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2015年9月18日 (金)

UTMBレース記録08(第9関門シャンペから第10関門トリエン)

シャンペで休んで少し元気が出たものの、頭痛がしてきて、ちょっと限界感を感じて、リタイヤしようと真剣に思って引き返し始めるという小チョンボをしてしまいましたが、大チョンボは免れました。(笑)

Dsc06475
シャンペで飲んだスープ。温麺みたいな麺が入っています。薄味で日本では飲んだことのない味のスープですが、弱った胃腸にはちょうどいい感じというか、私にはお代わりもありなぐらいに美味かったです。何より温まるので良いです。

シャンペを出ると、シャンペ湖の湖畔の舗装路を進みます。少しコースを外れて湖畔のベンチにザックを置いて、何かした記憶がありますが、細かい記憶はもうなくなっています。たぶんヘッドライトの電池が切れたので、腰のライトをヘッドライトに代えて、元のヘッドライトをザックにしまったのだと思います。新しいヘッドライトは明るくてよかったのですが、3時間で暗くなるというのが露見して大問題でしたね。(笑)

街中の広い舗装路を集団で下っていると、2003番の彼に出会った。少し話をするが、登りが弱い私は、下りの今、ゆっくり歩くのは違うと思って、足が長くて歩きがチョー速い、外国人に付いていくことにした。

付いていきながら、だんだん頭痛がしてきた。疲労と眠気に加えての頭痛に己の体に限界が来たのではと思い始め、この先一山(距離15km、標高差1050m)は無理じゃないかと思い始めた。どうしようどうしようと考えながら進むうちに、コース高低図を確認してみようと歩きながら図を確認した。

ここで、自分の想定タイムを見て驚いた。この区間、4時間50分と想定していた。制限時間は残り4時間を切っているのにだ。

進んでもリタイアしかないなら、この頭痛を押してまで進むのは無理だと決断した。

踵(きびす)を返して、シャンペに戻り始めた。何人もの外国人ランナーとすれ違う。
恥ずかしさもあるが、これが自分の判断だと進む。

進みながら、また別の不安がもたげ始めた。
「すでに30分は進んでいる。戻ると1時間。ひょっとするとシャンペのエイドは閉鎖しているのではないか・・・」

500mは戻った気がするが、再度、踵を返した。「まだ全力を出せば間に合うかもしれない。」

ここからはガンガン攻めた。まずは下りを走った。そのうち下りが終わり、徐々に登り始めた。でも林道で走れる傾斜だ。やがて走れない傾斜になるものの、林道のまま、早歩きできる傾斜で、登りが弱い私がガンガン登った。抜かれることはなく、逆に何人も抜いた。標高1600m過ぎまで林道で登れた。

やがて、登山道になり、狭くて足場が悪い登りになった。沢を何度も渡渉するが、登山のテクニックで効率よく登った。そのうち傾斜が急になった。1800mを過ぎたあたりまで、抜かれなかったが、ものすごい勢いで登ってくる外国人ランナー集団に抜かれた。コース選択を迷わないあまりの手際の良さにきっとこのコースを熟知しているものだと思う。

チェックポイントのLa Gleteが1884mなので、そろそろ山頂だと登っていたら、樹林帯を抜け、草原の開けた場所に出てきた。しかし、はるか先に光の列が見える。時計を見ると、関門時間6:30まで1時間ちょっと。下りは得意といえども、標高差600mだと40分くらいはかかるだろう。とにかく山頂に早く着かねばと、緩やかな登りをガシガシと走り始めた。草の斜面をトラバースしているトレイルを走る走る。遅れ始めた外国人ランナーを何人も抜かし、はるか先に見えた光の列に追いついた。その外国人を何人にも抜かしていくうちに、傾斜が急になり、前のランナーのスピードとちょうどいい具合になってきた。

気が付くと前は同じツアーの日本人ランナー(若い男性)だった。
「今、どうなってるんですか?」とおかしな質問をするので
「ピークを目指しているだよ」と答えた。

彼は完走したのであるが、あとで尋ねると「実はあの付近で2時間くらい寝ていて、状況が把握できていなかったんですよ。」とのこと。納得だ。

やがて標高2050mで下り始めた。下りが遅い私のイラつきを感じた日本人ランナーは先を譲ってくれた。そのままの勢いで、下りを一気に加速して降りていった。

するとスイスの国旗の山小屋が出てきて、チェックがあった。
Dsc06476_3
05:47 その時の写真ですが、焦って撮ったので何の写真だか・・・

残り40分ちょっとで標高差550m。死ぬ気で下れば間に合うと遅いランナーを何十人も抜かして飛ばしたのであるが、狭いトレイルにランナーが溢れている状態に足を止めざるを得なくなった。

