オレオレ詐欺未遂事件(笑)
老後のお金を持っている高齢者が、孫のお願いと信じ込んで多額の現金を振り込んだりする詐欺事件を「オレオレ詐欺」と呼ばれていることはもちろんのこと、仕事柄それなりに知識も持っていたのだが、それが我が家が当事者になり、役に立つとは夢にも思わなかった。
その顛末をご報告します。
【思い起こせば始まりは前日から】
我が家はこのブログで過去に書いたとおり、子どもたちは団子三兄弟で、次男坊は今年大学生になったばかりで、アパート暮らしもまだ8カ月ちょっと経過したところである。
なので、ひとり暮らしで冬を迎えるのも初めてであるが、男親で一人暮らし経験の長い私は、何も心配していないのだが、彼の母親である妻は何かにつけ心配している。
寒かった月曜日、妻は次男坊にラインで「風邪ひいてないか?」「体調は大丈夫か?」と送り、次男坊から「大丈夫。週末、千葉に帰る」との返事をもらっていた。
その日の夜になって、次男坊から家電に電話があったらしく、妻は帰宅した私に「○○(次男坊の名前)、風邪ひいていて、別人みたいなダミ声になってた。心配だなあ」というので、「そんなに心配なら、アパートに行ってみれば?」というと「仕事だから行けない」とのこと。
さらに「そういえば、リンゴをいっぱい貰ったらしく、宅配で家に送るって言ってた。宅配が着いたら連絡してくれって。」とのこと、「あのめんどくさがり屋の○○がリンゴを送るって?ほんとか?」「1人暮らしで少し成長したんだろうか?」と会話したところだった。
次男坊が風邪をひいたことが気になったのか、妻はその夜、次男坊の夢を見たらしく、寝坊してた。
【突然、妻から職場に電話】
「パパ、怒らないで聞いてくれる」と午後1時50分くらいに妻から職場にいた私に電話が入る。大人しく聴いていたのだが、要領を得ない話から泣きじゃくりはじめ、なかなか話が進まない。それでも何とか聞き出すとこんな話だった。
「夜に○○が自分で直接パパに電話するから、言わないでほしいと言われたから、パパは知らなかったことにして欲しいんだけど」
「○○が株で儲けたんだけど、塾の人を巻き込んでやっていたら、今日、会社の監査に引っかかって、今すぐ200万あれば、何とかなるらしくて、今から○○が駅に取りに来るらしい。」
「家中の貯金をおろして、渡してよいか?」
「よくわからないんだが、次男坊にラインとかで連絡したのか?」
「だって、今使えないって」
「じゃあ、本人かどうかわからないじゃないか?」
「さっきまで電話してたし」と泣きながらの返答に明らかな違和感あり
「そもそも次男坊が払う必要があるのか?」
「未成年が株とか投資は単独では出来ないし」
「監査も派遣の家庭教師である次男坊は関係ないだろう」
「こっちは何も困る要素がないから金は払うな、渡すな」
「えー、それだと○○が困るよ・・・・」とまさに電話で話していても埒(らち)が開かないので、上司に家庭で問題発生と非常事態宣言して、職場から現金引渡しに指定された駅に向かうことにした。
駅にダッシュで向かう道すがら、次男坊にラインを送った。「至急連絡ください」
しばらくすると「今、ちょうど休憩時間です。何か重要なことですか?」と返信が来た。
やっぱり、次男坊本人でなさそうなので、単刀直入に質問した。
「ママに200万円必要と電話したか?」
答えは「そのような電話はしてないです。」
とりあえず、次男坊本人に問題が無いことが確認できた。あとは妻だ。
うまい具合に電車が来て、乗り込むことができたら、妻からもラインが来た。
「○○からライン来た。本人じゃなかった。」
とりあえず、妻は200万円を引き下ろして、手渡す気は無くなった、というか、すでに怒り心頭になっていた。(笑)
家に帰るほどではなかったなあと思いつつ、とりあえず今日のもう一つの行事、三男坊の学校面談に一緒に向かうことになったのであった。
【その間の当事者同志のやり取りはこんな感じ】
オレオレ詐欺事件発生の当日は、妻は長男坊に、次男坊が別人のような声になるほどの風邪を引いたことをラインし、長男坊に体調を注意するように伝えたりしていた。一方、次男坊には宅配が届いたら連絡してと言われているので、ラインは送らなかったそうだ。
そして、妻が仕事を終えて、帰ってきた昼過ぎに、ダミ声の次男坊から電話があったそうだ。
「リンゴ届いた?」
「やっぱ届いてないよね」
「ごめん、ヤマトの手違いで・・・・。今日はこれからいる?明日は?」
それに対して、妻は自分のスケジュールを延々と話したらしい。
それを聞いたダミ声の次男坊は「じゃあ、明日1時から3時に指定するね」
「わかったよ」と電話が終わりかけたところで、ダミ声の次男は話し始めたらしい。
「ところでさあ、報告があるんだけど、今、時間、大丈夫?」
「あのさー、おれさー、・・・」
※このフレーズは次男が相談するときの言い方にそっくりだったらしい。
「去年から株を少しずつ買って、儲かってしまって、」
「会社の経理の人も巻き込んで株をしてたんだけど」
「今日、急に会社の監査があって、携帯没収されて、公衆電話からなんだけど」
「今すぐ会社に200万円戻さないと大変なことになる。」
「パパには絶対に言わないで!」
「パパには俺から夜に電話するから、内緒で200万円用意して欲しい。」
「俺が、直接受け取りに行くから」
これに対して妻は、
「そんな大金、私が持ってないこと、あんただって知ってるでしょ!」
「お金のことはパパに話して!」
「これってオレオレ詐欺じゃないの?」と言うものの、次男坊(と思い込んでいる人間)に何度も何度も懇願され、家中の貯金通帳を見て、銀行やら郵便局に電話をかけて、引き出す算段をしてたらしい。
しかも、スマホが携帯電話番号がわからなくなったからと、自分の携帯電話番号まで教えてしまっていたらしい。
それでも、最終的に、パパに次男坊が怒られるとは思ったが、大金の話なので、妻は私に電話したのが、上段の件
それに対して、私が「次男坊にとにかくラインしてみろ!」と言われたのでラインしたら、なんと本人からラインが帰ってきて、オレオレ詐欺催眠から覚醒!
その後、オレオレ詐欺から2回電話がかかってきたそうだが、「あんた、だれ?」と問うと、電話が切れたそうだ。
【解説】
母親はとにかく子供のことを心配している。
急に寒くなったことで、ひとり暮らしの息子たちが風邪を引いてないだろうかと心配しているところに、ダミ声の電話があって、最初は誰なのかを疑っていたものの、懐に飛び込んでくるような馴れ馴れしい電話と時間に追われるパニックになるような話に関心が引き寄せられて、最も大事な本人確認を行わずに、先に先に進むというオレオレ詐欺側の術中にはまっていったことが、よくわかりますね。
「俺も騙されないようにしないと」というと、「あんたは騙されない」と妻から言われたが、過信しないように、注意しないといけないと思いました。
追記:
傑作なのは、オレオレ詐欺の本人に、「あんたオレオレ詐欺に騙されているんじゃないか?」というようなことを口走っているところ。
向こうは、内心、しめしめと思っていただろうね。(笑)
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