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2013年4月 6日 (土)

【書評】日本を貶めた10人の売国政治家 小林よしのり/編

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歴史に思いを巡らしあれこれと考えることが好きな日本人なら、ほぼ間違いなく、極東という辺境でありながら、豊かで平和で、かつ変化に富んだ、世界に誇るに足る壮大な自国の歴史に、日本人で良かったと満足を得られているものと思う。(私もその一人だ)
その自慢できる歴史の中で、唯一といって良いほどの躓き(つまづき)が、第二次世界大戦に至る時代から敗戦までであることは、ほぼ共通的な認識であることは間違いないことだろう。

その部分について、世界に対して日本人自身がどのように解釈し評価あるいは反省するべきかは、十分に民主的な国家である日本において、いろいろな主張があってしかるべきであり、現にそうなっている。それこそが日本の良さなのである。

さて、歴史に絡む話となるどうしても私は熱くなってしまう。

なぜなら、歴史に対して、脆弱な知識で、ある種、日本人特有の謙虚さ、いや自虐さにより、卑屈なまでにわれらの先祖が築き上げてきたものを、自らの足で踏みにじるがごときの所業を自覚なく行っている人々が散見、いや圧倒的多数おられるからである。

現代の感覚では、主権のある他国を侵略するなんてことは、とてつもなく野蛮で、世界的に糾弾されるに足るものである。そうした主観的な思いが、先の大戦でアジアを侵略したことは紛れもない事実であるかのように思えるが、実際には、そうではないのであるというのも歴史的には事実でもある。

つまり「歴史を認識するには、現代社会のみの感覚では論じ得ない」ということだ。
 分かり易く例えるなら武士が殺人可能な刀を持ち歩いていたことを、現代の感覚をもって野蛮と論じているようなもので、それではもはや歴史を語るに値しないということだ。

19世紀後半以降、朝鮮には独立志向はあったものの、日本支配を是とする知識層が相当いたことも事実であり、民衆に至っては為政者に刃向かうような国情ではなかった。つまりは戦ってまで独立するなんて気概は無かった。(日本の幕末だって似たような状況だったし。)故に日本が敗戦したときに、朝鮮の人たちも右往左往し、独立運動は北朝鮮の一部でしか発生しなかった。日本の植民地支配の創氏改姓についても、日本が強制したのではなくて朝鮮の人が日本人名を得たいという要望に応えて1942年に始まったものであり、しかも朝鮮の人には無条件の届出制に、台湾には許可制と朝鮮は優遇されているのである。(ただし、これを持って、日本の植民地支配が正当なものであったと言いたい訳では有りません。)

現在の朝鮮が問題にしている慰安婦問題であるが、当時の社会では、一般的な職業であったわけで、売春が禁止された現代において初めて問題視されているものである。これはまさに、帯刀している武士を野蛮で危険だといって貶める(おとしめる)のと同じ想像力の欠けた非常識な見解なのである。
(しかも問題視し始めたのは、1991年に朝日新聞がよく調べもしないで吉田清治なる人物のホラ話を記事にしたことから始まったことである。結局は朝鮮の業者が儲けるべく、軍とは無関係に強制連行しただけの話なのだ。だが、女性の人権や性的虐待に厳しい昨今において、こうした抗弁が世界的にはもちろんのこと、日本国内でも受け入れられていないのだ。それ自体はある意味正常な反応で、まあ、仕方ない気もするが、歴史的な認識とするには、当時の歴史的な状況や背景をきちんと認識していなければならないはずで、自身の想像力の欠如を自覚していない多くの人は当然そこまでは至っていないし、間違いを認識すらしていない。)

中国については、清が滅亡した後は、群雄割拠で主権国家が存在していないような状況であり、統一政権に近づいた蒋介石の国民党政府にしても、敵は日本より共産党であった。その中国共産党は日本が国民党政府を攻めてくれれば、むしろ幸いと思っていたわけで、事実そうなり、国共合作(日本と戦うための国民党と共産党の和解)が成立したが、それを良しとしない中国人は、日本を後ろ盾に臨時政府が成立したりしていた。

また、1989年の天安門事件で世界的に孤立した中国を助けたのは日本であり、まさに日中戦争の歴史的な負い目を返す絶好の機会として、日本の政治家はやり遂げたのである(その目的の一部、実は日本の政治家の私欲(つまり中国の利権を維持する)ための部分もあると思われる)が、とにかくその結果、中国が世界と再び友好関係を回復する端緒となったものであり、中国は一時は日本に感謝していた。ところが時間が経過すると、天安門事件そのものを闇に葬った中国は、助けてもらったなどという評価も闇に葬って、まさに日本にとっては恩をあだで返されるがごとくに、今日の尖閣諸島問題に見られる致命的な隣国との関係に至っているのである。
(外交音痴な日本は、かの国が偏狭的な反日歴史教育をしているという事実を知らず、わかってからも中国の内政には踏み込んではならないという日本人的な寛容さがかの国を増長させ、日本自らがさらに自虐的になるという致命的な状況を表出させたというのが私の歴史的認識である。)

と、熱く語ってしまったが、本著はそうした歴史的な事実、さらには私も知らないもっと悪辣な歴史的な謀略、つまりは中国や韓国の歴史捏造の証拠を挙げながら論旨を展開している。実のところ、本来であれば、歴史に無知で自身が経験した感覚しか持ち得ない平和ボケした日本人そのものを糾弾すべきであるが、それでは立つ瀬がないので、売国政治家という形で、本著では強烈に警鐘を鳴らしているのである。

