トレニックワールド彩の国100km完走記(サウス編)
第2回トレニックワールド 100mile & 100km in 彩の国の100kmの部の完走記録
これは昨年、師匠とともに熱中症などで玉砕したトレニックワールド彩の国のリベンジを期して、再度の挑戦の記録である。(→本レースのGPSデータなどの記録集はこちら)
次は後半のサウスコース編(ノース編はこちら)
●ニューサンピア埼玉おごせ(19:46)
中間点に10時間46分で到着。結構順調じゃないですか(笑)
しかし、メイン給食のカレーライスはすでに売り切れに・・・
一応、196番(411人中)と真ん中より前なんですがねえ。
昨年あったアップラーメンもなく、もっともお腹に溜りそうなミニおにぎりを五個いただきました。
●トレラン師匠
師匠とおしゃべりしながらのエイド休憩は、格別でしたね。
こちらはウルトラマラソンで今シーズンすでに長さと暑さを経験済みでしたが、師匠はこれがシーズン初戦でこの暑さ、厳しい戦いのようでした。
師匠はこのあと体育館にOS1を取りに行くとのことで、先行を促された。
私はどうせ師匠にはこの先の登りで確実に追いつかれると思ったので、お言葉に甘えて、先行した。(この辺りの件は休まない男(笑)をご参照ください。)
ニューサンピアの周辺を回るようにトレイルを進み、越生の街中を通って、昨年、右折しないで直線通過してコースアウトした地点にたどり着いた。あまりコースを覚えられない私だが、さすがにこの地点は良く覚えているものだ。(笑)
大高取山に向かって登りが始まり、中間点でたっぷり英気を養ってきたランナーに何人も抜かれながら、桂木観音に到着
●第6エイド桂木観音(58km地点)21:13
区間距離7km、しかも高低差も少なくて、割とすぐに到着した感じ
夜になって涼しくはあるものの、寒さを感じず、むしろ暑い感じ。
●火の見下(22:03)
トレイルからバスも通る幹線道路に出ました。
この辺りは、昨年、大雨の中、走っていたところです。
今回は、厚いが雨は降らなくて、良かった良かったと思いながら進んでいました。
去年、電池切れで引き返した横吹峠からトレイルに入り、標高差600mの関八州見晴台に向けて一気の登りが始まった。
ひたすら足元を見つめ耐えて耐えて登り続けた。
相変わらずランナーに抜かれ続けられるのだが、さすがに距離60キロ、時間も13時間を過ぎて、疲労が強いのか、登りの遅い私を抜くも、その先で息が上がっているランナーも発生し始め、苦しいながらもこちらのテンションも上がってきた。
●関八州見晴台(23:44)
標高約750mの見晴台に到着。
何人かのランナーが休んでいるのを後目に、ヘッドライトを消して、まずは関八州の夜景撮影。
山深い奥からの景色で街の灯りまでの距離はかなり遠いです。
●第7エイド高山不動尊(66.5km)0:00
関八州見晴台から激下って、あっという間に到着。
まだ食欲があって、炭水化物を手当たり次第食べた。
そこら中に寝転がっているランアーがいて、まるで野戦病院の様相。
確かの関八州見晴台までの登りはきつかったが、まだまだ進める。
私は寒がりのはずで、しかも深夜なのだが、ぜんぜん涼しくないので、試しに水被って出発しました。(笑)
標高差350mを激下って、関八州見晴台に向けての登りで抜かれたランナーをほぼ抜き去って、西吾野駅付近に降りて、子の権現に向けて、約400mの登りとなって、そうするとまた先ほど下りで抜かしたランナーに何人も抜かれつつ、耐えに耐えて登り切った。
●子の権現(02:04)
FTR100では日中に逆方向から通過する子の権現ですが、真夜中に正面からの通過は、新鮮でした。(笑)
●第8エイド竹寺(76.6km)02:43
やっぱり思い出せない。食べたものが・・・。
とにかく炭水化物やお薦めのもの、手当たり次第に食べたと思います。(笑)
林道下って、一度、天王山(標高513m)に登り返して、激下りました。
●夜明け前(04:02)
