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2016年9月12日 (月)

第3回上州武尊山スカイビュー・ウルトラトレイル120結果報告

業務多忙のところ、3月に本レースを予約済みで、絶対にはずせないレースだと半ば強引に休みを取って、実際、来年のモンブランエントリーに必須のレースであったわけなのですが、結果を先に申せば、過去最悪の無残なリタイアでした。

レース概況
 本大会は海外のウルトラレースに通じる難易度の高い本格山岳コースとなっている日本屈指のトレイルランニング大会。その難易度の高さを客観数値で表すと
・距離129㎞
・累積標高9200m
・制限時間35時間

【コース図】
Ynmc1
Ynmc2


【コース高低図】
Ynmc3

 トレイルランニングを嗜まない方には何のことかよくわからないであろうが、私が生涯の夢と追いかけている昨年無念のリタイアした世界最高峰のトレイルランニング大会のUTMB(モンブラン一周レース 距離169㎞ 累積標高10000m 制限時間46時間30分)と比較すると、距離は短いものの、累積標高はそれほど差がなくて、制限時間はグンと短い。主催者が言う通り難易度は国内屈指であることは間違いない。

 それでも第1回大会では、何とか完走できたのであるが、今回は距離、累積標高も伸びて、完走できなかったと書きたいところなのであるが、そう語る以前の過去最悪の無残なリタイアとなってしまった。

リタイア概況
 先週のトレニックワールドの脱水リタイア後遺症も業務多忙の中で何とか癒えての参戦となったが、寝不足気味からの脱却はならなかった。
 一緒に参戦する師匠とは「諦めないで前に進む」ことをお互いに誓って、朝5時のスタートラインに立った。
 走力のある師匠にはすぐに先行されるも、最初のエイドA1(12㎞地点)に2時間で到着。ランナーに温かい声援を送る女性にお礼を返答すると「スパルタスロンの、先週もレースでは、2週連続がんばってください」みたいな特別な声援をいただいた。ブログの読者さんだろう。(ぜひコメントお願いします。<m(__)m>)。
 そんな邂逅があったので元気ももらって、でもマイペースで、まずは剣ヶ峰(標高2,083m)を目指す。午前9時頃に到達。練習不足のマイペースながらまずまずの展開。
剣ヶ峰からの劇下りで、今日のシューズはミスチョイスだったことに気が付く。足マメ対策に慣れ親しんだモントレイルのストリークを選んだのであるが、もともとグリップには難があるのに溝がなくなっている靴では滑って話にならなかった。(笑)
 であるので得意の下りもセーブして進む。
 A2の宝樹台スキー場に11時前に着けた。これは楽勝じゃないかと思う展開。
 スキー場の上級者ゲレンデの急傾斜を登らされるが、この大会のいつものパターン。最初のスキーゲレンデはきついながらも何とか乗り切った。
 折り返しコースではスイーパーに出会う。スイーパーとの時間差は2時間近くあるので少し安心していた。
 そのまま上州武尊山(標高2,158m)に向かう。登山は楽しいはずだが、時間との闘いがあるとキツイ。標高1700m過ぎて、大会用に整備された巻道に進む。主催者の苦労が十分に感じられる即製の登山道だが、酷かった。
 笹というか竹がかられてできているのだが、地面からは竹槍が突き出ていて、斜面の上の笹竹は倒れていて、唯でさえ滑りやすい斜面に滑ってくださいとばかりに笹竹が敷いてあって、でも地面からは刈り取られた笹竹が竹槍状に出ている。
 トレラン大会の必携装備で存在しなかった靴を履けというのも納得の巻道でした。
(トレラン大会でレインウエアとか食料とか地図とかは必携ルールなのだが、シューズは必携リストに入っていなくて、別に裸足でも良いらしい。(笑)) 

 そしてこの巻道で大失敗をしました。あまりの急登りなので、ロープが設置されていて、これに頼って登ったのであるが、力を入れるべく、無呼吸で登ってしまい、つまり無酸素運動を自らしてしまい、乳酸溜めてしまいました。これで以降の展開がすべて悪い方向に。

 無酸素運動をしてしまったおかげで、まさに息も絶え絶えになりながら、何とか山頂到着(人生4度目の登頂)。ここからは下りでしたが、またも巻道で、ついに転倒。竹槍状に手を付き、手を負傷。グローブしてなかったら、大怪我なところでした。

