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2014年12月19日 (金)

【映画】ゴーン・ガール

【映画】ゴーン・ガール
極上のミステリー映画でした。映画史上、絶対に見逃せない作品です。(かずさん)

鬼才デヴィッド・フィンチャーが一見、幸せそうに見える夫婦の実情を暴き出す、サスペンス・スリラー。ある日、突然失踪した妻を捜す男が、過熱するメディア報道によって次第に追い詰められていき、あげくに殺人犯の疑いをかけられるようになっていく姿が描かれる。夫婦に扮するのは、ベン・アフレックとロザムンド・パイク。

【ストーリー】
アメリカ・ミズーリ州。幸せに満ちた理想的な結婚生活を送るニック(ベン・アフレック)とエイミー(ロザムンド・パイク)だったが、結婚5周年を迎えたその日にエイミーの姿が忽然と消える。家には争った形跡があり、さらにキッチンからエイミーの大量の血痕が見つかった。警察は失踪と他殺の両面から捜査を進めるうちに、アリバイがあいまいなニックを疑う。美しい若妻が失踪したこの事件は注目され報道は過熱、ニックは全米から疑いの目を向けられカップルの知られざる秘密が明るみになる……。

【作品データ】
原題 GONE GIRL
製作年 2014年
製作国 アメリカ
配給 20世紀フォックス映画
上映時間 149分

【スタッフ】
監督 デヴィッド・フィンチャー
脚本 ギリアン・フリン
原作 ギリアン・フリン
エグゼクティブプロデューサー レスリー・ディクソン 、 ブルーナ・パパンドレア
プロデューサー シーアン・チャフィン 、 ジョシュア・ドネン 、 アーノン・ミルチャン 、 リース・ウィザースプーン
撮影 ジェフ・クローネンウェス
プロダクション・デザイン ドナルド・グライアム・バート
音楽 トレント・レズナー 、 アッティカス・ロス
編集 カーク・バクスター
衣裳デザイン トリッシュ・サマービル
キャスティング ラレイ・メイフィールド

【キャスト】
ニック・ダン ベン・アフレック
エイミー・ダン ロザムンド・パイク
デジ・コリングス ニール・パトリック・ハリス
ターナー・ボルト タイラー・ペリー
マーゴ・ダン キャリー・クーン
ロンダ・ボニー刑事 キム・ディケンス
ジム・キルピン巡査 パトリック・フュジット
ランド・エリオット デイヴィッド・クレノン
メアリーベス・エリオット リサ・ベインズ
エレン・アボット ミッシー・パイル
アンディ・ハーディ エミリー・ラタコウスキー
ノエル・ホーソーン ケイシー・ウィルソン
グレタ ローラ・カーク
ジェフ ロバート・ボイド・ホルブルック
シャロン・シーバー セーラ・ウォード

【感想】
若いころはよく見ていたハリウッド映画は、ここ最近は宣伝上手で期待を裏切られることが多いのであまり観ないのであるが、この映画は、映像先進国のアメリカ・ハリウッド映画らしい斬新な展開のミステリー映画であり、十分に楽しめました。とくに斬新なのは、犯人不明のミステリーが、予想外に中盤で犯人が解き明かされることで、観ているこちらは完全に今後の展開が読めなくなって、結末まで目が離せなくなるのだ。

ミステリーの始まりは、どんな夫婦にも起こりえるささいな軋轢。物事がうまくいかないときに、相手への思いやりが足りなくなりがちな男性特有の自己中心的な行動への憎しみが妻側の動機となるのであるが、世の中の夫婦・恋人のいる男性にとって、この程度の男性側の自己中心的な行動は日常茶飯事のことだけに、その因果がここまでに昇華されると驚きより恐怖となってしまう。

とにかくこの映画の主役は女性たちである。主演は男性であるが彼の弁護士を除けば、ことごとく女性が展開のカギを握る重要な人物となっているのである。男性の活躍はほとんどない。
アメリカの男女平等はここまで来たのか感を映画を観終わった後に気が付いた。

いや、戦争のない先進国では、人間観察に優れた女性こそが社会において有能さを発揮できるということだとこの映画は如実に語っている。そしてそれは、男性側からしてみると、もはや男性らしさはマイナスとなる歴史上、いや哺乳類史上初めてのメス(女性)優位の社会となっていることが、まるで自然の成り立ちのように描かれ、それゆえに男性そのものの私にはあまりに強烈な寓話として心に焼き付けられたのだ。

