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2014年4月 3日 (木)

【映画】LIFE!(ライフ)

Life1
生き様に影響を与えてくれる出会いがあるから映画鑑賞も読書も止められない。
そういう意味で久しぶりに味わい深い、ガツンと来た映画でした。

【映画概要】
『ナイト ミュージアム』シリーズなどで知られるベン・スティラーが監督・主演を務めた人間ドラマ。出版社に勤め、平凡な毎日を送っていた男が、廃刊の決まった雑誌の表紙を飾る写真を撮影した、世界を放浪するカメラマンを探すため、壮大な冒険に出る姿を描く。現実と空想世界の境目がなくなったような不思議な映像にも注目だ。

【あらすじ】
ウォルター・ミティ(ベン・スティラー)は、毎日、ニューヨーク郊外から地下鉄に乗って雑誌「LIFE」のオフィスへ通勤、そこで地味な写真整理の仕事をしながら、何ひとつ変わりばえのない日々を繰り返している。不器用な性格ゆえに人付き合いが下手で、密かに熱烈な想いを寄せている経理部の同僚シェリル・メルホフ(クリスティン・ウィグ)に話しかけることもままならない。
そんな彼の唯一の趣味は、虚しい現実から逃避して突飛な空想に浸ることだった。空想の世界では、勇ましいヒーローに変身して大活躍、また世界中のありとあらゆる場所で胸躍るアドベンチャーを繰り広げることもできる。それがウォルターにとって退屈な日常をやり過ごすための唯一の手段であった。
だが彼がふと我に返ると、厳しい現実が待ち受けていた。時代が要請するデジタル化の波に抗えず「LIFE」は経営が悪化、新たなボスはリストラの対象としてウォルターに目をつけていたのだ。そんな中、ウォルターは「LIFE」最終号の表紙を飾る大切な写真のネガがないことに気付く。
クビを恐れた彼は、冒険家でもある著名カメラマン、ショーン・オコンネル(ショーン・ペン)を捜し出し、直接ネガのありかを聞こうと決意。こうしてウォルターははるばる北極圏のグリーンランドにやってくるが、あと一歩のところでショーンに追いつけず、波乱に満ちた旅の継続を余儀なくされてしまう。空想の中で最愛のシェリルの助けを借り、ありったけの勇気を奮い起こしてアイスランドの火山地帯を訪れるウォルター。
しかし、突飛な空想をもはるかに超越したこの壮大なる現実の旅は、彼の人生を一変させていくのだった……。

【作品データ】
原題 THE SECRET LIFE OF WALTER MITTY
製作年 2013年
製作国 アメリカ
配給 20世紀フォックス映画
上映時間 115分
映画公式サイトへ

【スタッフ】
監督 ベン・スティラー
脚本 スティーヴ・コンラッド
原作 ジェームズ・サーバー
原案 スティーヴ・コンラッド
製作総指揮 ゴア・ヴァービンスキー、メイヤー・ゴットリーブ、G・マック・ブラウン 
撮影監督 スチュアート・ドライバーグ
音楽 セオドア・シャピロ
音楽監修 ジョージ・ドレイコリアス
字幕 栗原とみ子

【キャスト】
ウォルター・ミティ ベン・スティラー
ショーン・オコンネル ショーン・ペン
シェリル・メルホフ クリステン・ウィグ
エドナ・ミティ シャーリー・マクレーン
テッド・ヘンドリックス アダム・スコット
トッド・マハール パットン・オズワルト
オデッサ・ミティ キャスリン・ハーン

【ひと言】
主人公は、その昔、父に買ってもらったバックパックで冒険の旅に出るのであるが、そのバックパックは、私が大学時代に初めて海外旅行に行くときに買ったバックパックにとても似ていたのだ。
Life5
そんな些細なシーンで、私は自分の若き日に思いをはせることができ、さらにより深く主人公と同化し、この映画の世界観にどっぷりとのめり込めたのだ。

予測できないこと、例えばツアーの団体旅行などでなく流離うような「旅」こそがもっとも刺激的でもっとも楽しめるものだと、本心から思っている私にとって、主人公の冒険旅行は、まさに理想的な心躍る旅そのものでした。

