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2015年2月24日 (火)

トレラン大会指針(環境省)の内容

国立公園内におけるトレイルランニング大会等の取扱いについて(概要)

平成27年2月15日付け 環境省国立公園課

1 作成の背景・目的
○狭隘な登山道等で、多人数で競走するトレイルランニング大会等(以下「トレラン大会等」)を開催することによる、登山道とその周辺の自然環境への影響、公園利用者の安全で快適な利用の妨げが懸念されている。
○国立公園の適正な管理の観点から、国立公園内で開催されるトレラン大会等の取扱いをとりまとめることにより、自然環境の保全及び快適な公園利用環境の確保を図る。

2 取扱いの前提となる事実関係等
○国立公園内の歩道(登山道等)は、地域特性等に応じた徒歩利用を目的に公園計画に位置付け、管理者によって維持管理されており、トレラン大会等の集中的な走行利用は想定して計画・管理されていない。
○トレラン大会等による周辺の自然環境への影響、歩道の維持管理上の問題、他の公園利用者(登山者等)との接触事故、静穏の妨げ、混雑等が懸念されており、既に個々の現場では関係者による調整が行われているが、統一的な指針がないため、関係者間で軋轢が生じることがある。

3 取扱いの基本的な考え方
○今回の整理は、国立公園内で開催される、トレラン大会等を対象として扱う。
○地方環境事務所等では、本取扱いに基づき、各国立公園の自然環境や利用状況等の特性を踏まえ、実際のトレイルランニング大会の主催者等からの相談に対応するとともに、関連する許認可の運用等に関する細部解釈の指針として活用する。
また、地方環境事務所において国立公園ごとに作成される「国立公園管理運営計画」の作成や改訂の際には、トレラン大会等のルートや期間等についての詳細な指導事項や地方自治体との連携等について、記載することとする。
○さらに、都道府県にもお知らせし、国定公園や都道府県立自然公園の中で開催されるトレラン大会等の取扱方針の検討の参考にしていただく。

4 取扱い方針
○コース設定に関する基本的な考え方
・国立公園の中でも厳正な保護を図っている特別保護地区及び第1種特別地域、それに準ずる自然環境をもつ場所は、原則回避。
・ただし、部分的に通過する際に、植生帯への踏み出しや土壌浸食の防止措置が講じられている等により自然環境等への影響が発生しないと考えられる場合には、地域の状況に応じ判断。
○コース設定の際の配慮事項
以下の場所については、コース設定しない。
・保全対象として重要な自然環境である場所(湿原や泥濘が多く存在する湿潤な環境、高山植物群落等)
・歩道の複線化や拡幅が懸念される場所
・既に洗掘を受けている場所等、負荷に対して脆弱な環境である場所
・崩落や落石のおそれのあるガレ場や、傾斜地で狭隘な路線区間
○トレラン大会等の開催にあたっての配慮事項
・トレラン大会等の開催については、他の利用者(登山者等)が多い路線や混雑期を回避する。
・開催日時、コース、他の利用者(登山者等)への留意事項をウェブ等により、十分に周知する。
・トレラン大会等の主催者、参加者及び応援者が遵守すべきルールを設定し、公園利用の安全性及び快適性を確保する。
○その他の配慮事項
・専門家等から意見聴取し、野生動植物への影響の回避に努める。
・歩道管理者、土地所有者、関係地元自治体等と十分な事前調整を行う。
○モニタリングの実施
トレラン大会等の開催による自然環境等への影響について、把握している情報に応じたモニタリングを大会主催者により実施する。
・大会主催者の事前調査により、モニタリング対象及び地点を抽出する。
・大会主催者は、事前事後の写真撮影などにより影響を評価する。
○モニタリングにより、万一環境の改変等が確認された場合は、大会主催者による原状回復を行う。

5 大会等の開催・運営にあたり求められるその他の配慮事項の例
○主催者に求められる配慮事項の例
・地域特性を踏まえ、参加人数制限を検討すること
・密集するスタート付近は、林道等自然環境への影響の少ない場所とすること
・適切な数のトイレを設置し、適切な管理を行うこと
・参加者、応援者の靴底洗浄をしてもらうこと
・住宅地や希少な野生生物の生息地では応援させないこと
・自然環境の保全のための監視員を設けること
・事故等が発生しやすい場所をコースとして設定しないこと
・競技中に緊急事態があった場合、速やかな対応ができる体制とすること
・参加者、応援者、その他の利用者が混乱を生じさせないように案内表示等を設置すること
・歩道管理者立ち合い等による安全点検等を事前に行うこと
・悪天候などに対して、自然環境保全や安全確保のための中止が速やかにできる体制とすること
・参加者や応援者に、大会運営上の自然環境や安全確保への配慮事項を周知徹底させること
・大会等スタッフであることが分かるようにすること
・ゼッケン等を着用することにより、参加者であることが分かるようにすること
・ウェブ、利用拠点、交通機関等において、大会の開催日時、コース、留意事項、連絡先について、十分な周知を行うこと
・主催者、参加者等の責任を明確化すること
・事前調査を行い、十分に収集した情報をもとに、コース選定すること
・関係行政機関等に対する諸手続等は、参加者募集開始前に十分な期日の余裕をもって終わらせておくこと
・参加者、応援者に、所定の場所でトイレをすることを周知すること
○参加者に求められる遵守事項の例
・レース中においても、他の公園利用者への配慮を心掛けること(特にすれ違い時など)
・コースから外れないこと
・トイレは所定の場所で済ますこと
・ゴミは持ち帰るか、主催者が準備する所定の場所に捨てること
・ストックはキャップを装着し、使用可能場所のみで使用すること
・他の公園利用者とのすれ違いでは、他の利用者を優先させること
・集団、並列走行をしないこと
・ゼッケン等を着用し、参加者であることが分かるようにすること
○応援者に求められる遵守事項の例
・主催側のルールを遵守すること
・レース中においても、他の公園利用者への配慮を心掛けること
・歩道外への立入りはしないこと
・トイレは所定の場所で済ますこと
・ゴミは持ち帰るか、主催者が準備する所定の場所に捨てること
以上(※PDF化された指針からテキストのみを引用)

【ひと言】
参加者としては、これまでの意識とあまり相違は感じない。(○参加者に求められる遵守事項の例)
主催者としては、そうした運営に携わったことがないのでよくわからないのだが、禁止事項や事実上義務化される部分が明確となり、業務量は相当増えたのではないかと思われる。
例えば、コース制限区域の明確化、参加人数制限、靴底洗浄、トイレ設置、管理者とのコース事前確認、モニタリング等は主催者が解決すべき事項となり、当然に負担増となり、それは最終的に参加費の増額にもつながりそうだ。
国立公園ならではの自然環境の保護の観点からの指針となっており、それ自体は妥当だと思うが、主催者の一部は負担増を避けて、規制の無い国立公園以外でのトレラン開催が増えてくるのではないだろうか。

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