監督の怒りが画面から満ち溢れていました。

↑映画館で貰った特製クリアファイル
ゴッサム・シティを犯罪から守るバットマンと、クリプトン星からやってきたスーパーマンという、DCコミックスの2大ヒーローが初共演するアクション。ザック・スナイダーが監督を務め、ベン・アフレックがバットマンことブルース・ウェインを、『マン・オブ・スティール』に引き続きヘンリー・カヴィルがスーパーマンを演じる。
【ストーリー】
クリプトン星人の正体を隠し、新聞記者として生き、危険が迫った際には地球の平和のために戦ってきたスーパーマン。ところが戦いで街を破壊し、甚大な被害が出はじめると世間の非難が集中。彼の心は悪に染まっていく。大富豪のウェインはバットマンとして闇夜で悪と対峙してきたが、人類の希望を背負い、スーパーマンと戦う事になる。

【作品データ】
原題 BATMAN V SUPERMAN: DAWN OF JUSTICE
製作年 2016年
製作国 アメリカ
配給 ワーナー・ブラザース映画
上映時間 151分
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【スタッフ】
監督 ザック・スナイダー
脚本 クリス・テリオ 、 デイヴィッド・S・ゴイヤー
原作 DCコミック
原案 ザック・スナイダー 、 デイヴィッド・S・ゴイヤー
製作総指揮 クリストファー・ノーラン 、 エマ・トーマス 、 ウェスリー・カラー 、 ジェフ・ジョンズ 、 デイヴィッド・S・ゴイヤー
製作 チャールズ・ローヴェン 、 デボラ・スナイダー
共同製作 ジム・ロウ 、 グレゴー・ウィルソン 、 カーティス・カネモト
スーパーマン考案 ジェリー・シーゲル 、 ジョー・シャスター
バットマン考案 ボブ・ケイン 、 ビル・フィンガー
撮影 ラリー・フォン
美術 パトリック・タトポロス
音楽 ハンス・ジマー 、 ジャンキー・エックスエル
編集 デイヴィッド・ブレナー
衣装 マイケル・ウィルキンソン
視覚効果監修 ジョン・“DJ”・デジャルダン
【キャスト】
ブルース・ウェイン/バットマン ベン・アフレック
クラーク・ケント/スーパーマン ヘンリー・カヴィル
ロイス・レイン エイミー・アダムス
レックス・ルーサー ジェシー・アイゼンバーグ
マーサ・ケント ダイアン・レイン
ペリー・ホワイト ローレンス・フィッシュバーン
アルフレッド ジェレミー・アイアンズ
ホリー・ハンター
ワンダーウーマン/ダイアナ・プリンス ガル・ギャドット
【感想】
無敵のスーパーマンと人間であるバットマンが戦うのでどんなストーリーなのかと思ってみたのだが、いい意味で期待を裏切られる映画であった。
ストーリーの理解に必要な基本的な知識を持っていない日本人の私、つまりいずれの原作を読んだこともなく、映画も35年前のスーパーマン一作目を一回見ただけで、バットマンについては映画を見たこともなく、ワンダーウーマンについては、その存在すら知らないで見てしまったのは、知識不足として映画鑑賞上において、少しマイナス要因であったことは否めない。
しかしながら、それ故に、原作のイメージに囚われることなく、本作品を楽しむことができたと思う。
アメリカ人をはじめとする白人はフィクションといえども、現実社会と同じように描き切らないと気が済まないらしい。
日本なら素直に凶悪な悪人の野望をくじくため、仲良く手を携えて、悪人に対するのであるが、アメリカ人だとそういう話にはなかなかならない。共闘するのに、相当な理由が必要なのだ。なので、映画が長い。
葛藤を描く時間なのであるが、各キャラクターに思い入れがない私には、長かった。(笑)
なので、恐らくこの映画は、日本では全く受けないであろう。(実際、映画館は10人いなかった。定員の3%くらいだろうか。)
いや、全編笑うところがない本作品では、アメリカ2大ヒーローが描かれていたとしても、ヒーロー映画好きなアメリカ人の趣味に合うとも思えず、アメリカでもさっぱりな興行成績なのではないか。
と、ネガティブな感想を持ったのは事実だが、本作品はそんなことを百も承知で、監督は自身の社会に対する怒りを本作品にぶつけたのではないかと思うのだ。
スーパーマンの絶対的な力は、かつてのアメリカ。バットマンの陰湿さは、現代のアメリカ。遺伝子工学への警鐘的なエピソードなどなど、現代社会を寓話的にとらえた怒りの映画に思えましたね。
【ネタバレ】

スーパーマンが世界を何度も救う中で、その圧倒的なパワーが人間に被害を与えてしまうのも多々あり、バットマンの同僚が巻き添えで足を失った。その足を失った彼が、大企業の御曹司の後ろ盾を得て、スーパーマンを訴え、法廷が開かれ、スーパーマンは出席するが、そこで爆破テロに合う。法廷に出席した人間は全員即死するが、無敵のスーパーマンは当然生き残る。世論はさらにスーパーマンに批判的となり、バットマンはスーパーマンの排除に動き始め、スーパーマン御弱点である、クリプトン星のクリスタルを手に入れ、それで戦うことを決意する。
スーパーマンは相手にしないのであるが、育ての母親を大企業の御曹司に拉致され、バットマンと対決する。
バットマンは当然押されるが、秘密兵器で逆転し、無力化したスーパーマンにとどめを刺す段になって、スーパーマンが愛する母親の名前「マーサ」と呟くと、バットマンの若くして亡くなった母親の名前も「マーサ」であったことから、本当の悪が誰かに気が付き、共闘することになる。
バットマンはスーパーマンの母親マーサの救出に、スーパーマンは活性化した宇宙船に向かう。バットマンは人間相手には無敵の強さで、スーパーマンの母親を救出するも、宇宙船では、大企業の御曹司が巨神兵を誕生させ、スーパーマンは彼と戦い、まだ成長過程の巨神兵を宇宙空間に放り出そうとするのだが、アメリカ大統領はスーパーマンと巨神兵を一緒に葬ろうとして核ミサイルを発射。宇宙空間でミサイルに追いつかれたスーパーマンは巨神兵とともに爆発に巻き込まれ、スーパーマンは宇宙空間を漂い、巨神兵は地上に落ちた。落ちたが巨神兵はさらに凶悪化して暴れ始めたところで、バットマンは巨神兵をクリプトン星クリスタルなら葬れると判断し、その場所に誘おうとするが、アッという間に愛機が撃墜され、絶体絶命の窮地に陥った瞬間、彼が助けたワンダーウーマンが救いに現れる。しかしながら、戦いながら進化を続ける巨神兵は、ワンダーウーマンを押し始める。宇宙空間で意識を失っていたスーパーマンが恋人のピンチを感じて蘇り、巨神兵に3人のヒーロー、ヒロインが立ち向かう。だが進化を続ける巨神兵を葬るには、スーパーマンを無力化するクリプトン星のクリスタルしかないことから、それを手にスーパーマンが巨神兵に体当たりし、巨神兵を葬り去ったのだが、スーパーマンであるクラーク・ケントも死んでしまった。
アメリカ中がスーパーマンの死を悲しみ、国葬される中、クラーク・ケントは故郷で母親らの見守る中で棺が墓穴に葬られる。土中の棺に土がかけられたとき、その土がかすかに動いて、スーパーマンを復活を予見させるシーンでエンディングとなった。
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