前に共にゴールを目指すランナーの姿があります。心強く思うとともに、ライバルでもありますがね。
ここで、これまで何度も登りで抜かれては下りで抜き返してきたランナーたちとの関係断絶に向けて、気合を入れて登ることにした。
夜間で涼しくなったので、とりあえずギアを一段上げて登ることにした。
このような緩い上りならまだ走れるので、まずは目の前を歩いているランナーを一人ずつ抜かして進んだ。
やがてトレイルに入った。
ギアを一段ぐらい上げても、相変わらず私の登りは遅いのであるが、ここまで距離80km、18時間も経過していれば、疲労でスピードも落ちてきていることも想定される。
登りながら振り返ると、最初は見えなかったライトが、そのうち下から複数のライトが近付いてきて、最初の坂では5人くらいに抜かされ、次の下りでその5人を抜き返し、次の登りでは3人に抜かされて、下りでその3人を抜き返し、この区間の最高峰である大高山(標高493m)での登りでは後ろからライトが迫ってきて、2人に抜かされたが、その直後の激下りでもたつく2人を抜き返し、さらに疲労で進みが遅くなっている何人かを抜かして進んだ。
●大高山(04:35)
後ろが気になるので、すぐに激下った。今回は、スポルティバのワイルドキャットを履いているのと、ウルトラを2レース完走して脚がそこそこできていたので、激下りは自信を持って進むことができた。
前に追いつくことはできなかったが、後ろを離す走りができたと思う。
●陽の光(04:45)
陽が出て、真横からの朝日の光が樹の幹に当たって、真っ赤に染まっているのが嬉しくての写真です。
もう、朝が来たんだという感じでしたね。
天覚山に向けてアップダウンが続くトレイルを逃亡者の気分で何度も後ろを振り返りながら進んだ。(映画や小説好きなのでそういうイメージが浮かぶんです。(笑))
気持ちの割に脚は前に出ず、息は上がるし、進みも遅いため、前方にライトの灯りは見えず、後方も一つだけときどき灯りがちらつく程度で、ともかく天覚山まで逃げに逃げた。
●天覚山(05:23)
試走はおろか、コース自体の研究も怠っていたため、大高山から天覚山までがこれほど長くアップダウンが続くとは思っていませんでした。
知っていたら、こんな大逃げ打たなかったかも(笑)
知らないって最強です!
●下りトレイル(05:44)
天覚山からの約300mの一気の下り
山頂直下からは激下りでしたが、終盤はこのように緩やかな走りやすい下りになりました。
なので、走りながら写真撮っています。
●西武池袋線踏切(05:51)
この後、東吾野駅前を通過。この早朝に、どこかのチームメイトでしょうか、応援者数名いましたね。またランナーに見える人が改札を通っていました。リタイアしたランナーかもしれません。
●吾那神社(あがなじんじゃ)(05:56)
エイドに着いたと思ったら、エグイ階段が・・・、
●(05:58)
エイドに着いたらこれまでのエイドと違って、ランナーが数人しかいなくて、密度が薄かったなあ。
結局、この区間はあとで記録を見ると37位と自身最高の順位を記録してました。コース上にいたときにはまったくその自覚なかったのですが、ついつい緩みがちな小さなアップダウンをこまめに走ったことと結局この区間は下り基調であったということがその要因だと思います。
さて、このエイドでの給食ですが、おかゆ?、ゼリー、プリンなどを食べた気がします。(笑)
疲れてはいたが、せっかく離した後続に追いつかれるのも嫌で、すぐに出発した。
●激登り(06:07)
この区間は、一本杉峠までは、まずは登り基調。エイドを一緒に出たK460ランナーさんにまずは先行してもらい付いていくことにしましたが、橋本山(標高321m)への急登には、結局付いていけなかった。(最終順位的にはどこかで抜かしたようです。たぶん最後の下りかな)
●はげ山(08:01)
急に開けた印象的なコース風景ですよね。
●一本杉峠(08:14)
ついに当該区間の最高標高地点にたどり着きました。
しかも誰にも抜かれずに!
