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2018年9月13日 (木)

UTMB完走記1(旅の始まりスタート編)

いよいよUTMB2018の完走記を綴ります。大変お待たせしました。(笑)

※UTMBとは「ウルトラトレイル・デュ・モンブラン」というヨーロッパアルプスの最高峰モンブラン(標高4820m)の周りの山や谷を反時計回りに一周する世界最高峰のトレイルランニングの100マイルレース(距離170km、累積標高差1万m以上)

今回のテーマは「忘れ物を探しに行く旅」

比較的冷静沈着なイメージがある私であるが、おっちょこちょいな部分もあって、実は何かと忘れ物をすることが多い。

ちょっとした用事を忘れることは、日常茶飯事だし、財布やスマホといった身の回りの大事なものですらも、普段とちょっと違うことをしたりすると、ついうっかりと持ち忘れることもある。

つまり、私にも忘れ物はつきものなのである。

そんな私にとって、ここ3年、いつも心の中を占めていた大きな忘れ物は、UTMBの最終関門La Flegere(163.34km)からゴールのChamonix(170.12km)までのラストトレイルを走ることになっていました。

人生の忘れ物を忘れることがないよう、我が家のリビングには、リタイア時に一部が切り取られたUTMB1819のゼッケンが3年間飾ってありました。

●リビングの写真を貼る予定●

当初はこのゼッケンを見るたびにUTMBリタイアの衝撃がよみがえり、胸が痛んだものでしたが、時が経つとそうした痛みは少しずつ緩み消えていきました。

時間の力は偉大です。

時間には感謝しましたが、一方で肉体の衰えは進行し、時間を恨みつつも抗い続けるなど、わが思いは消えることなく、ついにこの日を迎えることができました。

3年ぶりにUTMBをスタートできるのです。

この私のわがままのため、家族や仕事関係で大きな迷惑をかけたわけですが、私のこの思いを知る優しき人々は、私のわがままを許してくれました。

本当の宝物は、ここにあったんだなあと今さらながら思います。みんな、ありがとう。m(__)m

●UTMBスタート前の写真(17:33)
Dsc07288

●3年前のスタート前の写真

今回はレインウエアを装着しており、よくわからないと思いますが、基本的なウエアリングは3年前とほぼ同じでした。
上から、バイザー、アンダーウエア(上下)、半そでジップシャツ、グローブ、ザック、コンプレッションタイツは完全に同じ。
異なっていたのは、メガネ、アームカバー、短パン、サンドゲイター、シューズ、ソックス。
メガネは前のが10年以上かけ続けたことによる劣化で壊れたので、買い替えたものです。
アームカバーは前回は冷却アームで今回は防寒アームと天候の違いで代えたものです。
短パンはその後もレースで使用しているうちに破けたので替えたものです。
サンドゲイターもその後にレースで使用しているうちに劣化したので替えたものです。
シューズは前に記事にした通り、より信頼性の高いトランスアルプスに替えたためです。
ソックスは言うまでもなく消耗品なので新品に替えました。(笑)

今回のUTMBは雨模様なので、スタート地点に近いホテルという利点を生かして、スタートの30分前まで、準備万端に向け、室内で過ごし、2回目のUTMBも師匠とともに同じホテルを一緒に出発しました。

日頃の行いは悪いながら、大事なイベント時には晴れる男なのであるが、今回はあいにくの雨模様、しかも予報ではかなり冷え込むとのことで、多くの日本人ランナーはテンションが下がっているようでしたし、普段の私ならそういうことを思いそうなのですが、3年間にわたり燃やし続けてきた忘れ物を取りに行くという思い、使命の強い私にとっては、レース中止とか距離短縮がなければ、なんの問題もないと思っておりました。(実際には、この時点でコース短縮する旨のメールが全選手に配信されていたようなのですが、私たちは気が付いていませんでした。)

「ついにやってきたー!」とか「ゆーてぃーえむびぃ~~~」というような軽いというか、はやるような気持ちにはなりませんでした。かといって、緊張でガチガチになることもありませんし、やってやるぜというような高ぶりもあまりなかったような気がします。

