スパルタスロン完走記6(CP52第4関門-CP60第5関門)
2013年のスパルタスロンのCP全記録の完全版その6です。
<CP52-CP60(区間距離23.8km)>
平らな盆地の田園地帯を走ります。サンガス山越え後の気の緩みと平坦で単調さが眠気を招きますが、夜明けの田園地帯はとても爽やかです。トラブルが発生し、それに気をとられ写真はかなり少ないです。
CP52 04:51 171.5km地点(区間距離4.0km:少し上り)
NESTANIという街のエイド&第5関門。順位51位とレース中最高順位を記録。第13補給地点で物資Bとべスパと靴。当初の予定ではここで夜明けを迎え、靴とライトをスパルタに返送する予定であったが靴だけ送り返すことにした。
靴を履き替えるためまず靴のICチップを外すとスタッフの親父さんが「この新しい靴に付けるのか?」俺がやるからお前は別のことをしろとボディランゲージで伝えてきたのでお願いする。ここに限らずスパルタスロンのスタッフは本当にランナーのために献身的だ。
その間にスタートから履いて来た靴を脱ぎ、靴下を脱ぐと痛かった右足甲の親指と足首の間は、プクッと十円玉大にドーム状に腫れあがっていた。どうりで右足の靴紐を緩めても痛いわけだ。写真を撮り忘れたので、みなさまにこの腫れあがり具合をお伝えできないのが残念。(帰国後の診察で足関節滑液包炎と判明)
古い靴を梱包して終わった頃、新しい靴にICチップを親父さんが付け終わり、これでいいかと聞いてきた。「ベリグッド、サンキュー!」と言った後に靴を見ると本当は通す必要の無い穴にも無理やり紐を通していた。(笑)
それを直して、右足の腫れている部分は思いっきり靴紐を緩めて広げ、足首部分だけ思いっ切り締めて同じ型の新しい靴に履き替えた。
代えた靴と靴下をスパルタ返送として預けて、もう少し必要なリュックとライトの返送用袋は次の大きなエイドで使うためリュックに押し込んで出発。
4位のTさんとほぼ同時に出発となり集落を進むが分岐での表示がなく、二人で相談。2回目のD君はこっちだという言うが、私は分岐に対してマークが無いのでいったん戻ることにして、地元民に確認すると道が違っていた。
すでに右足が腫れ上がって痛いので、大声で「違ってましたー!」と彼のいる方向に叫んで先に進む。後ろから付いてくる雰囲気が無いが進んでいると、高速道路に沿って走ってきたTさんと出会う。「大声出したけど聞こえませんでしたか?」と声をかけ、「合流出来て良かったです」と先を進む。(この後、不安になった彼は再度エイドに戻ったらしい。)
高速道路をくぐり、高速道路に沿って真っ暗で幅広で直線の道を進む。大が出来そうな場所はなく、下痢止めを飲んで、そのまま進む。
そのうち高速道路から徐々に離れ、幹線道路と交差する直前の民家(商店?)前のエイドに到着。
CP53 不明 175.5km地点(区間距離2.0km:少し上り)
交差点手前の民家?前のエイド(右側)
真っ暗な人気の無い道を突き進む。寒いのでリュックからレインウェアを取り出そうとしたが、どこかで落としたようで無くなっていた。ショックを受けつつ走っていると交差点を向かいの建物前にエイド出現。
CP54 05:57 177.5km地点(区間距離1.3km:少し上り)
建物(食堂)前にテントが張られたエイド(右側)
疲れが出てきたが、防寒具を無くし、体温維持のため日の出まで食べて走り続けるしかなくなった。高速道路の下をくぐると次のエイド。
CP55 時刻不明 178.8km地点(区間距離4.7km:少し上り)
人家の無い道路脇のエイドだが記憶無し(左側)。寒さと疲労のせいだろう。
高速道路をすぐ右手に並行する人気の無い道を緩やかに上る。途中でライトで反射する4つの目玉が見えた。野良犬二匹に出会うが予想外の小型犬でひと安心。寒いのでとりあえず走っているが寒さは解消できない。
この区間距離は長く、寒くて辛かった。
CP56 06:45 183.5km地点(区間距離2.6km:少し上り)
何も無い場所の十字架のある東屋前のエイド(左側)。
第14補給地点。物資A+べスパ。イスに座るとブランケットを掛けてくれた。寒いが塩分補給も兼ねてレトルト粥を食べる。
夜明け近いはずだが、まだ真っ暗。寒さは最高潮になり、走っても走っても身体は温まらず、小便を頻発。この1時間で3回計2リットル以上(推定)は放尿した。塩を摂取しているが寒さのため体内の水分を放出しているようだ。
これだけ放尿できるのは、序盤に塩分と水をバランスよく摂取して水膨れになっていたということだろう。次の立ちション場所を探して走っていると集落に入って、エイドに到着。
CP57 07:11 186.1km地点(区間距離3.2km:ほぼ平坦)
集落(ZEVGOLATIO)のエイド(右側)。
夜が明け始めたが寒さは一層厳しくなった感じ。水も飲みたくないが無理して半分飲んだ。
ブドウの収穫時期のようでそのためのトラックが行き交っている道を走った。道にはみ出して邪魔する樹木を避けた際にトラックが肩スレスレに追い抜いていって、荷台に乗っている農夫がちゃんと端寄って走れと怒っていた。危うく轢かれるところだったようだ。
これで目も覚めて針路の先に盆地を囲む山並みが見えた。その山並みの縁の空が青から赤に変わり始める朝の瞬きがとても印象的でした。
待ちに待った夜明けでしたが、まだ日光は身体には当たらず寒いまま、とにかく走り続けるが足は動かずスピードは極端に落ちている。
それでも明るくなる世界に期待大だ。小さな集落を抜け、しばらく走ると何も無い空き地にエイドがあった。
CP58 07:37 189.3km地点(区間距離2.5km:平坦)
何も無い場所にテント設営されたエイド(右側)。写真は出発して振り返って撮影。
すぐに幹線道路に出て、西に数百メートル進むと左折してわき道に進む。狭いが車が少なくなってホッとする。脚が動いていない外国人女性ランナーを「モーニング」といってパスするが、私より元気な足どりの金髪ちりちりの男性ランナーに笑顔で抜かされる。
畑の中にエイド発見。
CP59 時刻不明 191.8km地点(区間距離3.5km:平坦)
両側畑の小屋前に設置されたエイド(右側)。写真なくこの辺りも寒かった以外の記憶無し。
水分補給だけしてすぐに出発。畑の中を立ちションしながら曙光に照らされる山並みの写真を撮りながら進む。
公園のような小さな集落を抜けて、しばらく田園地帯を走って、また集落に入ると待ちに待ったTEGEAだ。
CP60 08:33 195.3km地点 通過順位54位
総区間距離23.8km 総区間タイム3:42
TEGEAという街のエイド&第6関門に到着。とぼとぼと歩いた記憶はあまり無いが寒くて立ちションが続いたため順位は54位に落ちていた。(笑)
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