ここから下り基調だと思って、進むが、じつはアップダウンだらけ
強烈な上り返しに泣きが入りましたね。
●激下り(08:35)
もう一度登り返しがありましたが、桂木観音まで下りました。
●エイドまでの直線道路(09:16)
エイドスタッフに拍手で迎えられます。嬉しいですし、ありがたい限りですね。
●第10エイド桂木観音(97.8km)(09:16)
最後のエイドです。さすがに食欲は落ちましたが、ゴールまでエネルギー切れを起こさない程度に炭水化物をいただきました。
水を給水して、暑くなったので、たっぷり水を被って出発しました。
●最後の登り(09:43)
最後の登りが始まりました。標高差約270mです。
左に浅い小川があり、暑いので体濡らしました。(水生生物が不安でしたが(笑))
最後の登りということで、かなり頑張って、後続のランナーの姿は見えず、前のランナーにはすぐ後ろまで追いつくことができました。
●大高取山(標高376m)(10:26)
前のランナーに追いつきましたが、とりあえず写真撮影
写真を撮るとすぐに最後の激下りに入り、脚は満足に動かないがまずは前の二人を追った。
すぐに追いつくと、彼らは丁寧に脇によけてくれて、私を抜かさせてくれた。
(モンブランなどでの外国人の対応との違いは、さすが日本人だと思う。)
それに応えるべく、感謝の言葉を発したのちは、私を後ろを振り返ることなく、序盤のような速さはすでに無くなっているが、休まず一気に駆け下った。
そのうち暑さが堪えてきたので、ゴールまで4キロを切って、飲料水は持つだろうと携帯している水を体に掛けて冷やしながら駆け下った。
やがて平地の舗装路に出ると、見通しも良くなって、前にランナーの背中が見えた。
ほとんどのランナーは疲労感が強いのか歩いていて、彼らを一人ずつパスしていった。
2人目にパスしたK483ランナーさんは、私の姿を確認して走り出したが、スピード差があって追いつき、そして抜かす際に「今、何時でしょうか?」と尋ねてこられたので、走りながら私は腕のGPS時計を時刻表示に変えるべく操作し、「10時43分ですね。」と答えた。
「私のGPSは30時間持つはずなのですが、電池切れですが、あなたのはすごいですね」と称えていただいた。
今更ながらエプソンMZ-500の長時間駆動の優秀さを実感しつつ、そのまま先行させていただいた。
「残り3キロは切っていると思うが、10時43分てことは、11時以内のゴール、すなわち26時間切りができるのではないか?」
最後の最後にちょっとした新たな目標が出来て、脚が上がらないラストスパートに力が入った。
その後も歩いているランナーを何人かパスして進み、都合15人くらいは抜かした気がしたが、実際には9番しか順位は上がっていなかった。抜かしたうちの何人かはリタイアに向けてニューサンピアに向かう100マイルの選手だったのかもしれない。
105km、26時間経過した後のラストスパートの高揚感は、やった者しかわからないと思うが、そんな隠微な快感の下から、日陰の無いアスファルト上でのラストスパートがもたらす急激な体温上昇という内なる悪魔がその快感を凌駕して体に充満するのを感じ始めた。
「これはまずい」ということで、実に冷静に、再度、走りながら身体に水を掛けつつ、頭脳は計算し始めた。タイムと順位はどうなりそうなのか?