そのうち残り10分でまだ300mも下らなければならい状態となって、関門通過は諦めて、列に従って降りていった。

Dsc06477
06:28 制限時間残り2分で諦めての写真、たぶんCol de la Forclazでしょう。

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06:32 登山道から眺めの良い手すりのある遊歩道に一度出た。

Dsc06479
06:33 谷の下の街が見えた。第10関門のTrient(トリエン)なのだろう。

Dsc06480
06:41 自動車道をまたぐ仮設の橋を渡ります。ランナーもタイムオーバーのショックなのか無言で、私は写真も撮り納めとデジカメを取り出し、ちょこちょと撮りました。

Dsc06481
06:46 九十九折の登山道を一列で整然と進みます。

この後、広い林道に出たので、時間オーバーショックで足の進まないランナーを後目に、最後の全力疾走でぶっちぎりました。

Dsc06482
06:55 やがて町に着きました。

Dsc06483
06:55 舗装に書かれたUT(ウルトラトレイル)の道標。リタイアでもう見られないと記念撮影。

Dsc06484
06:58 第10関門Trient(トリエン)に到着。あーあ、UTMBが終わった。

エイドに入ると勧められるまま2度目のスープをいただく。
時間オーバーでのリタイアとなったので、次どうすればよいのかわからず、近くにいた日本人に尋ねることにした。
「次どうすればいいんですかね?」
「その出口から出ればいいんだよ!」
「いや、そうじゃなくて、バスとかで送ってくれないんですか?」
「????」
「もう時間オーバーでリタイアですよね。」
「時間オーバー?制限時間は8時ですよ。」
「うそでしょ、6時半では?」

自分のコース高低図を出して確認すると、トリエンの制限時間は6時30分でなく8時でした。

「まじですか?まだ1時間近くも余裕がある」
「そうですよ、もう完走まであとわずかですよ。」
「ありがとうございます。助かりました。」
「お互い頑張りましょう。じゃあ、お先に!」

Dsc06485
07:05 出発する日本人ンランナーを写したのがこの写真。

「なあんだ、リタイアどころか、1時間も余裕があるとは完走同然じゃないか(笑)」

現場で声を出して呟く、本当に笑ったと思う。
スープを飲みほした後、コーラを三杯、さらにチーズにクラッカーも食べた。

急に元気が出てきて、便意を催したので、チェックゲートをくぐった先にある仮設のトイレに向かった。案の定、トイレットペーパーはなかったので、140kmも担いできたティシュペーパーを持って、トイレで用を足して、出発した。

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コメント

毎晩、レースのすすみ具合をたのしみに床についております。もう意識のむちゃくちゃ感が最高におもしろい! 途中で引き返したり、ムチャ走りしたり、時間ぜんぜんちゃうし!いつもの冷静さが影をひそめて野性むき出しで人間の闇が出ていて最高です。このシリーズがなるべく長く続きますように。

バカロードさん、当ブログへの熱いコメントありがとうございます。
とうとう私も、バカロードさんに感化されたのかもしれません(笑)
それはそうと、もうすぐスパルタスロンですね。
今年はまさか不参加ですか?まさか?
それとも内緒で完走しようということですか?(笑)
ハセツネを蹴って参加する瀬戸内行脚のリベンジ&バカロードさんとのタイマン勝負が目下の楽しみです。
その節はどうかよろしくお願いいたします。m(__)m

で、でますよ・・・。スパルタも瀬戸内行脚も。
毎年言っていて説得力ゼロですが、今年にすべてをかけてますからああああ。
もう完走しないと、二度とスパルタ出られないし。
屈辱、汚辱、負け犬根性、絶望、自己嫌悪、ゲロと涙にまみれた日々の記憶を、
スパルタの入口にあるなんか小さい川に流してきます。
今年からリアルタイム動画中継あるもようです。みてみてください!
しかし、UTMBの「薄すぎるスープ」何回も登場して、そのたびにうけてます!!!
あと10回くらい続いてほしいけど、そろそろあの場所に近づいてますね。ややさみしいです。

トリエンでお話ししたのは私です。惜しかったですね。シャモニーはいい町なのでまた来ましょう。

ヤマさん、コメントありがとうございます。そして完走おめでとうございます。
あの時は、おかしな質問して恐縮です。でも、ほんと助かりました。
今は8ポイントしか獲得していないのですが、11月の3ポイントレースを完走して、来年もエントリーしようと思っております。
出場がかなえば、二度と同じ過ちはしないで、完走したいと思います。
シャモニーかどこかでお会い出来たら、よろしくお願いいたします。

かずさん
UTMBの後は気が抜けてしまって練習もほとんどせず、今年のUTMFはDNFになってしまいました。

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