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2018年12月30日 (日)

【映画】家へ帰ろう(スペイン・アルゼンチン)

人生の最終盤に己の人生を賭けた旅に出るお話。涙しか出てこないラスト。教訓的にはつまらない人生こそが最高の人生なのかもしれないと思った。

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世界の映画祭で観客賞8冠に輝いたロードムービー。ブエノスアイレスに住む88歳の仕立屋アブラハムは、70年以上会っていない親友に最後に仕立てたスーツを届けるため、ポーランドに旅立つ。その親友は、ホロコーストから逃れた彼を匿った命の恩人だった。出演は、「タンゴ」のミゲル・アンヘル・ソラ、「シチリア!シチリア!」のアンヘラ・モリーナ。

【ストーリー】
ブエノスアイレスに住む88歳の仕立屋アブラハム(ミゲル・アンヘル・ソラ)は、70年以上会っていない親友に最後に仕立てたスーツを届けるため、マドリッド、パリを経由してポーランドに旅立つ。その親友は、ユダヤ人であるアブラハムがホロコーストから逃れたとき、彼を匿ってくれた命の恩人だった。旅の途中、様々な困難に直面するも、出会う女性たちがアブラハムに手を差し伸べる。頑なだった彼の心も、やがて開いていき……。

【作品データ】
原題:EL ÚLTIMO TRAJE
製作年:2017年
製作国:スペイン=アルゼンチン
配給:彩プロ
上映時間:93分
映画公式サイトへ

【スタッフ】
監督:パブロ・ソラルス 
脚本:パブロ・ソラルス 
撮影:フアン・カルロス・ゴメス 
音楽:フェデリコ・フシド 

【キャスト】
Abraham Bursztein ミゲル・アンヘル・ソラ 
María アンヘラ・モリーナ 
Gosia オルガ・ボラズ 
Ingrid ユリア・ベアホルト 
Leo マルティン・ピロヤンスキー 
Claudia ナタリア・ベルベケ 

【感想】
これまで映画評で何度も言ってきたが、戦争の不条理さを描くのに映画ほど適した手法はない。
今回もナチスドイツのユダヤ人虐殺を題材とするものだが、メインストーリーはその70年後のお話。

一本筋の通った生き様は、一見、頑固に見えてしまうのだが、内面に培われている確固たる芯に触れていくと、その人間的な魅力に多くの人が惹きつけられるのである。

この映画の主人公は、ユダヤ人虐殺(ホロコースト)の地獄から奇跡的に生還し、親友の献身により救われ、その後の人生を全うしていくという、普通の人生に見えて、普通でない経験を経ての生き様によって、普通でないレベルの内面に確固たる芯が容造られている。

それがにじみ出ているが故に、旅の途中に行きずりで出会う人達が、惹きつけられ、彼への助力を惜しまない。

悲しくつらい経験を経たが故の最終盤の旅が、最高の旅となって、親友から最後に「家へ帰ろう」という言葉をかけてもらって成就するラストシーンを見ながら、この人生の最終盤の旅に大いなる憧れを感じつつ、最高に感動的な涙を流すことができた。

そして、この映画のような、しかし歴史上確かに存在した家族全員が殺され一人だけ生き残ったというような壮絶な経験などは自分の人生には存在しえないことから思ったことは、平凡な人生を全うすることが、最も幸せな人生ではないのではないのか?という真実である。

主人公の生き様に感動しつつも、自分のつまらない人生こそが、最高の人生というアンチテーゼを心の底から感じることのできた素晴らしい教訓的な寓話でしたね。

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