 無酸素運動の影響は、下りにも出てきて、滑りやすいシューズとともに、ペース上がらず。制限時間までの余裕時間を作ることもできずの12時間後にA3到着。がっつり冷奴とうどん食べた。ここで初のトイレ休憩。どうもおなかの調子も悪いようだ。

 上級者ゲレンデの急傾斜を300m登って、反対側のゲレンデを降りて、降りて、もう1回ゲレンデ登って、降りた。これで完全に走れなくなっていた。しかし何としてもゴールにたどり着くという気持ちはあった。A4に到着し、がっつりパンとコーンスープいただいた。食べ過ぎたと思ったが・・・。

 真っ暗で平らな畑の中を進むのだが、走れない。ビニールハウスの間を進むが、真っ暗で道しるべもなく、不安になったが、間違っていなかった。やがて山に入るが、ここのコースはまた怖いコースだった。完全い片側が切れ落ちていて、暗くて見えないのだが、登山経験から落ちたら死ぬような場所が延々と続いていた。しかも滑りやすい。登山経験の少ないランナーはそんな怖さを感じずに進んでいるのが少しうらやましい。(笑)

 しっかり疲れ切って、斜面トラバースが終わると、今度は直登り。足が前に出なくなった。何人ものランナーに抜かれ始めた。息が上がって、登れない。無酸素運動の影響だろう。
 登りきると、またも容赦ない劇下り。滑るシューズを何とかコントロールしながら進む。

 W3で水をもらって、進むが心拍数を下げられなくなって、大した坂道でないのに息が上がる。戻ろうかと一度立ち止まるが、止める。先に進むのだ。

 そうはいっても、歩いていて息が上がる状態では、思うように進めない。

 これから先の700mの登りは難しそうだ。だが進むしかない。真っ暗だがときどき道しるべのライトが点滅する山中を進む。クマの生息地域だが、彼らももう寝ているだろう。牛歩で進むが、息が整えられない。明らかに体調不良だ。何とか登り切ったあとは、緩やかな林道だがもはやゆっくりとしか歩けない。何人ものランナーに抜かれる。「ずいぶん辛そうですね。大丈夫ですか?」なんて、声もかけられた。

 ゲレンデふもとに到着するとスタッフがいたので、リタイアを告げる。

 スタッフが車に戻って、青いマジックペンを持ってきて、ゼッケンにバツ印が書かれた。なんとも言えないショックを感じつつ、どこか安心した。コースを外れて脇の林道を進めとのこと。誰も通ることのない林道を進む。

 本コースと合流し、一緒に丸太の橋を渡ったランナーと再会し、彼の余裕の弁を聞きながら、後姿を見送った。こちらは下りも歩くのが精いっぱいなのだ。

 ドロップバッグの置いてあるA5(75.5㎞地点)に到着。予想外に制限時間1時間半前に到着。まずはトイレに駆け込む。酷い下痢だった。

 今まで何度もリタイアしたが、それは制限時間切れで、時間さえあればゴールまでたどり着ける余裕があった。しかし、今回は違った。そんな余力はなかった。

 そういう意味で「過去最悪の無残なリタイア」になったのだ。

 その原因はわかっている。

 完全なる練習不足だ。練習あるのみなのだ。

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コメント

お疲れ様でした。トレニック、武尊とキツいレースが続きましたね。今回はトレニックの疲れが取れて無かったのでは無いでしょうか。知り合いも武尊に参加してましたが、普段のかずさんなら問題なく完走出来たと思います。UTMBのポイントは大丈夫でしょうか?私は来年のエントリー資格なくなりました^_^;

いつも拝見して参考にさせていただいています(出てるレースが同じだったりするので)。
日本屈指の過酷なレースに2週連続で参戦、お疲れさまでした。

距離は伸びたけど全体の完走率は上がったんですね。まあそれでもあのコースは…。
笹槍通るの嫌だから「だったらハシゴなしでいいから直登させろ」って去年係の人に頼んだんだけどなぁ笑。

察するにTW彩の国のダメージも残っていたのかなと思います。
私も出たんですが(なおやはり途中で沈められました…)、たったの60㎞ちょいでコレ?ってぐらい何日も体が重く、足腰のヘンなところに痛みが残っていましたので。いろいろミスったにしても、という感じです。
スカイビューは去年完走はしたものの、思い出すだけで身震いするので回避し、確実に取るというか、翌年100マイルの布石にしようと行ったんですが(笑)

