« センター試験でしたね | トップページ | 【書評】夜行 森見登美彦/著 »

2018年1月15日 (月)

【書評】その島のひとたちは、ひとの話をきかない 森川 すいめい/著

Sonoshima_2
副題は、精神科医、「自殺希少地域」を行く

【概要】
被災地、路上、自殺希少地域――。
現場から考える、生き心地の良い社会のつくり方。

ホームレスや、東日本大震災の被災者の支援活動で
注目をあびる精神科医、待望の新著。
当事者に寄り添う温かいまなざしで
国内外の取り組みを自ら見聞きして、
さらなるケアの可能性を考える。
誰もが生き心地の良い社会をつくるため、
各地の現場を奔走する精神科医の探訪記・奮闘記。

【感想】
常々、私の周りの人たちは、「かずさんは、しぶとく長生きするよ」と「憎まれっ子、世にはばかる」的に、真顔で私に伝えてくる。

さらに、かずさんは自己中だから、絶対に自殺なんかしないと思っているらしく、親しい人を含め周りの人からは、かなり正直な、どちらかと言えば批判的な感想や怒りの感情を割と日常的に私に向けてくるような気がしている。

もちろん、その大きな要因は、私自身が相手に対し、比較的開けっ広げに自分のこと、それは弱さや感情の起伏をさらりと冗談めかして明らかにするとともに、相手に対し、やや常識外れに近いくらい直球的な質問や指摘をしてしまっていて、その反動的というか、挨拶をする程度の関係性の相手に対しては行うことのない感情の発露までも、私に対してなぜだか、行っているというのが、私の見立てである。

また、何度も言うが私は自己中であり、自分の欲望や感情に比較的正直に行動し、他者への遠慮や配慮のきめ細やかさが欠けていて、逆にそうした配慮ができる人からは、呆れられつつも、その一貫した配慮の無さが、いい意味での表裏の無さという評価にも繋がっていて、その結果、遠慮の欠ける私に対して、逆に安心して気を使わなくなっているのではないかとも思っている。

一方、配慮がないからと言って、相手に関心が薄いかと言えば、そんなことはなくて、自分の知識や経験と照らしての情報共有と言った観点ではあるが、他者への関心度は比較的高いのだが、それが自分の行動に反映されるか?と言えば、いわゆる「あの人が薦めるから大丈夫」みたいな盲目的な行動を行うことはない。

それらが真実であるかは、本人である私はどうしたって第三者の他者全般との比較による客観視には限界があるし、相手方は自分自身の内面の心情について深く考えて、行動しているとは限らず、私はそういう相手方にたまに問うのであるが、「なぜそれを私に言うのか?」に対して、「あまり堪えそうにないから」とか「傷つきそうにないから」というような答えが多い気がする。

本著の感想とかけ離れれつつあるのではないかと、ここまでお読みの方は思うかもしれないのだが、著者がフィールドワークとして訪ねて行った自殺希少地域の人々の特性として、「人が遠慮気味にしている話には答えず、問題の解決に向けて、相手の遠慮など気にしないで、自分の思うようにことを進めるような人」が住む地域が自殺希少地域の特徴らしいということが書いてあった。

簡潔に言えば「自己中であるが、他者に関心がないわけではない」というような人間関係のある地域という特徴があるらしい。

そういう地域特性があると、困っている人をやや強引に助けるような風土が生まれるからではないかと書いてあった。

つまり、濃密な関係を結んでいる田舎も、逆に他者との交わりが少ない都会でも自殺する人はそこそこいるが、一見あまり濃密な感じがしない田舎、著者は挨拶を交わす程度の田舎と言っているのだが、その程度の関係性の地域の方が、自殺が少ない地域になるのではないかと結論付けている。


そのあたりの因果関係など、私にはさっぱりわからないが、自分のことを振り返ったときに、なんだか自分のことを言っているような気がした。

濃密な関係性を意図的に維持しようなどとは思わず、でも他者への配慮はしない代わりに、他者への関心そのものは偏りながらも持っていて、相手方にあまり緊張感を持たせないで接しているような、いまの私のような生き方は、現代社会にとって、十分存在価値があるのかもしれないと思えたのが収穫だった。


少し自画自賛が過ぎるような書評となってしまったが、少なくとも私は自殺をしない気がするし、一方で、毒を吐く男などと称せられるくらい、きつい物言いをすることはあるのだが、そこに大いなる悪意が潜んでいないことも、多くの人には理解されてもらっているという恵まれた環境にいることを改めて認識しました。


とりあえず、いろいろな価値観がある社会で、価値観が違えど、そのことそのものには関心を持って、他者や社会と関わって行くことが、重要なんですかね。

本著では著者の経験則からの仮説構築といった内容であることから、医学的、あるいは心理学的な考察、例えば何が自殺予防の重要な因子であるのか?などについて、学術的な研究を進めて行ってもらいたいですね。(本著は著者の経験に基づく主観的な仮説にとどまっているので)

« センター試験でしたね | トップページ | 【書評】夜行 森見登美彦/著 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/532494/66276970

この記事へのトラックバック一覧です: 【書評】その島のひとたちは、ひとの話をきかない 森川 すいめい/著:

« センター試験でしたね | トップページ | 【書評】夜行 森見登美彦/著 »

★誘惑サイト★


リンク

2018年8月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

●広告サイト●


記事画像

  • ブログ記事画像
無料ブログはココログ

◆お願いサイト◆