« 日光ウルトラ完走記2(いろは坂下り・鬼怒川遡上編) | トップページ | おんたけウルトラトレイル改めONTAKE100完走記録集 »

2017年7月10日 (月)

ラスト ドライブ(NHK BS1スペシャル)

Lastdrive1

日曜の夜はミスターサンデーとスポーツニュースでまったりして、明日月曜日からの仕事に備えるパターンのはずが、ちょっとだけ見ようと思った衝撃のドキュメンタリーに1時間40分もの間、目が離せず最後まで観てしまいました。

【あらすじ】
死を前にした人の最後の願いをかなえようという終活プロジェクトがヨーロッパで静かに広がっている。ドイツでは3年前から「願いの車」という名の車が旅を続けている。医療従事経験のあるスタッフとボランティアが、本人や家族からの依頼をもとに人生最後の旅のプランを作る。死を前にした時、人は最後に何を願うのか。美しい春のヨーロッパを舞台に、本人、家族、ボランティアそれぞれの目から人生最後の旅を見つめていく。

【感想】
まず、最初のドキュメント(最後の願い)であるが、ドイツのエッセンという大都市に住んでいる80歳のおばあさんで、彼女の夫とは19年前に死別し、今は末期の肺がんで転移も進んでいて、ホスピスに転院してきた人の最後の旅の話であった

※ホスピスとは、治療の当てがなく、余命いくばくもない患者の最後の安息に満ちた時間をケア(ターミナルケア)する施設

私は、純然たるホスピスには行ったことがないが、看取りを行っている施設であれば特別養護老人ホーム等には行ったことがあるし、実際に義父は特養で娘たちに見守れて、天寿を全うし、安らかにその生涯を終えた。とても幸福な理想的な死に様だったと思う。

さて、このおばあさんの最後の願いは、夫とよく行った海を見たい。(だけど夫と一緒に行った海岸には行きたくない)それから中華料理(北京ダック)を食べたいというもので、NPO法人と思われる組織が、最後の旅のプランを練って、ボランティアで実行するのである。

おばあさんは、なかなか毒舌とユーモアのあるおばあちゃんで、とても死が迫っているような感じではない。(このあたりは、ドラマに出てくるキャラクターのようだった。)

子どもがおらず、親戚づきあいもなく、まさに天涯孤独の身で、それゆえに弱さを周りには見せられないのが、彼女なりの生き方なのだろう。

Lastdrive2

救急車を改造した車(旅が楽しくなるように、外の景色が良く見えるよう大きな窓が付けられている)で、オランダの海岸に向かう車中で、ボランティアの看護師さん(50歳くらい)との会話が本当にドラマのように展開していた。

最初は、少しぶっきらぼうに、「お金も払わずに、こんなことされると恐縮しちゃうわね。」とか言っていて、やがて、自身のことを少しずつ話し始めた。

「夫は長い間、浮気していた。」とか、「苦労ばかりしていた。」とか、自分の人生に否定的な身の上話をしつつ、「あんた、子どもいるの?」、「幸せなの?」と相手に関心を持ちつつ、人生の先輩として、指南したりして、250kmかけて、オランダの海岸についた。

最初は海辺のカフェにいたが、そのカフェには、砂浜で動く、タイヤの大きな車いすがあって、それは民間のカフェが自力では海に行けない人のために、特注で作って、無料で貸し出しているもので、それを使って、波打ち際まで、彼女は行くことができた。

そこで、3人のボランティアとの交流は、本当に素晴らしい映画のワンシーンのようだった。

次は帰路に中華料理屋によって、みんなでわいわいと楽しい晩餐を行った。

おばあさんは、死が迫っているとは思えないほど、元気で饒舌で、しかもよく食べていた。

お店の人も事情を察して、ことのほかサービスしているように見えた。

その最後の願いが終わって、一緒に過ごしたボランティアが一週間後に訪ねたが、おばあさんはもう望みはないと言って、面会が拒絶され、海に行ってから17日後に亡くなった。

この活動は、恐らく寄付と無償ボランティアによって成り立っていて、何より、命に係わる最後の旅のために、無償で奉仕するというボランティア精神の高さに驚いた。

ボランティアは3人同行していたが、看護師の女性、元救急救命士の男性、元ソーシャルワーカーの男性と、この最後の願いのボランティアとしては、最適な人ばかりなのであるが、その取り組む姿勢や精神は、まさにボランティアのプロだと感服した。

相手が喜んでもらえることこそに喜びを感じ、それ清廉なる行為が、周りの人々に伝染していくのである。

夫を最後の願いで自宅に連れて帰ることができた、今は未亡人の女性は、このボランティア活動に参加し始めていたし、もう一人、50歳で末期がんの男性が、最後の願いとして、恋人とのデートコースである湖をもう一度、恋人と過ごすのだが、湖畔のカフェで一緒に湖を眺めていたとき(最初の写真のシーン)には、その湖畔のカフェのオーナーが、彼らのために食事も飲み物もすべてサービスしていた。

オーナーは両親が外国からドイツに移民した、いわゆる移民二世だったのだが、自分たちを受け入れてくれたドイツとドイツ国民には大変感謝しているし、その伝統を受け継ぎたいので、こうして少しでも恩返しができて、嬉しいとまで言っていた。

善の連鎖、幸せの連鎖をテレビ画面を通してだが、目の当たりにして、本当にその素晴らしさに感動してしまいました。

感動しつつ、思ったことは、自分の死が迫ったときに、自分はどうするのだろうか?

よく言われる、最後の晩餐(食事)は何を食べるのか?なんて問いがあるが、突然死でもない限り、死期が迫っているということは食欲だってなくて、美味しい食事なんぞできない。

心落ち着く場所って、やはり家なのかなあ・・・。

ホスピスに入るということは、自分がそう長く生き永らえないということを、自分自身がわかっての選択であることを考えると、そういう社会システムを高齢者自身が受け入れ、それ故に、社会がそうした人に対し、尊敬と愛情をもって接していく。

今の日本では、そういう風潮には程遠いのが現実であるし、隣人愛とかの宗教的な共通性もないから、難しいとも思った。

公私ともに高齢者のあらゆる事象に対して、関心は高いのであるが、死を目前にした人の最期の願いを求める死期が迫った人々の覚悟とそれを叶える崇高な行為を、ごく当たり前の奉仕の精神を持って周りの人たちが行える社会、真のボランティア精神が根付いている社会の美しさと 温かさには、大いなる未来があると思いました。

再放送があれば、ぜひとも、皆様にご覧いただきたい、珠玉のドキュメンタリー番組でした。

« 日光ウルトラ完走記2(いろは坂下り・鬼怒川遡上編) | トップページ | おんたけウルトラトレイル改めONTAKE100完走記録集 »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/532494/65518758

この記事へのトラックバック一覧です: ラスト ドライブ(NHK BS1スペシャル):

« 日光ウルトラ完走記2(いろは坂下り・鬼怒川遡上編) | トップページ | おんたけウルトラトレイル改めONTAKE100完走記録集 »

★誘惑サイト★


リンク

2017年10月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        

●広告サイト●


記事画像

  • ブログ記事画像
無料ブログはココログ

◆お願いサイト◆