このあたりは、3年間に及び長い長い準備とイメージトレーニングの影響のような気がします。

ただただ、その場で感じたのは、「これから始まる忘れ物を探しに行く旅は、人生で一番楽しい旅になるに違いない」という、純粋なわくわく感でした。

それが、上の写真のような表情として表れているところです。

師匠に私のデジカメで写真を撮ってもらい、お互いの完走を固く誓い、できれば一緒にゴールしたいと話をして、握手をして、師匠とスタートラインの最後方に並びました。

●開会式(17:46)
Dsc07295

●開会式2(17:46)
Dsc07299

●開会式3(18:00)
Dsc07310

フランス語によるMCでの開会式が始まりました。

もちろん何言ってるかなんてわかりません。でも雰囲気はビンビン伝わってきます。

大型液晶ビジョンで最前列のトップランナーの姿などが映し出されます。

やがて、荘厳な楽曲が会場全体に響き渡ります。UTMBのスタート時の定番曲です。

隣にいる師匠に臆面もなく尋ねる。「これはなんていう曲ですか?オリジナルでしたっけ?」

「conquest of paradise という映画の音楽だったかな?」とのこと。さすが4回目となる師匠は物知りだ。

記念にとデジカメを取り出し、音楽も撮りたいので、動画で撮影し始めた。

50代にもなり、涙腺が弱くなっており、この音楽を聴きながら、早くもゴールシーンを思い浮かべて、ジーンと感動してしまった。

「いかん、いかん、この程度で感動してたらゴールは覚束ない」と気を引き締めた。(笑)

やがて、生演奏に切り替わり、ボルテージは最高潮になった。世界最高峰のトレラン大会を自負するにくいまでの演出だ。

もっと動画を撮影しようとデジカメの液晶画面を見ていると、衝撃のマークが・・・

電池容量がもうすぐなくなると表示されてました。思い当たることがあった。準備万端と書いておきながら、最後にデジカメだけは充電チェックするの忘れてました。なので動画撮影は止めて、電池をあまり消費しない写真に切り替えました。なので、写真で開会式の雰囲気を味わってください。(笑)

●スタートの号砲(18:01)
Dsc07314

ふと腕時計を見ると、18時になっておりました。

スタート時刻ですが、スタートする様子はありません。生演奏が続いています。

最前列のトップ選手が液晶画面に映し出されました。定刻でスタートしないことを苦笑いしているようにも見えました。

師匠とも、「時間なのにスタートしないですね」と苦笑いしながら、演奏が終わるのを待ちました。

1分あまりして、スタートの号砲が鳴り、ランナーの雄たけびとともに、UTMB2018が始まりました。

●スタート(18:02)
Dsc07319

●スタートゲート下(18:03)
Dsc07323

●スタートして右折したところ(18:05)
Dsc07328

スタートゲートをくぐるのに3分かかりました。

その後も大観衆が応援やハイタッチのため、コースにせり出していて、大渋滞で進まず、ぼちぼち走れるようになったのは、12分後でした。

このあたりは、前回も同じでした。同じということで、前回の悪夢が蘇りましたが、これがUTMBのスタートなんだと、ポジティブに考え、沿道の観客の熱烈な応援、特に時々聞こえる日本語の応援には応答するなど、それなりにUTMBを楽しんでいるじゃないかというような自身の心の高ぶりを感じながら、本大会の雰囲気を楽しみながら走れました。

●ランスタート(18:20)
Dsc07333
シャモニーの中心街を過ぎ、選手がばらけてくると、みな走り始めます。

大渋滞で師匠と離れた私は、単独走で進みました。

2年前に師匠に勧められて買ったノースフェースの新型レインウエアは、実に軽量コンパクトで、しかもゴワゴワ感が少なくて、走りやすかったですね。

●林道トレイル(18:55)
Dsc07339
シャモニーを流れる白濁した川の流れに沿う形の林道のようなトレイルを南西に走ります。

●高低図

赤で囲んだところがここのトレイル部分です。

標高差2・30メートルのアップダウンが数回出現するので、最後方で進む集団では、登り坂で歩くランナーも多く、ついつい甘えて何か所かで歩いてしまった。

●橋2本(18:56)
Dsc07344
まずは跨線橋を渡り、そのすぐ後に川に架かる橋を渡ります。

ランナー密度が薄く、ボリュームゾーンから大分後ろだなあと思いながら、順位は気にせずに進んでいました。

●U1給水所 LES HOUCHES(7.9km) 19:00
Dsc07346
最初の給水所ですが、特に立ち寄らず、通過して、先に進みました。

沿道の声援に元気が出ます。

ここから最初の山登りが始まるのですが、想定タイムより5分早く着いたのはうれしかったです。あんなに歩いたのに(笑)

さて、無事に忘れ物を探しに行けるか?油断せずに頑張ろうっと!

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