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2014年12月 4日 (木)

アベノミクスの功罪

朝日新聞の記事(12月3日朝刊の抜粋)

「亀裂 広がった2年」

自宅のパソコンに表示された証券口座の残高に心が満たされる。この2年間で1.5倍に増えた。
「損のしようがなかった。年収と同じくらい稼いだ。」東京都の公認会計士(36)は明かす。

福岡市の男性(31)の資産は、株価が上昇傾向に転じた12年後半から飛躍的に増え始めた。株の売買を1日に何度も繰り返すデイトレーダーを10年間続ける。税金と証券会社の手数料を差し引いた利益は、今年も11月末時点で6600万円。アベノミクスと言われてもぴんとこないが、「株の値動きが活発になり出来高が増えたことで、もうけやすい環境になったのは確かでしょう。」

学童保育の指導員をする大阪府内の男性(31)は「待遇改善の兆しは無い。この仕事を一生やっていけるのか」。年収は超過勤務手当てを含めても300万円足らず。8年間付き合っている彼女(30)は学校講師。結婚したいが踏み切れない。

【ひと言】
さすが朝日新聞。記事がお上手だ。アベノミクスの表と裏が分かりやすい記事となっている。この記事を読むと頑張っている人たちが報われていない気になってくる。

だが共産主義とは異なる日本社会において、格差が生じるのは必然で、成果が報酬につながって報われている自由で健全な社会を表しているとも言える。
非正規雇用の問題は、アベノミクスだけの罪ではないし、いくら稼ごうがデイトレーダーで幸せなのか?と思う。

かといって私は単純に擁護や批判をしたいわけではない。稼げる人が稼いで、その分の税金を納めて、納められた税金を行政の資源の再分配機能により、弱者に分配され、弱者も救われる。
それで、日本社会の公平性は成り立っているからだ。
アベノミクスに限らず、同時にみんなが豊かになるなんて、どだい無理な話である。

実際のところアベノミクスの異次元の金融緩和により、国民の借金たる国債は日本銀行の金庫の中に入って、実質減っている状態だし、円安で輸出企業の利益は上がり、海外からの旅行者が大幅増で消費を押し上げている。

その恩恵は、資本主義経済の特色である資源の最適配分により、まずはお金持ちが豊かになる。それには私もひがみたくなるが、そういう社会を我われが作ってきたのである。
まあ、私を含め多くの人は、そんなに冷静に達観できないのだろうが、それが事実だ。自分がいつごろその恩恵をあずかれるのか?それぞれが、ちゃんと考えて生きていけばよいのだ。早く恩恵にあずかりたい人は、そういう職業を選択すれば良いのだ。

いずれにせよ資源の無い日本は、他国の人には申し訳ないが、海外から冨を獲得していかなければならない。単純に言い換えれば、輸出や外国人旅行者の財布から稼ぐしかないのである。
その点で、アベノミクスは日本人を豊かにするという方向性としては、間違っていないことは確かなのだ。

ただし、ひとりの親、社会人の先輩としては、楽して儲けている話が多くなると、子供や若者達に伝わり、調子に乗った生き方を才能無き者たちまでも、し始めることが心配ではある。

追記:
 アベノミクスの金融緩和は劇薬的処方箋であり、取り返しのつかない経済破綻、スーパーインフレの懸念は付きまとう。その点だけは、忘れずに留意していかなければならない。適度なところで止めないと、確実に破綻、つまり死んじゃいます。それが難しいのだが・・・。

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