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2014年8月20日 (水)

【書評】奇貨 松浦理英子/著

Kika
 松浦さんの小説は、「犬身」以来、7年ぶりくらいか。
 「犬身」での衝撃は忘れられないところであるが、この「奇貨」を読むと、この松浦さんは普通の恋愛のできない女性としか思えない。いや、完全に同性愛者であろう。
 まあ、それがこうした作品へと昇華しているのであるし、私の身にとりあえず害は無いので、特段不満は無い。(笑)

 さて、この「奇貨」は2つの短編、「奇貨」と「変態月」で構成されている。

 男性が主人公の「奇貨」は、男女の友情と潜在的な男性の女性に対する支配欲が描かれている。
 「変態月」は、女子高生と女子中学生が同性愛を芽生えつつも、そのすれ違いの悲劇を描いている。

 前者は、自分の身を振りかえざるを得ない内容であり、後者は、男性では想像し得ない、ありえない状況という意味で、一読の価値アリでした。

 ということを踏まえても、この作者の男性の性に対する辛らつさと女性の性に対する機微が際立っており、その落差がすごいくて印象深いというひと言に尽きる作品なのであった。

追記:
 「変態月」の高校描写が四国は愛媛県松山市ではないかと読み進めたのであるが、作者のプロフィールを見て、驚いた。松浦さんは松山市出身だった。そう思った自分にびっくりだった。

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