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2019年3月 9日 (土)

【書評】速すぎたランナー 増田晶文/著

2019hayasugita

いつ頃から、自分はマラソンに興味を持っていたのか?

マラソンランナーとして、自分が最も古い記憶として思い出すのは、宇佐美選手である。(宇佐美彰朗さん)

恐らくほとんどの人たちは知らないであろうが、68年メキシコ、72年ミュンヘン、76年モントリオールと3回連続オリンピックのマラソン日本代表となった名選手である。

アラフィフも終わりかけている私にとって、自分の確かな記憶があるのは1970年代からであり、オリンピックの記憶があるのは76年のモントリオール大会からである。

宇佐美選手を知ったのはそのオリンピックではなくて、国内のマラソン中継でした。私は小学生のころからマラソンレースの中継をよく見ており、そのころ活躍していた日本人選手と言えば宇佐美選手だったのです。

私が見ていたころの宇佐美選手は国内では優勝するものの、タイムとしては世界記録や日本記録にはまったく及ばず、それを歯がゆく思っていたりもしてました。(調べてみると宇佐美選手は1970年に日本最高記録を出すなどスピードもある選手でしたが、自分が記憶している1975年前後には好タイムは出なくなっていたようです。)

その後は、宋茂・猛兄弟、瀬古利彦、中山竹通、伊藤国光、谷口、森下といった名だたるマラソン選手の走りをテレビで見て、今なお脈々とテレビ中継ではあるが、見続けてきている。

これを今書きながら、学生時代も正真正銘の鈍足であり、41歳までマラソンをしたことはなかった私なのであるが、走ること、特にマラソンに対する強い関心が小さいころからあったのだなあと改めて思った。

さて、書評に移るが、この「速すぎたランナー」は、1990年代に活躍したマラソン選手である「早田俊幸」選手の苦闘を扱ったドキュメンタリーである。

彼のデビューは華々しかった。1992年の東京国際マラソンで、それは同年開催のバルセロナ五輪の選考レースでもあって、先に名前を出した中山選手(88ソウル五輪4位)や森下選手(92バルセロナ五輪銀メダル)といった世界屈指のランナーとオリンピック出場をかけたレースで、彼らに次いで3位となったのである。しかもトップ森下選手とは18秒差だったのである。

以降、実業団駅伝では区間賞を連発する早田選手は、マラソンでは常に優勝候補と目され、テレビでマラソン中継を見てしまう私の記憶にも残っているのであるが、彼に対する強い印象はなく、優勝候補ながら一度も優勝できず、ましてオリンピックの出場もなく、消えて行ったということぐらいの記憶しかなかった。

本ドキュメンタリーでは、早田選手は早すぎるスピードを持つがゆえに、終盤に力をためるべく、ゆっくり走らなければならないマラソンで勝つことができなかったということを端的に表すべく、「速すぎたランナー」というタイトルにされたようである。

2時間10分を切るようなトップ選手の苦しみは、私のような3時間半でしかゴールできない平凡な市民ランナーにはわかるはずもないのであるが、マラソンなどの長距離においては、強いメンタル、特に重要なのは我慢しながら計算し続ける強いメンタルが重要なことはよくわかるところである。

著者は、早田選手を単純に「悲劇の速すぎたランナー」としては、扱っておらず、むしろ「メンタルが強くなかった人間的に未熟で苦闘したランナー」として、扱っている。

彼はマラソンで未勝利ながらも、国際的なマラソンレースにしか出場せず、完走した10回のレースで2位2回、3位2回、10位以内9回という戦績は、決して恥ずべきものではないのであるが、現役時代の強気な発言(「優勝を狙います」)や実業団を渡り歩いた点などから、癖の強いランナーとしては、優勝やオリンピック出場がなかったという結果が、彼の評価を下げている気はする。

2時間10分を切るようなタイムで走るマラソンのトップ選手は、最初から最後まで相当に苦しいはずであり、私のような市民ランナーでも、フルマラソンは最初から最後まで一生懸命走るので苦しくて、むしろ250㎞の超ウルトラマラソンの方が、終始ゆっくりとしか走らないので、マラソンより楽だというのも、一般の人には信じられないかもしれないが、本当の話である。

このドキュメンタリーの中でも、名だたるマラソンの名選手や指導者から、早田選手の評価を聞いているのであるが、かれらの早田選手への優勝しきれないメンタルについて、単純な評価ではないものの、傾向的には、「走りに対する思いが弱いように見える」といった評価が多かった。

それは少なからず当たっているような気がする。

やたら発言や態度が自信満々な人間はどこにでもいるが、実はそういう人間に限って、どこか自分を信じられなくて、虚勢を張っているような人物であったりするような場合がある。

逆に、目立つような言動をしないで、自分の実力を客観視しながら、自分を信じ切って、最後まで自分の力を出し切って、結果や成果をきちんと出す人物もいる。

もちろん二択のように簡単に線引きなどできるはずもないが、私が思うに早田選手は、前者の傾向が強いのではないかと思う。マラソンレースを10回完走しているが、途中棄権を4回もしている点からも、そういう傾向が見られるのではないかと思う。

本著でも、そういう風に早田選手のことを描いているように見えるのであるが、本著が上梓されたのは、当然に早田選手の許可があったわけで、そういう意味で、本著に描かれている、一社会人となられている早田選手にこのドキュメンタリーについての、ご自身の意見なり感想を聞いてみたいところである。市民マラソン大会のゲストランナーとしても参加されているようだし。

明日は古河はなももマラソンということで、休息日として走ることもできず、読書に費やしましたが、私が走る意義はなんであろうか・・・。

限界への挑戦と、限界を超えた先にいる新たな自分への期待なんでしょう。3年ぶりのサブ3.5を達成し、その後報告ができるよう頑張ります!

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