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2017年7月15日 (土)

【書評】今村均 信義を貫いた不敗の名将 葉治 英哉/著

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相当な歴史好きであると自任していて、しかも戦史を特に好む私であるが、私が生まれたときには、まだ存命されていたこの今村均という日本陸軍屈指の名将のことを私は知りませんでした。(実は日本軍の名将は世界最強である海軍に偏っているもので)

恐らく、現代の日本人はほとんどこの名将の事績はもちろんのこと、名前すらほとんど知らないのではないか。

この方が、名将と呼ぶにふさわしいのは、副題にすべてが表されている。

「信義を貫いた不敗の名将」

先の大戦、つまり75年前の中国やアメリカとの戦争の同時期に同じ程度の役割を担って、終戦時に生き残った陸海軍の首脳部の多くが戦犯として、死刑を執行されながら、彼はそうならなかった。

陸軍の将軍としての事績は、中国南寧での激闘やインドネシア攻略、さらにはラバウル方面軍司令官としては、物資が届かない中、10万の将兵で自給自足体制を築いていたことから、その反撃力に恐れをなして(一方、航空機や艦船がなく攻撃力がないので、封鎖だけして)米軍から攻撃を受けないで、終戦まで終えたのである。

当然、これだけ戦争の指揮を執ったわけで、多くの敵、人民に被害を生じさせたわけで、それを強引に戦勝国が裁くという極東軍事裁判でありながら、ジャワ総督時代の仁慈の軍政は、大東亜共栄圏という理想を具現化しただけと本人は謙遜しているのだが、実際にインドネシアを植民地としてのみ、彼らを抑圧させて支配していたオランダ支配の時代より、軍政とはいえ、インドネシア原住民の自主自立、最終的には彼らのオランダからの独立を前提とした軍政は、日本の本国から不満が出て、最終的に左遷気味に前線に飛ばされるのであるから、筋金入りの名将であろう。

戦犯となっても将軍なので東京で収監されていながら、直訴して、彼の部下たちが収容されているインドネシアやオーストラリアに収監されるようにして、現地での裁判を自ら可能な限り戦い抜いて、多くの部下を不当な裁判から救うあたりは、本当に当時の日本軍人なのか?というほどである。

何のために自分が戦っているのか?生きているのか?本当にそれを理解し、最大限の努力された、彼の生き方は、家が貧乏で、陸軍学校にしか行くことができなかった境遇の時代でも、これからも輝き続けるに相応しい事績であると思った。

まさに「信義を貫いた不敗の名将」であった。

忌まわしい時代を歩まざるを得なかった中で、素晴らしい事績を残しながら、現代では無名の扱いとなっている今村均さんであるが、是非とも今後も尊敬すべき日本人として語り継いでいただきたい素晴らしい大先輩であります。

何のために君は職務を遂行しているのか?大先輩に聞かれたときに答えられるような生き様、心に刻みこんで、日々精進しなければと思いました。

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