負け犬の遠吠え 酒井 順子/著
10年前以上の著作ながら、今なお、そのユニークな視点と面白い文章は読み応え十分でした。
負け犬とは、狭義には、未婚、子なし、三十代以上の女性のことを示します。
この中で、最も重視されるのは「現在、結婚していない」という条件ですので、離婚して今は独身という人も、もちろん負け犬。
二十代だけどバリバリ負け犬体質とか、結婚経験の無いシングルマザーといった立場の女性も、広義では負け犬に入ります。
つまりまぁ、いわゆる普通の家庭というものを築いていない人を、負け犬と呼ぶわけです。
結婚していない女=負け犬、とすると、
「でも○○さんみたいに、美人で仕事もバリバリやっている人は、結婚していなくても負け犬ではないのでは?」
と、南アフリカにおける名誉白人のような例外を作り出そうとする人がいるものです。
が、どれほど仕事が有能であろうと美人であろうとモテていようと、負け犬条件にあてはまる女は全て負け犬である、というのが本書のスタンス。(本著の序文「本書を読まれる前に」冒頭からの引用)
【感想】
著者酒井さん自身が負け犬として論述されていて、内容も面白いのだが、何より文章自体が実に面白い。
女性でない私は、お気楽に読めるということもあり、女性ならではの意外な視点での面白い文章なので、飽きずに読ませていただけた。
著者の新作も予約したのだが、予約殺到で読めるのは1年後位と思われるが、早く読みたいですね。
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