夏の終わりからずっと天候不順ですし、しっかり体調を整えてまた頑張ってください。ではでは。

tsuneさま、お久しぶりです。コメントありがとうございます。
UTMBポイント、まだ足りていません。
11月のFTR100にエントリーしているので、それがラストチャンスです。
今月はトレーニングできそうにありませんが、来月は走りますよ。
そうそう、いよいよスパルタスロンですね。
走力的にtsuneさんなら問題ないでしょうが、油断せず、楽しんできてください。
日本から応援してますので。

洗濯しなきゃさま、いつもブログを読んでいただいて、ありがとうございます。
今年は仕事内容も変わり、トレーニングもブログアップもすっかりおろそかになっております。
同じような大会に出られているとのこと、次回出るときには、ぜひお声かけください。
(私も頑張ってお姿を探しますが、きっと間違えそうな気がします。(笑))
次のトレランは11月のFTR100です。出場されますか?
次回のシューズはスポルティバにして、下りはガンガン攻めようと思います。その前にトレーニングですがね。
では、またどこかでお会いしましょう!

はじめまして アルプス・ハリーと申します。お疲れ様でした。

上州武尊山スカイビュートレイルに私も60(75km)参加しましたが、途中オグナ武尊64km地点でリタイヤしました。原因は初めての自分にとって50km越えのレースであり、練習不足と後半のスタミナ切れでした。トレランは初めて3年目です。

それにしても着方のレース経験は凄いレースばかりですね。そのチャレンジする事のモチベーションと勇気に敬意を表します。頑張って下さい。 私も来年以降にハセツネかSTYクラスにチャレンジしようと思います。エントリーされればですが( ´艸`) 取り敢えず、100kmウルトラマラソンも経験ないので、今後、参加してバテずに完走できる体力を養なおうと思います。お互い頑張りましょう。

はじめまして、アルプス・ハリーさま、コメントありがとうございます。
途中リタイアとはいえ、初の60㎞超え、お疲れ様でした。
登り劇弱の私にとって、上州武尊は非常に厳しい大会と認識しており、初の50㎞超えに上州武尊を選んだ貴方に敬意を表します。
ランニングの好きなところは、出場する大会を決めてからの練習を含むすべてが最後の結果に結びつくところです。
昔楽しんでいた草野球やゴルフみたいに、練習しなくても、うまくいくなんてことがないのが、練習のモチベーションになりますね。(なのに最近はすっかり練習してませんでした。)
「限界を超えた先に新しい自分がいる。」と思っているので、長い距離に挑戦し続けているだけです。
アルプス・ハリーさまの次のレースはなんですか?
次回、どこかでお会いするのを楽しみにしています。

今年は美ヶ原→富士登山競走→TW彩の国と来て、
ハセツネ→FTR100→神宮24時間チャレンジに出ます。
目標はFTRで寝落ちしないことと(昨年関八州見張台で爆睡)、神宮24時間チャレンジで寝ないこと。
自堕落な半生がたたってか、とにかく尋常じゃなく睡魔に弱いんです。
おんたけは1回出てスタート後30分で眠くなったので、100マイルの資格取れるかもって思ったらまた出るかもしれません。

シューズはサロモン赤です。もうヘタッてるのでFTRはおニューにするかもしれません。
私も下り得意なんですが、上りがダメダメになるため上りの自分に飛ばすの禁止命令が出されています。
エイドで係の人と初対面なのにやたら馴れ馴れしく話しかけてるのが私です。
というか、9月4日の写真に思いっきり写ってますけど(笑)。

ではでは、UTMFハズレ組としてFTR頑張りましょう。

洗濯しなきゃさま、ありがとうございます。
9月4日のブログの写真に載っているとのこと、拡大してみましたが、自信がありません。(笑)
ひょっとして幟旗の左に写っている方でしょうか?
私はハセツネには出ませんが、FTR100と神宮外苑24時間ではご一緒できますね。
走る以外に少し楽しみができました。(笑)
24時間走は、本当に苦手なのですが、洗濯しなきゃさんに負けたくなくなってきたので、今回は頑張れそうな気がしてきました。(笑)
その前に、お互いに重要なFTR100(私にとってはモンブランがかかっている)をきっちり完走しましょう。

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