【書評】生きる力 心でがんに克つ なかにし礼/著
人気作詞家である著者の食道がんの闘病記。
作詞家であり作家らしい、名作の表現を引用し、まるで文芸評論も兼ねているかのような闘病記らしからぬ不思議な本です。
人気作家らしく普通の人よりお金を持っており、健康保険診療での外科的な患部の切除治療でなく、最先端の陽子線治療により、ガン治療を行い、完治したのである。
サブタイトルは「心でがんに克つ」となっており、医療に頼らずあたかも心だけでガンを治したかのような表現であるが、むしろ逆に健康保険診療外の最先端治療で治したのである。
しかしながら、自らの丹念な情報収集や揺るぎない信念で治療方法を自らが選択することを貫いたからこそ、その治療に辿り着いたわけで、幼少期の満州からの引き揚げ時のそれはそれは辛く大変な経験を踏まえた、自らが他者に頼らず主体的に生きるという部分は大いに感銘を受けた。
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