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2014年3月 7日 (金)

【映画】さよなら、アドルフ

【映画】さよなら、アドルフ
レイチェル・シーファーの小説『暗闇のなかで』を映画化。終戦後のドイツを舞台に、ナチ親衛隊高官の子供たちが直面する過酷な運命を描く人間ドラマ。
監督・脚本は、「15歳のダイアリー」のケイト・ショートランド。出演は、新星ザスキア・ローゼンダール。
2013年アカデミー賞外国語映画賞オーストラリア代表作品。

【ストーリー】
1945年春、敗戦後のドイツ。ナチ親衛隊の高官だった父(ハンス=ヨッヘン・ヴァーグナー)と母(ウルシーナ・ラルディ)が、連合軍に拘束される。
置き去りにされた14歳の少女ローレ(ザスキア・ローゼンダール)は、幼い妹、弟たちを連れ、900キロ離れた祖母の家を目指す。
終戦を境に何もかも変わってしまったドイツでは、ナチの身内に対する世間の風当たりは冷たく、たとえ子供であっても救いの手を差し伸べる者はいなかった。
そんな中、ローレは、ナチがユダヤ人にしてきた残虐行為を初めて知る。
さらに、ローレたちを助けてくれるユダヤ人青年トーマス(カイ・マリーナ)が旅に加わり、ローレがこれまで信じてきた価値観やアイデンティティが揺らぎ始める……。

【作品データ】
原 題 LORE
製作年 2012年
製作国 オーストラリア=ドイツ =イギリス
配 給 キノフィルムズ
上映時間 109分

【スタッフ】
監督 ケイト・ショートランド
脚本 ケイト・ショートランド、ロビン・ムケルジー
原作 レイチェル・シーファー
製作 カールステン・シュテーター、リズ・ワッツ、パウル・ウェルシュ、ベニー・ドレクセ
撮影 アダム・アーカポー
音楽 マックス・リヒター
編集 ヴェロニカ・ジネット
字幕 吉川美奈子

【キャスト】
ローレ   ザスキア・ローゼンダール
トーマス  カイ・マリーナ
リーゼル  ネーレ・トゥレープス
ローレの母 ウルシナ・ラルディ
ローレの父 ハンス=ヨヒェン・ワグナー
ユルゲン  ミーカ・ザイデル
ギュンター アンドレ・フリート
ローレの祖母 エーファ=マリア・ハーゲン

【ひと言】
 いつもながら、戦争の悲惨さ、不条理さ、残酷さを描くのに最も適しているのは映画だとつくづく思うし、それゆえに非戦闘描写を軸とする戦争作品は見逃すことはできない。
 しかも本作品は、戦争加害者としてしか断罪されることのないナチス高官の家族が主人公という異色作だ。
 私はドイツと同じ敗戦国である日本人のせいなのか、主人公家族への感情移入がすぐに起きて、映画における主人公たちへの周りの冷たい仕打ちは身に応えた。
 敗戦の混乱の中、14歳の少女が、乳飲み子を含む4人の幼い妹弟を引き連れての逃避行は想像以上に厳しく観ているこちらが疲労困憊となる。
 愛する父母が戦争犯罪(ユダヤ人虐殺)に加担したことが信じられず、ユダヤ人を忌み嫌いながら、ユダヤ人青年の助力なしでは旅ができない現実。
 終盤には祖母の家になんとかたどりつくのだが、最後に大団円とならないところが、実に厳しい映画だった。

【ネタバレ】
 祖母の家にたどり着いて一息だったのだが、祖母はドイツの正義を信じ、ドイツの古い誇りを孫に押し付けようとする。
 逃避行によってすっかり価値観が変貌した主人公ローレは、母が祖母の家に自分の部屋に残して飾っていた陶器製の動物をすべて破壊してしまう。
 逃避行中のお守りでもあった母の形見である陶器製の小鹿までも、ローレはこちらの思いを裏切って最後には破壊してしまう。
 戦争とは直接関係の無い古き良き価値観すら戦争を引き起こした世代の悪しき遺物として完全に破壊すべきものであるとの戦勝側の一方的なメッセージが読み取れる強烈なエンディングだった。
 映画の終わり方に衝撃を受けて、しばし呆然としてエンドクレジットを眺め続けてしまった。

追記
 監督はドイツ人でなく、戦勝国側のオーストラリア人であった。
 敗戦後も母国の誇りを失わず生きていこうとする祖母を戦争犯罪者として切り捨てるかのようなこの映画のエンディングは、映画と歴史が好きな私の人生において、かなり強烈なシーンとなった。
 世界はナチスだけでなく大日本帝国も同じような存在と見られているのだろうか。
 昨今の中国や韓国の日本に対する悪意ある主張は、世界の非常識だと思っていたが、実はそうではないのかもと不安がよぎる映画だった。 

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