【映画】オーバー・ザ・ブルースカイ
趣味も性格も異なる男女の激しい愛とその生き様を、ブルーグラス・ミュージックに乗せて綴るヒューマンドラマ。監督は、ベルギーの新鋭フェリックス・ヴァン・ヒュルーニンゲン。出演は「ロフト」のヴェルル・バーテンス、「アントニア」のヨハン・ヘルデンベルグ、『ザ・ヒットマン』のヘールト・ヴァン・ランペルベルフ。
【あらすじ】
篤い信仰心を持った情緒的なエリーゼ(ヴェルル・バーテンス)は、体中に自身の歴史を語るタトゥーを彫り込み、タトゥー・デザイナーとしてスタジオを開いている。一方、カウボーイに憧れるディディエ(ヨハン・ヘルデンベルグ)は、ブルーグラス・バンドでバンジョーを弾き、ベルギー国内をキャラバンでまわっている。彼にとって「自由の国=アメリカ」は理想の国だった。そんな性格も好みも違う二人が突然、恋に落ち、やがてエリーゼは天性の歌声を開花させ、ディディエのバンドで歌うようになる。その音楽は、二人の愛を紡ぎ、絆を強固にしていく。プロポーズ、結婚、そして子供の誕生……。型破りな二人にとって完璧な幸福ともいえる時間が続いていく中、ある日愛娘メイベル(ネル・カトリッセ)が重い病気にかかってしまう。エリーゼとディディエは、それまでの生活が一変し、二人の愛が試されることになる……。
【作品データ】
原題 THE BROKEN CIRCLE BREAKDOWN
製作年 2012年
製作国 ベルギー=オランダ
配給 エスパース・サロウ
上映時間 111分
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【スタッフ】
監督 フェリックス・ヴァン・ヒュルーニンゲン
脚本 フェリックス・ヴァン・ヒュルーニンゲン 、 カール・ヨース
脚本協力 シャルロッテ・ファンデルメールシュ
製作 ディルク・インペンス
撮影 ルーベン・インペンス
音楽 ビョルン・エリクソン
録音 ミシェルス・ホッピング
編集 ニコ・ルーネン
衣裳デザイン アン・ラウエレイス
ヘアメイク ディアナ・ドレーセン
【キャスト】
エリーゼ ヴェルル・バーテンス
ディディエ ヨハン・ヘルデンベルグ
ウィリアム ヘールト・ヴァン・ランペルベルフ
メイベル ネル・カトリッセ
【ひと言】
アメリカが舞台の映画だと思ってみていたが、ベルギーが舞台とは、これを書きながら知りました(笑)
愛する二人の可愛い娘が闘病の後に死んで、それで終わらないという映画は、それほどあるパターンではない。(前半で涙が出尽くしましたよ。)
相手を認め、熱烈に愛し合う二人、相手を思いやることも出来て、しかも同じ音楽を愛する二人なのだが、宗教観や死生観が異なる二人は、娘の死に対し、微妙なすれ違いが生じ、最後はバラバラになってしまう。
伝統や文化というものが共通なら、こうした違いを乗り越えられるのかもしれない。
それも実のところ先人の智恵ということか・・・。
【ネタバレ】
娘を白血病で亡くした妻エリーゼは、なかなか立ち直ることが出来ない。娘が愛していた野鳥に対し、娘の生まれ変わりのように接したり、娘の部屋を片付けず、何もしない生活となっていった。一方、夫のディディエは、神を信じないどころか、人を惑わす邪悪なものとみなし、風貌に似合わず合理的かつ科学的な思考で娘の死を冷静に受け入れる。そんな二人は、結局、すれ違うことになり、最後は妻エレーナは娘のところに旅立ってしまう。そしてその最後の安楽死を決意するのが残された夫のディディエで、仲間とともにカントリーミュージックで送り出す。死への送りが彼女の幸せの実現に向かうものだと観ているこちらが納得してしまう終わり方に愕然とさせられた。
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