この「売国」というフレーズがあまりに厳しすぎ、一般読書向けでないのが実に残念であるが、内容的には実に論理的かつ客観的で納得をせざるを得ない。いささか過激に書いたかのような私ですら、本著の論調からすると、右翼的でないことはむろんのこと、保守的でもなくて、左派扱いされそうなくらい甘い認識なのである。(笑)

ちなみの本著で売国政治家ランキングがされている。以下引用する。
1位 河野洋平
2位 村山富市
3位 小泉純一郎
4位 小沢一郎
5位 中曽根康弘
6位 野中広努
7位 竹中平蔵
8位 福田康夫
9位 森喜朗
10位 加藤紘一

以下、論評のサブタイトルを列挙する。
河野洋平 単なる談話で日本を「性犯罪国家」に貶めた
村山富市 万死に値する「国民見殺し」「自国冒涜」の罪 
小泉純一郎 「改革」で日本の冨と生命を米国に差し出した
小沢一郎 「ねじれ現象」を生んだ無節操な国賊
中曽根康弘 靖国問題をこじらせた元凶
野中広努 自虐外交の嚆矢となった「不戦決議」
竹中平蔵 日本国を構造破壊し共和制に導く経済マフィア
福田康夫 無為、無内容、無感情
森喜朗 保守を絶滅に追い込んだ背後霊
加藤紘一 戦後レジームの滑稽なゾンビ

簡単に解説します。
河野洋平 単なる談話で日本を「性犯罪国家」に貶めた
 1993年8月4日に宮澤内閣の官房長官として発表したいわゆる河野談話
 この談話で証拠もないのに慰安婦問題を内外に謝罪したこと
 しかも証拠がないのに本人の直感で発表しているだけに始末が悪い
 安倍総理が河野談話を見直すと言ったのは至極当然なことながら、結局それもできそうにない。

村山富市 万死に値する「国民見殺し」「自国冒涜」の罪 
 内政的には阪神淡路大震災で自衛隊の出動を恐れたのか緊急災害対策本部を設置しないで国民を見殺し、外交的には総理大臣たるものが自虐史観丸出しで、日本の国益を未来永劫、完全に損ねた。
 
小泉純一郎 「改革」で日本の冨と生命を米国に差し出した
 保険こそがアメリカが狙う日本の冨であり、小泉政権で郵政民営化で郵便、貯金、簡保を切り分けて、簡保の弱体化を実現させた。保険の自由化をアメリカのいうとおりに実現した結果、日本の生命保険会社のうち9社が外資に吸収された。次にアメリカが狙うのは、医療保険。アメリカは国民皆保険でなく民間が担っている。日本市場で邪魔な国民健康保険は、その時は守られたが、今度のTPP参加により、潰されようとしている。貧しい人は、病院に行けない世の中が来るのだ。

小沢一郎 「ねじれ現象」を生んだ無節操な国賊
 すでに解説不要でしょう。

中曽根康弘 靖国問題をこじらせた元凶
 戦後、総理大臣は全員、終戦記念日に靖国神社に参拝していたのを、初めて中止したのが三木総理。10年後に中曽根総理が復活したが、中国の圧力に屈して、参拝中止。これ以降、中国は圧力をかければ良いことを覚えて、総理は参拝できなくなった。

野中広努 自虐外交の嚆矢となった「不戦決議」
 戦争世代で戦争を敵視しすぎて、北京郊外盧溝橋の人民抗日戦争記念館を視察、(後に批判を受け中国が撤収した)事実無根の展示内容を「正しい歴史観」と認め、中国共産党幹部から「正しい見解」との言葉をもらっている。
 2008年の南京事件71周年集会に出席し、自虐的な事実無根の暗黒史観を披瀝した。
 また、長く日朝友好議員連盟幹事長を務めていた。
 これで、中国や韓国の歪曲した歴史観を日本の有力政治家自らが補完していたのだ。

竹中平蔵 日本国を構造破壊し共和制に導く経済マフィア
 小泉総理の構造改革の実行者であるので、小泉純一郎の書いたとおり。
 歴史観については不明だが、発言がないということは、英語堪能ということもあって、構造改革は学者としての実験に近いもので、日本そのものに興味がないのではないかと思われる。なぜなら、小泉総理が辞任すると選挙で国民から選ばれた参議院議員の任期を4年残しながらさっさと辞めたことからも、そのように推察されても仕方ないであろう。

福田康夫 無為、無内容、無感情
 安倍総理の急な辞任後という部分を踏まえても、総理在任中の功績の無さ、無気力さは、特筆すべきである。このとき他国が攻めてきたら、この人は、即、降伏していた思われます。

森喜朗 保守を絶滅に追い込んだ背後霊
 この人がなぜ権力を保っているのか・・・。不明。

加藤紘一 戦後レジームの滑稽なゾンビ
 河野談話の基礎となった加藤談話。他にはA級戦犯分祀論者。天安門事件で国際的に批判されている中、天皇の訪中を強行に実現させたこと。

 私自身、戦争(第二次世界大戦)に係る多様な著作を読破し、もっともっと歴史を知らなくてはと思うとともに、アジアに対し、謝罪の気持ちを持つことは良いとしても、それが日本国を売る、つまりは貶めるような行為とならないよう私自身も気をつけないと改めて思いました。そうしないと、いつか日本は、自爆するかも・・・。(あるいは日本がまた暴走するかもしれないからね。)

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