一緒に心躍った主人公の冒険譚であるが、そこそこ自分も似たような旅をしている気がして嬉しかった。
以下、主人公の冒険旅行と対比してみる。
1 単身グリーンランドに乗り込む → ニュージーランド、ギリシャは単身旅行
2 ヘリコプターから海に飛び込む → したことない(笑)が、バンジージャンプやスカイダイビング程度の飛込みならある。
3 サメと格闘する → これもない(笑)が、山中で大きな野犬と対峙したことはある。
4 見知らぬ漁船に救出される → アベル・タスマン国立公園でレンジャーに助けられたことはある。
5 火山まで17km走る → 進入禁止の浅間山の火口まで登ったことがある。
6 子どもの頃得意だったスケボーで坂道を疾走する → マチュピチュ遺跡から麓まで普通はバスだが、ジャングルの中をトレイルランで駆け下って下山したことがある。
Life4
7 火砕流に襲われる → さすがに経験ない(笑)
8 ヒマラヤに登る → 日本やニュージーランドの山には単独で登ったことがある。

だいぶスケールは小さくなるが、まあ、現実世界ということでお許しを(笑)

さて、この映画では、LIFEを出版する会社で、裏方そのものの地味なネガ管理業務で16年間頑張った42歳のさえないモテナイ中年独身の主人公が、リストラ必至のピンチに、これまでの地味な人生、生き様、性格を打ち破るかのごとくチャレンジブルな冒険旅行に出かけることで、新しい自分を見つけるという、中年からの成長物語なのである。

単純に捉えれば、しがないどこにでもいる平凡な中年サラリーマンへの青春讃歌のような物語に見える。
しかしながら、冒険的な派手な生き方よりも、地に脚のついた生き方こそが社会を支えているのだという、寓話でもある。
実に、趣深い映画であった。
ハリウッド映画も捨てたモンじゃないね(笑)

【ネタバレ】
LIFE最終号の表紙を飾るネガを追って、主人公はグリーンランド、アイスランドを経てヒマラヤでやっと冒険写真家のもとにたどり着いてみると、ネガは主人公にプレゼントした財布の中だという。
その財布は旅に出る前に自宅のごみ箱に捨てた後で、万事休す。写真家は少し残念がるも、ヒマラヤでの撮影目的のユキヒョウがちょうど二人の前を通った。待ちに待ったシャッターチャンスなのだが、この冒険写真家は崇高なユキヒョウを見て、歓喜し、そして撮影を止める。

Life3
理由は「一瞬をこの目で見逃したくない」と。(このあたりは私も見習いたい潔さです。)
主人公は、アメリカに帰国後、写真を紛失した責任をとって会社を首になって、家族と過ごしていると、実は母親が例の財布をごみ箱から取り出し、持っていた。
その結果、ネガも無事見つかり、会社のリストラを実施した上司に、表紙のネガを届けたうえで、にっくき上司にLIFEという雑誌の思想を語り、それができるのは今や上司しかいないと啖呵を切って、会社を出る。
後日、主人公は未受領の給料を会社で受け取った帰り道、好きだった同僚女性と出くわす。
Life2
お互いの誤解が解けて、恋愛復活の予感の中、LIFEの最終号が店頭に並んでおり、その表紙は、ネガを一心に見つめる主人公の写真だった。
冒険心あふれ挑戦できる逞しく魅力的な男になった主人公であったが、冒険写真家がLIFE最終号の表紙にふさわしいとした写真は、冒険心なく面白みのなかった、単調なネガ管理を黙々と律儀に行っていた主人公の姿であるという、予想外の平凡さを讃えるものであった。

 

主人公のような冒険心あふれる生き方に感動していた自分には、冷や水を浴びせられたような、最終号の表紙であった。
冒険心があることも素晴らしいが、単調な仕事を一心不乱に行う姿も素晴らしいということか・・・。

 

仕事人間には冒険心を、少年のような私のような人間には仕事を真面目にしようと思わせる、どちらの側の人間でも感動し、共感できる非常に稀有な映画であった。

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