【映画】ミルカ
俳優とは思えないほど、ものすごく鍛えられた肉体美に圧倒されました。インド人ってすごいな。
3度にわたってオリンピックに出場するなど、“空飛ぶシク教徒”の異名を持つ実在のインド人ランナー、ミルカ・シンの半生を描く人間ドラマ。アスリートとしての成功の裏に隠された、国の対立による悲劇や苦悩など、彼の壮絶な人生がつづられる。インド映画界のスーパースター、ファルハーン・アクタルがミルカに扮する。
【ストーリー】
1960年、ローマ・オリンピック。400メートル走に出場するインドのミルカ・シン選手(ファルハーン・アクタル)には、メダル獲得の期待がかけられていた。好調にスタートしたもののゴールの手前でなぜか振り返ってしまい、4位に終わる。それからしばらく後、隣国パキスタンとのスポーツ大会開催が計画され、ミルカはインド選手団団長に指名されるが、ミルカはどうしても引き受けようとしない。説得するよう首相からの指示を受け、首相の側近と長年ミルカと組んできたコーチはミルカの住む町へ向かう。その道すがら、コーチはミルカがパキスタン行きを拒む背景を語っていく……。
【作品データ】
原題 BHAAG MILKHA BHAAG
製作年 2013年
製作国 インド
配給 日活=東宝東和
上映時間 153分
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【スタッフ】
監督 ラケーシュ・オムプラカーシュ・メーラ
脚本 パラスーン・ジョンシ
プロデューサー ラケーシュ・オムプラカーシュ・メーラ
撮影 ビノード・プラダーン
音楽 シャンカル=イフサーン=ロイ
字幕 松岡環
【キャスト】
ミルカ・シン ファルハーン・アクタル
ビーロー ソナム・カプール
イシュリ ディヴィヤ・ダッタ
ミルカの父 アート・マリク
ミルカ(少年時代) ジャプテージ・シン
軍の陸上コーチ/グルデーウ・シン パワン・マルホトラ
軍の教官/ヴィーラバンディアン プラカーシュ・ラージ
国家チームのコーチ/ランヴィール・シン ヨグラージ・シン
【感想】
映画大国インドのアカデミー賞を総なめにしたというので本作品を見ることにした。
インドは長く世界の人口第2位を占めていながら、スポーツの世界では今一つであることを不思議に思っていた。
特にオリンピックでは顕著で、夏季オリンピックは過去23回参加し、金メダルは9個(日本は21回参加し、金メダル130個)である。
現在のインドの人口は12億人、日本の10倍で、世界的に見て、人口比からすると、相当低い数字と言えるだろう。
しかしながら、インドにもスーパーアスリートはいたというのが本作品の強烈な魅力であり、インド建国の苦難も彼の人生に凝縮されているところが、素晴らしい映画となっていた。
主人公ミルカとは次元が違うもののランニングという広い意味では私と共通項がある。
国の誇りと自らの人生を賭けた走りをしたことはないので、その部分は想像するしかないのであるが、私にとって分不相応なスパルタスロン出場の緊張感が少し蘇ったりもした。
ただし主人公ミルカが走る原点は家族を殺され、故郷を追われて、走ったことからであり、私のように未知なるものに憧れて走るとは、根本的に違い、だから私の人生は映画にならないのであるが、それこそが幸せであることを切に感じた。
インドの映画はまだ数本しか見ていないのであるが、CGといった最新技術を惜しみなく使うあたりは、情緒重視で日常描写にこだわり続ける日本映画とは根本的に違うようで、これからがある意味楽しみだ。(私は安易なCGに感動が薄れてしまうのであるが・・・)
追記
本映画に感動した知人に私の感想を求められて、私は「普通(の映画)」と短い感想をポロリと漏らしてしまった。
実はこの映画、映画を見すぎで最近は小難しい映画が好きな私にとって、わかりやすいのである。半生を描くため、やんちゃでちゃらい時代のエピソードも描かれたりして、共感を得やすい作りなのであるが、私的には全体的に分かりやすいシナリオゆえに長いと思ってしまうのだ。
パキスタンとの分離独立の歴史を知らない普通の日本人にとっては、そのあたりの壮絶な歴史を含めて、必要な映像だとは思うのであるが、やはり私にはちょっと長いと思ってしまうのだ。
そう書くと今一つな映画に思えてしまうかもしれないが、私の大好きな「風と共に去りぬ」みたいな抗うことのできない歴史に翻弄される壮大な人間ドラマとして最後まで飽きることなく描かれている素晴らしい映画であることは確かである。インドの映画や歴史を知らない人にはぜひ見てほしいですね。
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