UTMB完走報告インタビュー
わがお師匠様が、ついに世界最高峰のトレイルレースであるウルトラトレイル・デュ・モンブラン167kmを完走しました。
44時間以上走った強烈な疲労は抜けてないと思いつつ、待ちきれず、話を聞きましたので、ご報告します。
かず:ご出勤お疲れ様です。
まず何より、UTMB完走おめでとうございます。
わがことのごとく、嬉しいですし、チーム★秋の道としても栄誉ある完走ですし(笑)
ちょっとこちらも仕事が忙しく、またそちらも仕事がたまっているかと、遠慮していたのですが、我慢できずにメッセージ送らせていただきました。
師匠:おつかれさまです。
ご多忙の折、お気遣いいただき、ありがとうございます。
何かまだ、フワフワした感覚が続き、仕事の段取りがうまくいきません。
レースは、最後の最後まで、関門に苦しめられつづけられました。
かず:そうですか?余裕の展開に見えましたが・・・
師匠:最後の山に、コース変更があり、噂では楽になったから、余裕だよ!なんて聞いてたのですが、UTMBがそんな楽にするコース変更などしてくれるはずありませんでした。
かず:そうなんですか。悪天候で30分スタートが遅れたらしいですね。
師匠:山の頂上こそ行かないものの、中腹を這うようなUP&DOWNのハイキング道をかなり歩かされました。
かず:ラテットオーバンそのものですね。
私にとっては悪夢でしたが(笑)
師匠:そうですね。しかし、30分遅らせたのは、天候の様子見ではなく、単に制限時間を46時間にするための変更でした。
かず:そうなんですか?距離が短くなっていて、今年はラッキーなのでは?と思ってましたが、時間も短くなったのですね。
師匠:要は、ピラミデスが通行できない分、距離が減り、その分、制限時間を削ったということでした。
かず:やっぱりピラミデスがなかったのですね。高低図からそうではないかと思ってました。
師匠:ピラミデス以降の関門も当初より、繰り上げられており、実質、1時間削られたと同じことでした。
かず:それは、楽にはなってなくて、ちょっと厳しいですね。
師匠:ピラミデスはおそらくあの天候では危険だったのでしょうね。
かず:急きょのコース変更だったのでしょうか?
師匠:制限時間的には、全くサービス無しでしたね。
かず:私的にはピラミデスも悪夢なコースでしたので、無くなるのもありかと(笑)
師匠:多分検討を重ねた結果、UTMBの威厳を損なわない、最低限のコース変更を考えたのかと・・・・。
かず:なるほど
師匠:もとはなかったですからね。難易度上げるために付け加えたコースですよね。あれは。
かず:暴風雪だったとも聞きましたが、気温はどうでしたか?2015年と比べて
師匠:極寒でした。
かず:やはりそうでしたか。
師匠:暑かったのは最終日くらい。
かず:フェレ峠では雪だったとか
師匠:真冬ですね。あれは・・・。
暴風雪です。
かず:足元は滑りませんでしたか?
師匠:それは、だいじょうぶです。
なんせ、ハード-トレイルですから。
日本の山だったら、ダメでしょうね。
かず:日本と違って、地面が固いですからね。
師匠:そうですね。一部ぬかるんでましたが、この前のITAMURO100みたいに、泥んこ滑り台ではなかったです。
かず:シューズはモントレイルでしたっけ?
師匠:そうですね。トランスアルプス。
かず:雨でも大丈夫でしたか?
師匠:はき替えはしませんでしたが、ダイジョウブでした。
濡れても、乾きました。
かず:来年は私もトランスアルプスにしようかな(笑)
師匠:トランスアルプス足型にあえば良い靴ですよ。
かず:ところで新しいレインウエアの性能(防水と防寒)はどうでしたか?
師匠:上を同じもの2枚もって行きましたが、替える必要はなく、快適でしたね。
かず:実は私も2枚重ねにしようかなあと思っていたのですが、快適でしたか?
師匠:2枚重ねることは、結局ありませんでした。
かず:そうなんですか?
師匠:規程の装備品があれば、上着2枚は必要ないですね。
防水手袋と防寒帽子は役に立ちました。
かず:雪でも必要なかったですか。浸透して濡れ鼠にもなりませんでしたか?
師匠:ならなかったですね。
透湿性も良く、終始快適でした。
わたしの場合、暑いよりは、むしろあの悪天候の方が向いていましたね。
かず:それは心強いレインウエアということですね。
師匠:そうですね。
ただ、薄い分、保温性は低いかと・・・。
ミッドレイヤーとの組み合わせが威力を発揮しました。
かず:なるほど
下に着込んでいれば、十分ということですね
師匠:やはり、レギュレーションの装備は必携ですね。
かず:師匠にとっては、2015年の暑さより、今回の寒さの方が消耗しなかったということですか?
師匠:そうですね。
最近悪天候慣れしたんでしょうかね。
私は、直射日光と乾燥の方がダメージ受けやすいようです。
最後の最後の区間で、レース中で、一番早い平均速度を出せましたので、体力の温存ができたのでしょうね。
かず:それは、凄い
結局、日本での最後のレース、板室が良い練習になりましたね。(笑)
精神的にも肉体的にも
師匠:それは言えます。
心折れる気が一切しませんでしたから・・・。
ただ、関門は本当にヤバかった。
ぎりぎりではなかったものの、心の余裕は一切ありませんでしたね。
かず:それこそが完走した要因ですよ。自分もスパルタスロンのときは、制限時間に最大3時間の余裕があっても、気はまったく緩みませんでした。
関門でいえば、シャンペ到着は0時過ぎでしたが、時間的余裕はなかったのですか?