それをひと言でいえば、「男女平等の社会において、女性らしさ願望を持ち続けている男性の想像を超えた恐ろしさを女性は時として持ちうることがある」ということだ。

【ネタバレ(ミステリーなので読むと映画の面白さは激減します)】
映画の序盤、警察のボニー刑事(女性)とキルピン巡査(男性)は、失踪現場の家の鑑識結果や夫ニックの不自然な言動から、夫ニックを犯人と睨むが、やがてボニー刑事は女性の直観から事件の不自然さを疑うようになる。
女性キャスターのアボットも、妻の失踪を悲しまないニックの姿を繰り返し報道し、世論がニックを疑う雰囲気を醸成させていく。
そんな中、映画の中盤になって、失踪したエイミーが画面に出てくる。夫のニックが妻エイミーを殺したのではと疑っていたわれわれ観客は、エイミーが独白し始めるこの予想外の演出に面食らい、自らの立ち位置が不安定となり、もう一度このミステリーにのめり込まされるのである。
この失踪事件の動機はエイミーが自ら夫であるニックに罰を与えるために仕組んだものだったのだ。
バツを与える理由は、自堕落で輝きを失い、なおかつ若い恋人との不倫で夫が自分を裏切ったこと。
夫の暴力と不倫で夫婦生活が破たんし、その結果、妻である自分がさも夫に殺されたように見られるように、彼女は1年をかけて、用意周到に準備し、完璧な計画にして、実行したのだ。(血痕偽装、浪費偽装、浪費隠蔽偽装、妊娠偽装、拳銃入手偽装など)
写真の時自然と笑顔になってしまう癖すらも計画に取り込むという完璧な罠に窮地に陥ったニックであるが、双子の妹マーゴの献身的な協力もあり、警察に先んじて、いくつかのトラップを見破るとともに、ニューヨークの凄腕弁護士ターナーの協力を得て、反攻に転じる。
まず、エイミーの過去の男から情報収集すると、妻エイミーが過去の男性に手ひどい復讐をすることが判明する。一人は、彼女の支配願望から逃れようとした男性に対し、エイミーは巧妙に誘い、荒々しいエッチをさせて、レイプ犯に仕立てられ、社会的に抹殺されていた。
そんなハーバード大学卒で頭脳明晰で復讐心を持っている妻エイミーのニックを陥れるためのトラップは幾重にも張られ、ニックの状況はますます不利となっていく。
凄腕弁護士の作戦で、不倫の暴露でダメな夫だが正直で反省している姿勢を見せて、世論を見方につけようと準備するも、不倫相手の女子学生の方が先に記者会見で不倫を暴露したことで、ニックはまさに絶体絶命に陥る。
一方、自ら失踪したエイミーはさびれた避暑地に身を隠していたのだが、仲良くなった女性観光客に大量の逃走資金を持っていることがばれて、身ぐるみはがされてしまう。金欠となったエイミーであるが、かつての恋人コリングスを頼って、更なる逃亡を図るのだが、20年間思い続けていたこの元恋人に逆に軟禁されてしまう。
一方、不倫をばらされ、隠すものも失うものもなくなったニックは、インタビューを受け、見事にダメ夫ぶりを正直に告白し、エイミーに謝罪し、更生を誓って、世論の同情を一気に獲得することに成功。
このインタビューを見たエイミーは、新たな完全犯罪を企てることにする。監視カメラで録画されていることを逆手に、軟禁状態を監禁状態に見せかけ、元恋人をエッチに誘いながら、隙のできる射精の瞬間、カッターで元恋人ののど元を切り、絶命させる。(このシーンはおぞましいです。)
ニックの方は、世論に関しては同情を買って好転したものの、エイミーの罠である新たな状況証拠が出てきて、警察に逮捕抑留されるが、凄腕弁護士のおかげで、保釈される。
その次の日に、自分が殺した元恋人の血で血みどろのエイミーが、元恋人の車でミズーリの自宅に戻ってくる。
妻エイミーの生存が確認され、夫ニックは無実となるが、すでに妻エイミーの狡猾な恐ろしさが身に染みているニックは心落ち着かない。
警察、特に女刑事のエイミーへの尋問にも、適当に交わして、二人は無実の夫婦として、いったん自宅に戻る。
夫ニックはいずれ妻エイミーと別れようと考えているのであるが、妻エイミーは妊娠しており、それが事件後のインタビィーで披露されるなどして、結局、夫ニックも夫婦を演じ続けることをやむを得ず決意させられて、映画は終わる。

前半は妻エイミーの巧みな伏線、後半は各人ともシナリオ崩壊し、先の読めない展開にしびれる映画でした。

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映画「ゴーン・ガール」★★★★ ベン・アフレック、ロザムンド・パイク出演 デヴィッド・フィンチャー 監督、 149 分 2014年12月12日公開 2014,アメリカ,20世紀フォックス映画 (原題/原作:GONE GIRL) 人気ブログランキングへ">>→  ★映画のブログ★どんなブログが人気なのか知りたい← 「結婚5周年の記念日。 誰もが羨むような幸せな 結婚生活を送っていたニ... [続きを読む]

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