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2013年3月31日 (日)

【書評】文明の子 大田光/著

Bun
「君は自分の存在を国家の罪だと言い切れるかね?今までの人生が全て無駄だったと言い切れるのか?高度に技術が発達した文明は、君のように不連続に飛躍した頭脳を必要としたんだ。我われの計画は成功した。君の存在がその証拠だ。」(大いなる計画からの引用)

著者は、お笑いタレントである爆笑問題の大田光さんです。社会現象に対して、斜めから切りかかる特異な批評は面白く私の好きな芸能人でもある。

本作は、短編集(短編よりも短いショートショートといった方が良いかもしれない)だ。
遺伝子操作、環境破壊、他国の脅威、あるいは鳥人間が出てくるファンタジーなどが不連続に編集されていた。
文体は小説家でないため、完成度が低く、内容もクローン人間による人口増加策、隣国の発展に対する驕りからくる分析不足、全人類が自ら死を選択する話など、私が密かに温めてきたストーリーが出現しており、残念な気がするとともに、嬉しくもあった。これぐらいなら私に書けるのではないかと。
そんなことを考えながら読み進んでいったが、それが大きな間違いであることに徐々に気が付かされ始めた。
この一見別々な短編が徐々に一つに話につむがれていって、壮大な、一大叙事詩のようなスケールの話に完結するのである。

そんなレベルの小説だとは想像していなかっただけに、正直感動してしまった。

あれだけテレビに出て忙しいであろう著者がこれだけ完成されたスケールの大きな話をかけるとは、凄いですね。才能と努力が結実すると、人間は凄い。

追記:近未来の科学について、著者自身が司会しているNHKのテレビ番組「爆問学問」から相当にヒントを得ている感じがしました。

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