【書評】仕事は楽しいかね? デイル・ドーデン/著 野津智子/訳
格子柄のズボンにポロシャツ姿の老人マックスが、仕事にも人生にも行きづまりを覚えている「私」に対して展開する、一夜だけの講義。そこには、目からうろこの落ちる考え方がぎっしり詰まっている。
「明日は今日と違う自分になる」、「遊び感覚でいろいろやって、成り行きを見守る」、「成功とは、右に倣えをしないこと」
試みること。
何度も「コインを投げる」こと。
コカ・コーラもリーバイスのジーンズも、単なる偶然の産物ではない。ちょっとしたチャンスに気がついて、ものにできるかどうか。問題はそこなのだ。
本編は以下の14章からなっている。
1 仕事は楽しいかね?
2 人生とは、くだらないことが一つまた一つと続いていくのではない。
一つのくだらないことが<何度も>繰り返されていくのだよ。
3 試してみることに失敗はない
4 明日は今日と違う自分になる、だよ
5 これは僕の大好きな言葉の一つなんだ。
「遊び感覚でいろいろやって、成り行きを見守る」というのがね。
6 必要は発明の母かもしれない。だけど、偶然は発明の父なんだ。
7 目標に関するきみの問題は、世の中は、きみの目標が達成されるまで、じーっと待っていたりしないということだよ。
8 きみたちの事業は、試したみた結果失敗に終ったんじゃない。
試すこと自体が欠落してたんだ。
9 あの実験で学ぶべきことはね、
「あらゆるものを変えて、さらにもう一度変えること」なんだよ。
10 それはね、「あるべき状態より、良くあること」なんだ。
11 もし宇宙が信じられないような素晴らしいアイデアをくれるとして、きみはそれにふさわしいかね?
12 覚えておいてくれ。
「試すことは簡単だが、変えるのは難しい」ということを。
13 新しいアイデアというのは、新しい場所に置かれた古いアイデアなんだ。
14 きみが「試すこと」に喜びを見い出してくれるといいな。
【ひと言】
本著は、あらゆることを試し、成功するまで試せと言っている。
そのとおりだと思う。
昔、ある人が言っていたことを思い出した。
「私はおみくじで大吉しか引いたことがありません。大吉が出るまで引いていますから(笑)」
成功は努力のたまものである。
つまり人は成功するために努力して完璧を目指す。
完璧に出来るようになって物事がうまく行きはじめる。
しかしながら、完璧とはダメになる過程の第一段階なのである。
完璧さへの慢心に気をつけなくては・・・
追記:
自分のことを考えると、試すことは好きであるのだが、仕事では試すことをしばし躊躇していると思う。
一方、大好きなランニング、特に超ウルトラやトレランでは試すことに躊躇が無い。
もちろん、失敗もあるのだが、誰よりも徹底的な対策を準備して実行した結果、スパルタスロン(246km)という最難関ウルトラマラソンを完走できた。と思っている。
それと同じことが、本著にはとてもわかりやすく書かれていた。
そして、逆に仕事では成功しようと思っていないのだと思う。
思っていないものは、手に入ることは無い。
でも良いのだ、幸せは自分自身の内面の充実がまず第一歩だと思っているのだから。
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