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2017年2月27日 (月)

【書評】九十三歳の関ケ原 弓大将大島光義 近衛龍春/著

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歴史好きを自称している私は、一般的な歴史好きと同じで、戦国から安土桃山時代と幕末が好きで、それなりに知っているつもりであったが、大島光義なる1万石を超える大名のことを知らなかった。
そしてこの大島光義は、弓の名手で、弓の戦果だけで大名にまでなった鉄砲全盛の戦国時代では稀有な存在であったようだ。

齋藤家が織田信長に圧される段階で、60歳の還暦を超えるという老齢で、信長に主人が変わって、しかも時代遅れとなりつつある弓に拘るという信念を貫いて、戦働きに出る、つまり現役を続けて、信長・秀吉・家康という天下人に順々に仕えて、きちんと成果をあげていくその姿は、とてつもなくカッコいい生き様で、読んでいて感動しました。

アマゾンの感想欄にもそのあたりのことが何人も書いておられた。

「鉄砲が流行りはじめてきたが、目もくれず、弓で生涯、継続は力なりを教えてくれた。
たとえ時代遅れと言われることでも、信念を持って貫けば、必ず報われる。
一芸あればどんな時代でも生き残ることができる。」(ある読者の感想)

結局、93歳で関ケ原の戦いには参加できなかったのであるが、その近くで行われた大垣城包囲には、地元武将でもあり参加したというのは歴史的事実なのであろうし、納得のお話であった。

また、本能寺の変や関が原の戦いにおける各武将の心理状態などの描写は、納得の内容であり、歴史好きの私を十分に唸らせる内容でした。

ずばり歴史小説として十分に面白かったです。

追記1:
 実は私、高校時代は弓道部で、自慢するようでなんですが、そこそこ弓の名手でありました。(県大会3位入賞や市の大会での優勝実績あり)

 なので、本作品で弓で矢を射る描写はなかなかのものだと感心するとともに、著者は矢を射ったことはないというのも感じてしまいました。(人殺ししたことなくても、人を殺す描写をするのが小説家の仕事ですから、糾弾されるものでなく普通なのことはわかっております。なので、弓を射る描写はこれまで読んだ小説の中では秀逸のできでした。)

 ところで、一生懸命に努力することは大事なことであるが、時代遅れを自身の技量だけで乗り越えようとするのは、必ずしも正しい姿ではないのではないか?というのも私の生き様から導き出した感想でもあります。

 かつて、日本はオリンピックのアーチェリー競技に和弓で参加したことがあった。和弓は道具の技術的革新を行わなかったため、当たるようにできていないので、当然、進化を続けた洋弓に惨敗した。

 当たらない弓を修練して取得した技量と精神力で当たるようにするのが弓道であり、それこそが伝統であるのだが、オリンピック競技というグローバルなものにはならなかったという事実も決して忘れてはならないと思いました。

追記2:
 ウィキペディアの注釈に以下のような記述があった。
 一説には大永元年(1521年)生まれともいう(富加町史編集委員会 「大島光義」『富加町史』下巻 通史編)

 何の研究もしていない私が論じるのは正におこがましいが、高齢者と弓をそこそこ知っている身としては、関ケ原に近接する大垣城攻めに参戦した年齢が93歳というのはあまりに高齢過ぎて、実際のところ、一説である80歳というのが妥当な気がします。
 その大きな理由の一つとしては、当時の武家として大事な嫡男誕生が、93歳説だと52歳での誕生となる。これはいくらなんでも遅すぎるのではないか?
 いつ死んでもおかしくない戦国時代に40歳を過ぎて後継ぎがいない状態はとても信じられない。仮に実子が生まれなくても養子を取っておくのが普通であろう。
 ウィキペディアを見る前は、実は20歳くらい、さば読んでいるのではないか?とすら思っていたくらいであるが、一説をきちんと記録してくれている日本人らしい生真面目さ、とても誇りに思います。

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