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2014年8月13日 (水)

【映画】めぐり逢わせのお弁当

歌も踊りも無いインド映画を初めて観ました。日常を淡々と描いたその世界感は、私にぴったりはまりました。
Bento1
Bento2

インドを舞台に、誤って配達されたお弁当をきっかけに、孤独や悩みを抱えた男女が交流を深めてゆく姿を描いたドラマ。インドのみならずヨーロッパ各国で大ヒットを記録した。出演は4ヶ月にも及ぶオーディションの末に選ばれた舞台出身のニムラト・カウル、「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」のイルファン・カーン。

【ストーリー】
インドのムンバイ。お昼どきになると、弁当配達人“ダッバーワーラー”が慌ただしくオフィス街を巡り、お弁当を配って歩いている。主婦イラ(ニムラト・カウル)はある日、冷え切った夫の愛情を取り戻そうと、腕を振るって作った4段重ねのお弁当を、ダッバーワーラーに預ける。ところがそのお弁当は、なぜか見ず知らずの保険会社の会計係サージャン(イルファン・カーン)の元へ届けられてしまう。妻に先立たれて独り暮らしのサージャンは、故郷のナーシクヘ隠居しようと、早期退職を控えていた。近所の食堂に頼んでいる平凡な仕出し弁当が彼の昼食のはずだったが、その日はいつもと違ってとても美味しいものだった。やがて、夕方になると弁当箱が帰ってくる。中が空になったことを知ったイラは作戦成功と喜んだものの、帰宅した夫との会話から、弁当が誤って見知らぬ誰かに配達されていたことに気付く。だが、イラはその謎を解くため、そのまま翌日も弁当をダッバーワーラーに預ける。中にちょっとした手紙を添えて。それに気づいたサージャンも、食べ終わった弁当箱に短いメモを残すようになり、弁当箱を介して2人の交流が始まる。やがてイラは、夫との冷え切った毎日に対する不満を吐露するようになり、サージャンは淡々とそれを受け止める。サージャンも毎日、イラの弁当を待ちわびるようになり、孤独だった彼の心も少しずつ癒されてゆく。その一方でサージャンは、自分の後任として来たシャイク(ナワーズッディーン・シッディーキー)を邪険に扱っていたが、ある昼休み、シャイクにイラの弁当を勧めたことがきっかけとなり、2人の距離が一気に縮まって行く。一方、夫の浮気を疑って沈むイラは、国民総幸福量の高いブータンに一緒に行きたいと手紙で漏らすようになる。やがて求めに応じて名を明かしたサージャンに対してイラは、“私たちは逢うべきだわ”と告げるが……。

【作品データ】
原題 DABBA
製作年 2013年
製作国 インド=フランス=ドイツ
配給 ロングライド
上映時間 105分
映画公式サイトへhttp://lunchbox-movie.jp/

【スタッフ】
監督 リテーシュ・バトラ 
脚本 リテーシュ・バトラ 
製作総指揮 リディア・ディーン・ピルチャー 、 イルファン・カーン 、 リテーシュ・バトラ 
製作 グニート・モーンガー 、 アヌラーグ・カシャプ 、 アルン・ラングチャーリー 
共同製作 ニーナ・ラス・グプタ 、 シャナーブ・アラム 、 ヴィヴェーク・ラングチャーリー 、 スニール・ジョン 、 ニティン・ケーニー 、 カールステン・シュテーター 、 ベニー・ドレクセル 、 チェドミール・コラール 、 マーク・バシェット 、 ダニス・タノヴィッチ 
撮影 マイケル・シモンズ 
美術 シュルティ・グプテー 
音楽 マックス・リヒター 
編集 ジョン・ライオンズ 
字幕 稲田嵯裕里 
音響 マイケル・カチェマレック 

【キャスト】
サージャン・フェルナンデス イルファン・カーン 
イラ ニムラト・カウル 
アスラム・シャイク ナワーズッディーン・シッディーキー 

【ひと言】
インドにお弁当の宅配システムがあるということをこの映画で初めて知った。お弁当だけに毎日のことだろう。ムンバイは人口2300万人のインド最大の都市。映画ではほとんどのオフィスワーカーがこの弁当の宅配システムを利用していた。毎日、何百万個の弁当がムンバイの街を行き交っている。映画ではそう描かれていた。
いやあ、これはものすごい風習であり、それを支える完全アナログの人力システムに恐れ入った。

さて、映画の方は、そうした弁当宅配システムでの配達間違いから、文通が始まり、やがて純愛といえるようなほのかな恋愛感情が芽生えるお話だ。

夫婦も会社も重要なのは相手を思いやるコミュニケーション。

延々と続くかと思うような平凡な日常が、それぞれの心を蝕み、コミュニケーションする努力を失っていく。そんな中、お弁当の配達間違いから新たなコミュニケーションが生まれ、それも文通という、いまでは完全に時代遅れのコミュニケーションツールで、信頼が醸成され、それは周りに波及していく。

もどかしいまでの、じれた展開ながら、それこそがリアルな日常の世界であり、多くの人の世界であろう。
で、ありながら画面から目が離せない、次の展開が待ち遠しい、見事なまでの脚本と演出。

まったくガツンとこない映画なれど、平凡だけど、良いお話だと人に奨めたくなる不思議な映画でした。

そして、このお話の主役は定年まじかの中高年と30代の主婦世代なのであるが、文通なんぞしたことの無いメール世代の若者に見せたいお話でもありましたね。

【ネタバレ】
夫の浮気に心が折れたイラは、サージャンへの弁当に、レストランで直接会って話をしたいと誘いの手紙を入れる。サージャンもその気になったのだが、ひょうなことから自分の年齢を感じ、レストランに行って、気になっていたイラの姿を見るも、二周りも若い彼女の姿を見ると、声をかけずに立ち去る。失望した彼女は彼への弁当配達をやめる。しばらくして彼女は離婚を決意して、弁当屋から届け先だったサージャンの職場を訪ねるのだが、かれはすでに退職していた。一方、退職したサージャンは故郷に戻るのだが、すぐにムンバイに戻り、間違えて配達していた弁当配達人の協力で、イラの家に向かう。その途中で、映画は終る。曖昧で余韻のあるエンディングが、この歳になるとかえって心地よかった。

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