師匠:シャンペの関門は午前2時15分だったかな?
シャンペでは余裕はなかったですが、せっぱつまっていたわけでもなかったですね。
とにかく、エイドは早め早めに出ました。
ちょっと、人を待つためゆっくりしてしまったところもあったんですが、制限時間は意識していたので、クリアできました。
かず:私の2015のUTMBでは、クールマイヨールに着いて、あとは大丈夫だろうと根拠なくゆるんだのが敗因でしたから(笑)
師匠:今回はそれで、最後の山苦戦しました。
最後のロープウェイ乗り場、結構エゲツナイ感じでしたね。
あそこで、余裕なかったら、終わってました。
かず:ダラダラと下るところですか?
私は最後は足が前に出ませんでした。
時間の感覚もなくなってましたし(笑)
師匠:いや。ハイキング道から出て、スキー場をすこし登りかえすところと、その先のロッジまでのところです。
そこから先が下りで、そこからは、激走しました。
ややテクニカルなトレイルは外人苦手らしく、ごぼう抜きして気持ちよかったです。
かず:そんな場所があるのですか?
そこはたどりついてないですね。
いい情報を頂きました。最後の関門を過ぎたら全部下りかと思ってましたが、違うのですね。
師匠:いやいや、最後の関門手前のことです。
最後の関門からは、登らないですね。
かず:思い出しました。
2015年のリタイアではロッジで停止させられ、その後は最終関門まで車で送迎されたところだと思います。
師匠:たぶんそうですね。
かず:直接走っていないので、よくわかってませんが、確かに上っていた気がします。
師匠:ロッジまで行けばあとは、1時間でシャモニーですね。
かず:なるほど
師匠:しかも、日本人得意のテクニカルな下り。
かず:それは楽しみです。来年は絶対にたどりつきたいですね。(笑)
師匠:最終関門以降だけ、松永さんと遜色ないタイムで走れました。笑
かず:それはすごい!
確かに最後順位がだいぶ上がっていたような
師匠:まぁ。S木さんというドイツアディダス本社にお勤めの同志と一緒だったから、力が出たということもあります。
かず:そうなんですか
師匠:良い方で、友達になりました。
スタート時に知り合ったんですけどね。
かず:ずっと一緒だったのですか?
師匠:そういうわけではないんですが、最初のころと、最後の山の手前あたりからゴールまでですね。
かず:そうなんですか
師匠:一緒に走れる人がいると、励みになりますね。
かず:それなら、最後のゴールまでは楽しかったでしょうね。
師匠:楽しくゴールできましたよ。
ブラボーブラボーと応援してくれる人も2人の勢いに拍手喝采でした。
かず:ゴール前の熱狂はいかがでしたか?
師匠:すごいですね。
かず:お二人は最後まですごい勢いで駆け抜けたのですか?
師匠:いや。最後は脚を緩めてコースに一礼し、2人同時にゲートをくぐりました。
かず:ゴール前後の写真はありますか?あれば早く見たいですね。メールで送ってください。
師匠:UTMBの公式映像で見られますね。
かず:なるほど
師匠:そのほかにも、人が送ってくれたのが、少しあります。
かず:関門通過の公式映像は観ましたが、ゴールのはまだ見てなかったです。
師匠:そうですか。
小さいですが、日の丸を掲げてゴールしましたので、ご覧ください。
ゼッケンで検索すれば、出ます。
かず:もちろん見ますよ。
レース中はずっとUTMB LIVEを観ていて、完走したのはわかってましたが、ゴールシーンの動画だけ、まだ見てませんでした。(笑)
それから、早く、完走ベストも見たいですね。
何色でしたか?
師匠:グレーなんですが、実はサイズがなく、後日郵送になりました。
かず:なんと
ちなみにサイズはS?M?
試着はできたのですか?
師匠:コロンビア製は、アメリカンサイズで、ヨーロッパ人にも合わず、みんながサイズダウンをした結果、Sサイズが品切れになったようです。
かず:やはり大きかったですか
師匠:自分的にはXSでも良いんですが、そんなのは選択できなかったような・・・。
女性サイズはあるか聞いたんですが、それも無し。
かず:少し残念ですが、まあ、あとのお楽しみということですかね。
ところで、お師匠様は、来年もUTMB参戦をしますか?
私的には、お願いしたいところですが(笑)
師匠:今のところ考えてないですが、出てしまうかも・・・。
でも、CCCでも良いかな?って思ってます。
観光とか応援も楽しみたいし・・・。
かず:あのお祭りのようなUTMBの熱狂は、応援者として参加しても、それなりにかなり楽しめそうですね。
とりあえず、今週は疲れを取りつつ、仕事頑張ってください。
お互いに落ち着いたら、詳しい話も聞きたいので、祝杯を上げましょう!
師匠:ありがとうございます。
●ゴールシーンのスナップショット
シャモニーの街を走る師匠(右の青いランナー)とS木さん
フィニッシュゲートに到着した師匠(右側の青いランナー)とS木さん
群衆の歓喜の中で二人が迎えられているのがよく分かりますね。
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