【書評】老いかたレッスン 渡辺淳一/著
もともとは医者であり、年齢的にもすでの70代後半となり、老いかたを実感している著者ならではの気づきによる考察は深く深く考えさせられます。
そして著者らしく、老いていく男性にはひと言、「ガールフレンドをつくろう」と結論付けている。著者はこれを「老活」と呼んでいます。
以下、引用
・今、妻たち女性は平均寿命で七年長生きなうえに、結婚年齢が夫より数歳若いから、夫の死後、十年から十五年は長生きすると思われる。
この強い妻とどのように合わせて楽しく生きていくか、ここが晩年の男たちの最大の問題となってくる。
しかしこの男と女、基本的にはまったく別の生きもので、両者が仲良く生きていけるのは愛があるときだけだから、困ったことである。
・日本では、まず、「女より妻、妻より母」であることが要求されるし、同様に男性も「男よりも夫、夫よりも父」であることを要求されがちである。
いや、要求されるというより、つい、そうあるべきだと思いこんでしまう。
でもこんな傾向はもう捨てたほうがいい。(中略)
高齢男性諸氏、ここで夫や父から一歩踏み出して、男になってみてはどうだろう。
そして女性を見たらまず声をかけ、話しかけてみる。(中略)
とにかく重厚から軽薄に変身して、女性に突っかかってみる。
うーん、いい男として歳を経た著者ならではの前向きな洒落たエッセイである。
著者からのエール「邪念でおおいに若返り、元気になって欲しいものである。」はこれからも実践していきましょう(笑)
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