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2015年1月22日 (木)

【書評】認知症ケアの突破口 介護福祉士 梅本聡/著

【書評】認知症ケアの突破口 介護福祉士 梅本聡/著
本著は認知症介護を現場で実践している介護福祉士による認知症ケアの本である。
認知症ケアの専門書であり、著者はもちろん専門家で専門知識を有していながらも、現場で実践されていることを踏まえた実用本的なわかりやすさというか、もっと言わせてもらえれば、大きな優しさすらも備えている本になっていると思えるものである。
なので私のような門外漢ですら、熱い思いがあれば認知症の方に寄り添えるのではないかとすら思わさせてくれるのである。

まず私が感心したのは、このタイトルである。
「突破口」
おおよそタイトルにはふさわしくない単語なのであるが、そこには著者の真摯な思いが凝縮されている。

つまり認知症ケアには、正解や問題解決可能なスーパーテクニックなどはないということを専門家として責任を持って明確に表しつつ、認知症の人に寄り添うこと(ケア)を主体的に実践しようとする人(支援者)を心から応援しようとすることを表してるものだと思うのである。

著者は自ら認知症介護の実践者として全力で認知症ケアに取り組み、それには当然のように何度も失敗を重ねているわけで、自らの経験で気づいたこと、つまり認知症ケアには、絶対的な正解はないが、その人なりにそれぞれの多用な糸口が必ずどこかに存在していて、それに気づくためには、どうすればよいかなどを具体的事例を挙げながら、ケアする人はもちろんケアされる人の気持ちをきちんと汲みとって、双方にとって実のあるケアとなることこそが彼の信念としてそこかしこに顕れていて、それゆえ、本著は専門書ながら読んでいて、とても暖かな気持ちになるのである。

何を隠そう実は私は著者とは知り合いなのであるが、本を出されたことを自慢するでもなく、私はかなり後から知った次第である。
本著の論旨内容は普段の彼の情熱に溢れながらも冷静沈着な言動どおりであり、机上の空論ではなく、彼が実践しているそのものであることは間違いない。

そのうえ、認知症ケアの専門家そのものの論理的な論述と計算されつくした構成に加え、とてもわかりやすくしかも説得力ある上手な文章で紡がれており、専門書でありながら、読んでいて、すっかり感動してしまい、まさに本著に完全に魅了されてしまったのである。

梅本さん、とても素敵な本をありがとう。
表紙裏に書かれた「現在の介護を変えるのは、あなたかも知れない。」
それはあなた自身のことだと思います。

最後に、私がもし認知症になってお世話になるなら、あなたの施設に入らせてくださいな。

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