【映画】ジュリアン(フランス)
子を持つ親としては、まさに息をのむ展開で、無音のエンドタイトルクレジットも納得のとても衝撃的な映画でした。DV夫というのは、異例な存在なのだろうか?そうであると信じたい。(かずさん)
第74回ベネチア国際映画祭にて最優秀監督賞(銀獅子賞)を受賞したドラマ。ブレッソン夫妻は離婚し、11歳になる息子の親権内容を争っている。元夫に子供を近づけたくない母ミリアムだったが、裁判所は夫アントワーヌに息子への面会の権利を与える。彼は面会の度に息子ジュリアンから母の居場所を聞き出そうとするが、ミリアムは電話に出ず、住所さえ伝えない。母親を守るためジュリアンは必死に嘘をつくがアントワーヌに嘘を見破られてしまい、彼が家に乗り込んでくる。ジュリアンは母親を守ることができるだろうか……。
【ストーリー】
ブレッソン夫妻は離婚し、11歳になる息子の親権内容を争っている。元夫に子供を近づけたくない母ミリアムだったが、夫アントワーヌは、妻が離婚の引き金を引いたと強く主張し、息子との面会の権利を得る。彼は面会の度に息子ジュリアンから母の居場所を聞き出そうとするが、ミリアムは電話に出ず、住所さえ伝えない。母親を守るためジュリアンは必死に嘘をつくがアントワーヌに嘘を見破られてしまい、怒りに満ちた彼が家に乗り込んでくる。
【作品データ】
原題 JUSQU'À LA GARDE
製作年 2017年
製作国 フランス
配給 アンプラグド
上映時間 93分
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【スタッフ】
監督 グザヴィエ・ルグラン
製作 アレクサンドル・ガヴラス
脚本 グザヴィエ・ルグラン
撮影 ナタリー・デュラン
衣装 ロランス・フォルグ=ロキャルト
美術 ジェレミ・スフェズ
編集 ヨルゴス・ランプリノス
音響 ジュリアン・シカール、ヴァンサン・ヴェルドゥー、ジュリアン・ロッチ
キャスティング・ディレクター ユナ・デ・ペレティ
助監督 マリ・ドレール
プロダクション・マネージャー クリスティーン・モアーブ
【キャスト】
ミリアム・ベッソン レア・ドリュケール
アントワーヌ・ベッソン ドゥニ・メノーシェ
ジュリアン・ベッソン トーマス・ジオリア
ジョゼフィーヌ・ベッソン マティルド・オネヴ
サミュエル マチュー・サイカリ
シルヴィア フロランス・ジャナス
裁判官 サディア・ベンタイエブ
ミリアムの弁護 ソフィー・パンスマイユ
アントワーヌの弁護士 エミリー・アンセルティ=フォルメンティニ
【感想】
人間は哺乳類に属しており、オスとメスの両性がある。
生物として同種であっても、両性の生殖行動は利害相反の関係がある。
それは生物たる人間においても逃れることはできない現実であるのだが、理性を有する人間の多くはほぼ無自覚に克服している。
残念ながら克服できなかった者は、人間界においては排除され淘汰されてきたのである。
この映画のDV夫のアントワーヌは、最終的には排除されることとなったのであるが、人間みな平等の現代社会においては、簡単に排除されることはない社会となっている。
それを本作品では余すことなく描いていて、それが本作品の恐怖を増幅させているのであるが、その理由は現代社会はそれを克服するすべを持ち得ていないからだ。
現実の日本社会においても、DVとか性犯罪は無くなる感じはしないのが実感であろう。
それはなぜか?については一過言あるのだが、ここでは長くなるので述べないが、まさにその理屈を地で行くようなストーリー展開なのだが、秀逸な演出に恐怖して鑑賞するしかなかった。
素晴らしい映画の基本である「引き込まれる画面」が全編を通して続くという、見ごたえがあるというか、見終わって、どっと疲れが出た良い映画であった。
DVとは無縁の性格だと思ってはいるが、生物としての本能などは当然に有している身と自覚しており、それを理性が抑えきれなくなる恐れがあることを十分に自覚して、その映画のようにはならないよう、気を付けなければと思っているのが、鑑賞後の思いである。
すでに半世紀を生きてはいますが、人間としての成長を怠りなく、頑張ります。(笑)
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