【映画】ポルトガル、夏の終わり(フランス=ポルトガル)
巡りあわせとタイミングで予想もしない人生になる。それを受け入れるのも不条理でなく人生なんだと思わせてくれた。そういう生き方をしたいと背中を押してくれる映画です。(かずさん)
『人生は小説よりも奇なり』のアイラ・サックスがメガホンをとり、死期を悟った主人公と、彼女の大切な人々との関わりを描くヒューマンドラマ。主人公フランキーを『エル ELLE』のイザベル・ユペールが演じるほか、『パディントン2』のブレンダン・グリーソン、「スパイダーマン」シリーズのマリサ・トメイらが出演。第72回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品作品。
【ストーリー】
ヨーロッパを代表する女優フランキー。自身の死期を悟った彼女は“夏の終わりのバケーション”と称して、親友や家族をポルトガルにある世界遺産の町・シントラに呼び寄せる。彼女はそこで、自分がこの世を去ったあとも愛する人たちが平和に暮らせる段取りを整えようとする。しかし、それぞれが問題を抱えていたことで、彼女の計画が大きく崩れていく。
【作品データ】
原題:FRANKIE
製作年:2019年
製作国:フランス=ポルトガル
配給:ギャガ
上映時間:100分
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【スタッフ】
監督:アイラ・サックス
脚本:マウリシオ・ザカリーアス、アイラ・サックス
撮影:ルイ・ポッサス
美術:シルビア・グラボウスキー
衣裳デザイン:シルビア・グラボウスキー
編集:ソフィー・レンヌ
音楽:ディコン・ハインクリフェ
録音:バスコ・ピメンテ、フレデリック・デモルダー、シリル・オルツ
アソシエイト・プロデューサー:カテリーナ・メルクト
製作総指揮:ケヴィン・シュネヴァイス、ルーカス・ホアキン
共同製作:ルイス・ウルバノ、サンドロ・アギラール、ディアナ・エルボーム
製作:サイード・ベン・サイード、マイケル・メルクト
【キャスト】
フランキー:イザベル・ユペール
ジミー:ブレンダン・グリーソン
アイリーン・ビアンキ:マリサ・トメイ
ポール・ガニエ:ジェレミー・レニエ
ミシェル・ガニエ:パスカル・グレゴリー
シルヴィア・オンド:ヴィネット・ロビンソン
イアン:アリヨン・バカレ
ゲイリー・アーチャー:グレッグ・キニア
【ひと言】
1年5か月ぶりの映画館での映画鑑賞でした。
選んだ映画は、死が免れなくなったときに、自分の死後に残される家族や友人のことを案じるという実に地味なお話の映画でした。
そんなあらすじであることを知って、鑑賞したのであるが、深い深い余韻を残す映画にしかなしえない素晴らしい芸術作品でした。
難解なフランス映画らしく、人間関係、その人の人生について、会話の中から少しずつあぶりだされていく展開。
バカンスらしく、間延びした時間経過そのままのゆったりとかつ、親しい家族ならではの不躾かつ説明不足な会話、それを見事なまでに演出している切れ味のないカメラワークは日常生活そのものの既視感となって、最近の非日常的な緊張感のある映像を売りにする映画が多いなか、真逆な不思議な味わいを私ですら不満な感じで見てました。(恐らく普通の観客はなんなんだ金返せって感じだと思います(笑))
夕陽を見に山頂に集まるという約束を、全員が果たすべく参集するのであるが、主人公が何かを察し、全員が揃ったところからのラストシーンの固定カメラからの超ロングショットの長回しとなるのであるが、もちろんそんなエンディングとは知らずに見ていたのであるが、このラストシーン、時間は測っていないが5分以上はあったのではないか?
今まで長く映画を見てきたが、これほど長い固定のラストシーンはなかったし、映像的にも内容的にもまったく面白くなくて、むしろかなり退屈なラストシーンなのであるが、直前に意味深なシーンと山頂での人々の動きが映画の回想を誘発し、私の思考はぐるぐる巡りました。
人生は思うようにならないと見るべきか?思うようにならないから面白いし、生き甲斐があると見るべきか?
ぐるぐると考えてしまいましたね。
そういう意味で紆余曲折しながらでも一生懸命生きるべきだと思うことのできる良い映画だと思いました。
大切な故人の想いを今一度反すうし、その思いを胸に新しい一歩を踏み出していこうと思います。
【ネタばれ】
ネタをばらしちゃうと、完全に面白くない映画です。ほとんど何も起きない映画なので。
強いて言えば、ラストシーンは凄いと思うか、金返せと思うか、評価は二分されるだろう印象的なラストです。
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