【映画】もうひとりの息子
テルアビブに暮らすフランス系イスラエル人の父アロン(パスカル・エルベ)と母オリット(エマニュエル・ドゥヴォス)の息子が18歳になり、兵役検査を受ける。その結果、彼は実の息子ではないということが明らかになる。湾岸戦争で混乱していた18年前、生まれた病院でパレスチナ人家族の赤ん坊と取り違えられていたのだ。2人の息子たちが動揺し、2人の父が葛藤するなか、2人の母は……。
<作品データ>
原題 Le fils de l'autre
製作年 2012年
製作国 フランス
配給 ムヴィオラ
上映時間 101分
公式サイト
<スタッフ>
監督 ロレーヌ・レヴィ
脚本 ロレーヌ・レヴィ 、 ナタリー・ソージョン 、 ノアム・フィトゥシ
原案 ノアム・フィトゥシ
エグゼクティブプロデューサー イタイ・タミール
製作 ヴィルジニー・ラコンブ
制作主任 フレデリック・グルネンウォルド
撮影監督 エマニュエル・ソワイエ
美術 ミゲル・マルキン
音楽 ダフェール・ ユーセフ
音響 ジャン=ポール・ベルナール
編集 シルヴィー・ガドメール
衣裳 ロナ・ドロン 、 ヴァレリー・アッダ
キャスティング ミハエル・ラゲンス
アソシエイト・プロデューサー エリック・アムーヤル
助監督 ソフィー・ダヴァン
スクリプト イザベル・ドラクロワ=ドゥクセ 、 カレン・スターンフェルド
<キャスト>
オリット(ユダヤ母) エマニュエル・ドゥヴォス
アロン(ユダヤ父) パスカル・エルベ
ヨセフ(ユダヤ→アラブ息子) ジュール・シトリュク
ヤシン(アラブ→ユダヤ息子) マハディ・ザハビ
ライラ(アラブ母) アリーン・ウマリ
サイード(アラブ父) カリファ・ナトゥール
ビラル(ヤシン兄) マフムード・シャラビ
ダヴィッド ブリュノ・ポダリデス
ラビ(ユダヤ教司祭) エズラ・ダガン
【ひと言】
極東の島国で、ほぼ単一民族の日本では、絶対に味わうことが出来ない同じ地域における民族(ユダヤとアラブ・パレスチナ)間の対立という生存すら厳しい生活の中で、最悪とも言える敵対する民族間における赤ん坊の取り違いが18年後に判明するというのが本作品のシチュエーションかつプロローグである。
18歳という大人になりたての青年が病院での赤ん坊の取り違えの発覚により、自らの父母に加え、今まで信じてきた民族、宗教までも反転してしまうことなど、私には想像できない世界である。
それを乗り越えることは、文字にすると絶対不可能に思えるが、この映画を観るとなんだか実現可能な気になった。
本映画を評するにはそれが全てだと思う。悲しみの涙を流すことも無く、熱い感動に打ち震えるわけでもない、ただ心に平穏が静かに満ち満ちた。愛情とはあらゆる変化に耐え、包み込める素晴らしいものだということだ。
平和な世界では繊細に(【映画】そして父になる)、刺々しい世界では力強く(「もうひとりの息子」)、どちらも親子の情を超えた大きな愛がある素晴らしい映画でした。
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