたのである。

それはどういうことかと言えんば、過去の白人による黒人差別を一人の白人が黒人とともに打破していったという歴史的な話にし、そして今のような黒人差別はだいぶ少なくなったアメリカ社会にまで持ってきたんだという自慢話にしか思えなかったからである。

鑑賞後はそういう思いであったのであるが、一晩経って、自分や自分の周りのことを比較しながら振り返ってみると、ことさら日本人は過去の自国の歴史を振り返らずに過ごして、まさに過去の失敗というか認めたくない過ちに盲目的に過ごしすぎたのではないか?という思いが強くなってきた。

日本国憲法の前文や第9条の平和への思いを信奉するだけで、なぜあの戦争が起こったのか?という共通な思い、いや共通な思いなど幻想だろうが、いまなお議論をしてもよいのではないかと思わざるを得なく、そういう意味では、過去の黒人差別を今なお臆面もなく映画の形で、自ら白日に晒して、先人が戦ってきたことを見せ、進むべき道を明るくユーモラスに振り返りつつ、商業的も成功するような形で映画化するアメリカという国は、凄いよなあと気持ちがちょっと変わったところでの、映画評となったのである。

そんなことを考えながらの鑑賞する人間は少ないかもしれないが、主役二人が困難に立ち向かう演奏旅行は、胸にグッとくる名作であることは間違いないですし、信念をもって困難に立ち向かうという生き方こそが人生の価値なんだと改めて思ったし、困難な時にも明るく振る舞うカッコ良さには、今回も憧れましたね。がんばろう!

2019年3月 3日 (日)

【映画】女王陛下のお気に入り(アイルランド=アメリカ=イギリス)

演技派女優陣による宮廷内の女愛憎劇の凄まじさを描いており、救いをどこに見出せばよいのか、わからない絶望的な感じが堪らない強烈な映画でした。男で良かったと思いました。(笑)(かずさん)

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オリヴィア・コールマンら実力派女優が共演し、18世紀初頭の英国王室に渦巻く女たちの愛憎劇を描く宮廷ドラマ。病弱な女王アンと幼なじみのサラの前に元貴族のアビゲイルが現れたことから、女たちの争いが始まる。監督は『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』など独特の映像表現で知られるヨルゴス・ランティモス。

【ストーリー】
18世紀初頭、ルイ14世のフランスと戦争状態にあるイングランド。気まぐれで病弱でありながら、それでも頑固に国を守る女王アン(オリヴィア・コールマン)を、幼馴染のレディ・サラ(レイチェル・ワイズ)が操り、絶大な権力を握っていた。そんななか、サラの従妹アビゲイル(エマ・ストーン)が上流階級から没落し、宮廷で召使いとして働くことになる。アビゲイルはサラに気に入られ、女官に昇格するが、再び貴族の地位に返り咲こうと野望が芽生え始める……。

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【作品データ】
原題:THE FAVOURITE
製作年:2018年
製作国:アイルランド=アメリカ=イギリス
配給:20世紀フォックス映画
上映時間:120分
映画公式サイトへ
http://www.foxmovies-jp.com/Joouheika/
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【スタッフ】
監督:ヨルゴス・ランティモス 
脚本:デボラ・ディヴィス 、 トニー・マクナマラ 
衣裳:サンディ・パウエル 
撮影監督:ロビー・ライアン   
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【キャスト】
Queen Anne:オリヴィア・コールマン 
Abigail Masham:エマ・ストーン 
Sarah Churchill:レイチェル・ワイズ 
Robert Harley:ニコラス・ホルト 
Masham:ジョー・アルウィン
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【感想】
今度はラ・ラ・ランドの主演女優のエマ・ストーン主演の作品だが、3人の女性の誰が主演なんだか、甲乙つけがたい見事なまでの脚本でした。
結果的に、アカデミー賞主演女優賞は、アン女王役のオリヴィア・コールマンが受賞。確かに納得の見事なまでに、気位は高く気まぐれで病弱な女王を演じておりました。
本作品では、男は完全に道化役となっており、本作品ができた背景は、女性の社会進出の進展を感じざるを得ない。
そもそも、これほどまでに憎々しく女性を描けること自体が、男性の私からしても、目から鱗ですわ。
嫌な女は、映画はもちろん、実社会でも存在するが、嫌な女しかいないというのは、映画においても珍しいと思った。
なんだかんだで映画は、最後に正義は勝つとか、悔い改めて将来に希望の光が当たるというような終わり方するのだが、本作品においては、それはまったくない終わり方だったので、最後まで鮮烈だったというのが感想です。
そう思わせるだけの、主役の3人の女優さんの見事なまでの演技と演出だったということで、アカデミー賞をはじめとする受賞歴をみても、名作の誉高い作品だと思いました。

追記:
 予想外な場面でエマ・ストーンの裸体(生乳)が出てきました。清純派だと思っていただけにびっくりで、印象的でした。(笑)

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