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2014年5月13日 (火)

【映画】チョコレートドーナツ

Choco
1970年代の実話を基に、育児放棄されたダウン症の少年を育てたゲイのカップルの姿を描くヒューマンドラマ。出演は、ドラマ『グッドワイフ』のアラン・カミング、「ノーカントリー」のギャレット・ディラハント。監督は、本作が日本公開初作品となるトラヴィス・ファイン。第11回トライベッカ映画祭観客賞他受賞多数。

【ストーリー】
1979年、カリフォルニア。ゲイであることを隠しながら生きる弁護士のポール(ギャレット・ディラハント)と、シンガーを夢見ながらショーダンサーとして働いているルディ(アラン・カミング)が出会う。2人はすぐ惹かれ合い、恋に落ちた。ルディが暮らすアパートの隣に、ダウン症の子ども・マルコ(アイザック・レイヴァ)と薬物依存症の母親が住んでいた。ある夜、マルコの母親は大音量の音楽をかけたまま男といなくなってしまう。翌朝、ルディが騒音を注意しに隣に乗り込むと、小さくうずくまって母親の帰りを待つマルコがいた。ルディは助言を求めてポールが働く検事局に行くが、ポールは家庭局に連絡してマルコを施設に預けろと言い捨てる。失望したルディがアパートに戻ると、マルコの母親は薬物所持で逮捕され、マルコはお気に入りの人形アシュリーを抱いたまま、強制的に施設に連れて行かれる。翌日、ポールはルディに昨日の言葉を詫びる。2人はお互いが歩んできた人生をそれぞれ打ち明け、さらに深い結びつきを確信する。その帰り道、家に帰ろうと施設を抜け出したマルコが夜の街を1人で歩いていた。ポールとルディはいとこと関係を偽り、マルコと一緒に暮らし始める。マルコは初めて学校に通い、ポールはマルコの宿題を手伝い、ルディは毎朝朝食を作り、眠る前にはハッピーエンドの話を聞かせて眠らせる。2人はまるで本当の親子のようにマルコを愛し、大切に育てた。ルディは、ポールから贈られたテープレコーダーでデモテープを作り、そのテープがクラブオーナーの目にとまってシンガーの夢を掴む。3人で暮らし始めて約1年が経ったある日、ポールとルディがゲイのカップルであることが周囲にバレてしまう。関係を偽ったことが原因でマルコは家庭局に連れて行かれ、ポールは仕事を解雇される。今こそ法律で世界を変えるチャンスだというルディの言葉に、ポールは法を学んでいたときの情熱を取り戻す。そして、マルコを取り戻すための裁判に挑む……。

【作品データ】
原題 ANY DAY NOW
製作年 2012年
製作国 アメリカ
配給 ビターズ・エンド
上映時間 97分
映画公式サイトへhttp://www.bitters.co.jp/choco/

【スタッフ】
監督 トラヴィス・ファイン 
脚本 トラヴィス・ファイン 、 ジョージ・アーサー・ブルーム 
製作 トラヴィス・ファイン 、 リアム・フィン 
撮影監督 レイチェル・モリソン 
美術 エリザベス・ガーナー 
音楽 ジョーイ・ニューマン 
編集 トム・クロス 

【キャスト】
ルディ アラン・カミング
ポール ギャレット・ディラハント
マルコ アイザック・レイヴァ

【ひと言】
 1979年といえば自由の国アメリカといえども今に比べれば遥かに保守的で、おそらくは今の日本よりも保守的であっただろうことは想像に難くない。
 ホモセクシャルのカップルにまだ母親が健在な赤の他人の子どもの養育権を与えるなど、社会の偏見などの障壁から夢物語でしかないのだが、その夢物語に対し、母親より彼らとの同居を望むマルコの思いに応えるべく、愛情と熱意だけで、わずかな可能性をかけて夢物語の実現のため社会に立ち向かう。
 社会の多数を構成する平凡な人が、同性愛といった異質なものに対して、寛容になれないのはある意味仕方ないのだが、個人を尊重することを教えられた現代人にとっては、彼らの思いに応えたいという大きな矛盾が観ていて生じさせるのも事実である。
 ハッピーエンドにならないことで、社会全体の問題という投げ掛けに見ているこちらは、自分にも責任があるかのように感じてしまう。
 この辛いテーマの映画を救ってくれるのは、要所要所の主人公ルディが歌う、魂の歌唱であった。

【ネタバレ】
 ポールを首にした検察が収監中の実母がマルコの親権を取り戻す条件で薬物中毒の彼女の刑期を短くして、裁判所でその宣言をさせて、狙い通りマルコの養育権は親権に呑み込まれてマルコは母親に奪われてしまった。
 しかしながら母親は早く出所したかっただけで薬物中毒に戻りマルコの監護をせず、その結果マルコは路上で餓死してしまう。
 その悲劇的な結末は見ているものすべてに大きな喪失感を与え、虚しい気持ちでエンディングを迎えさせてしまう。
 唯一の救いは、マルコの親権を形式的に母親に戻した裁判官や検察関係者にマルコの死を伝えられ、次の親権判断において、教訓として生かされる可能性が見られたことだが、ともかく辛いエンディングであった。

【追記】
 私は本作品をヒューマンドラマとして受け入れつつも、単純に割り切れない思いも生じている。
 以下、まとまっていないが、そのことを論じてみる。

 まず、同性愛者と身近に接していない私はある意味彼らに偏見を持っていないともいえるが、現実問題として彼らが私の相手方、つまり障害となったときにどうなるかは私自身読みきれない。
 つまり了見の狭い私は、外見に惑わされずに内面をきちんと評価できるか?まったく自信は無い。

 ただし、自分自身は見掛け倒しや外見ばかり気を使うのは嫌いで、内面重視、つまり自己研鑽こそが重要だと思っている。
 では、外見はどうでも良いのかといえば、そこには逆に分かりやすさが必要だと思っている。

 才能があるものは、才能で評価される。それは芸術家などであれば、作品が良ければ、奇抜な格好もまさに個性として認められるであろう。一流のプロスポーツ選手にありがちな変な服装や金髪にしても評価すべき対象外なので誰も気にしないであろう。
 そして、同性愛も普通の人が持ち得ないもの、つまりは才能の一種だと思う。
 ヒトは才能の発露が許される唯一の生物であり、才能を認められるとともに、逆に才能が無くとも真摯に生きていこうとする同胞を助けられる生物なのでもある。

 何が言いたいかといえば、私の理屈としては、異端であっても才能があれば個としては認められる。
 ある程度の集団、類としても容認できるであろう。
 しかし、すべてがこうした異能だけで構成された社会、つまり種として、容認というか存在ができないのではないかということである。
 そうした観点で見てしまうと、社会が非常につまらなくなるのであるが、やはり異端は個とまでしてしか認められないのではないか。

 つまり同性愛者だけしかいない社会国家は存続し得ないし、芸術家だけの社会国家も存続し得ない。
 悲しい現実として、認められるのは少数の個だけなのであるし、今のところ類にまで増大してはいるが、種にまでは到達しない。生物としてそこには到達し得ないからだ。

 しかしながら、ここにきて、そうもいえなくなる事態がもうすぐ出現する恐れがあるのだ。
 それは医療や科学の進歩で、やがて人工生殖は母胎なくても実現すると思われるからだ。

 そうなるとどうなるのか。

 個としては才能はあるが自然生殖しない種が優秀な遺伝子を有する生物として生殖能力を欠いたまま君臨するという危うい未来が出現する。

 才能無き我らこそが、淘汰されるのだろうか・・・。

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