見通しの良い最後の直線道路の前を見ると、遥か前方に走っているランナーの姿が1名、後ろには追いすがるランナーの姿はまだ見えず、時間的にも余裕がありそうなので、少し走りを緩めることにした。
●ニューサンピア埼玉おごせの坂道(10:56)
公道からニューサンピアの敷地に入ると上の写真のような坂道が出現し、11時までのゴールを確信した私は、前のランナーの姿も見えたのでいったん歩き出す。
しかし、爆走主義者の私は我慢できず坂の途中から駆け出した。(笑)
●ゴール(10:57)
カメラを片手にゴールし、電子計測器のピッという音でレースは無事に終了した。
記録は25時間57分40秒
順位は73位(411人中)
【ゴール後のお話】
パウンドケーキをぱくつき、コーラをがぶ飲みしたあと、まずはニューサンピア内のお風呂に向かった。
汗を流して、すっきりして、記録証を受け取りに向かうと、衝撃の事実が・・・
45分前にゴールした記録がないというのだ。
通信エラーで記録証発行端末に届いていないのだろうということで、その場で自己申告の10時57分40秒(ゴール直前に腕時計を見たのでかなり正確だと思う(笑))をゴールの記録として入力し、発行してもらったのがこの記録証です。
なので、これが入力されるまでの約50分の間に私より後位でゴールして発行された記録証の順位は一番繰り上がっていたということです。
真相はこういう顛末でございますので、公式発表と順位が異なっている方、どうかご容赦ください。m(__)m
●完走賞あり
なんと、完走Tシャツが貰えるとのことです。
ちょー楽しみです。
その後、1キロ以上離れている駐車場に歩いて向かったのであるが、それはコース上を逆走するものであり、奮闘するランナーとすれ違いながら、お互いの健闘をたたえ合う、余韻に浸れる時間となりました。(暑かったけれど(笑))
●自分たちのゴールに向かう勇者たち(11:59)
100マイルのランナー(右M224、左M281)
参考:GPSデータ編
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コメント
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川の道疑惑の2分前ゴールなのですが「またわざとビリ狙い」といびられております。ビリはビリで実力どおりなのですが、ほんとは10分くらい余裕時間をもって進んでいたのに、ゴール7km手前の高速道路の下をくぐってから道がわからなくなってしまい住宅街に迷い込んで同じ道をぐるぐる、土手に上がれなくなってしまいました。スマホGPSで位置を確かめようとしたら30秒でバッテリー切れ、遠くに土手らしき黒い影が見えたので、多分コース通りじゃない所から土手に登ったら残り時間ほとんどなし。ラスト7km猛ダッシュしてゴールに近づくと、前方に凄く人気のある女性ランナーがいらっしゃりゴール会場は大盛り上がり。おとなしくその様子を後方で見届けてそっとゴールしたら、前回の自己記録を0.3秒くらい上回る自己ベスト記録でした。という顛末でございます。
先々週の「土佐乃国横断遠足242km」も3分の2くらい歩いてやっとこさ完走しました。趣味はウルトラマラソンではなくウォーキングになりつつあります。
今年の秋は「橘湾岸」に申し込んでしまったので、1週間しかあいてない神宮は躊躇しています。長いのはサロマ、みちのく、広島長崎、鶴岡といったとこです。川の道ちゃんと走りたいので、来年もいっかい抽選に申し込もうと思ってます。
来るべき日にかずさんと暴走できるように、脚を治しておきます。とのときはよろしく暴走お願いします。
投稿: バカロード | 2017年5月29日 (月) 16時47分
トレニックワールド彩の国もまた面白かったー。おもしろすぎて3回読みました。
やっぱ最後は激走なんすね!
この文章、サイコーです。
105km、26時間経過した後のラストスパートの高揚感は、やった者しかわからないと思うが、そんな隠微な快感の下から、日陰の無いアスファルト上でのラストスパートがもたらす急激な体温上昇という内なる悪魔がその快感を凌駕して体に充満するのを感じ始めた。
ラストスパート文学ですね。アメリカン・ニューシネマのラストシーン的な。「卒業」のラストシーンで駆けるダスティン・ホフマンみたな。タクシードライバーのデ・ニーロの筋トレシーンっぽくも。
この瞬間を恍惚として生きているけど、俺たちに明日はないって感じです。
投稿: バカロード | 2017年5月30日 (火) 16時31分
バカロード師匠さま、不肖で不遜な弟子の疑心に対し、真摯にお答えいただき、誠にありがとうございます。m(__)m
師匠の北米大陸横断記を我が羅針盤と崇めている私的には、師匠の2回連続の川の道フルのギリギリ完走も、最後は少しスピードを緩めてしまう私のラストスパートも、レベルは違えど前例の破天荒さに及ばない、むしろ予定調和な出来事にすら思えてしまうのも事実でございますが、お師匠様から我がブログをお褒めいただき、素直にとても嬉しゅうございました。(てにをはを間違えていましたが(笑))
また、どこかで一緒に爆走するのを楽しみにしておりますが、お互いになんだかんだ良い年齢となりましたので、体を少しは労わって体調を整えていきましょう。
投稿: かずさん | 2017年5月30日 (火) 22時15分