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2013年2月27日 (水)

熊谷俊人千葉市長はブログも凄い

熊谷俊人千葉市長は自身でブログを書かれている。

私が言うのも何ですが、現行社会制度の趣旨や経緯・問題点といった現実を若い首長ならではの柔軟かつ正確に認識されている。

そして選挙においてマイナスとなるであろうことも信念を持って表明されている。

今回、自身のそうした記事に対して、一般の方から、手厳しい反論があったが、信念と根拠をお持ちなので、見事なまでに論理的かつ分かり易く反論され、正しい認識に導かれている。

予算議会直前の政令指定都市の首長という多忙さの中でなかなかできることではない。

ブログでの応酬の概略は次のとおり

■記事タイトル:地方公務員の給与カットと交付税削減(H25.1.22のブログ記事)

「国家公務員の人件費削減に合わせて地方公務員の給与も合わせて下げるべきだ」との理屈から、その分の地方交付税を安倍内閣が削減しようとしている件について。

結論から申し上げると、反対です。
というよりも、「こんなことが許されていいのか」という思いです。

断っておきますが、私は公務員の給与を削減することそのものを反対しているわけではありません。
実際に千葉市では9から3%のカットを実施していますし、政令市で唯一退職金のカットまで行ってきた自治体です。人件費については毎年相当な削減をしてきています。
消費増税を前にして、国の人件費の削減への取り組みは大事だと思いますし、国家公務員の給与水準についてしっかりとした整理が行われ、地方との真摯な話し合いの上で削減する分には理解できます。

問題は「復興財源捻出のために一時的に削減している国家公務員の給与に、なぜ地方公務員が合わせる必要があるのか?」ということです。
(中略)
こんな国家公務員の筋の悪い特例的な給与カット後の水準と比較されて、「地方の給与は自分たちと比べて高いから交付税を削減する」というのはいくらなんでも無理筋です。

少なくとも2年間の限定ではなく恒久的なカットに変えて、目的も復興財源の捻出ではなく、国家公務員の給与水準そのものの削減ということにしない限り、地方公務員との給与比較をすることは妥当ではありません。
(中略)
なんだかなあ、という気分です。
独自カットをしていない首長が言うと説得力が無いかもしれないので、率先してカットしてきた立場から、今回の国の理屈がおかしいことを申し上げました。

■コメント(緑区の小父さん氏)
少し考えてください。
大学卒業後、30数年勤めた民間会社を退職し、子会社に再就職した60代のお祖父さんとお祖母さんの家族と、この家族のお陰でノンビリと学生生活を過ごし、中小企業に就職し、幼稚園児を持つ30代の父と母の家族。 
お祖父さん家族は、家の耐震リフォームが必要だし、体力も弱ってきたので子会社を退職した。これを機会に、自分達の小遣いを減らすと共に、子供家族への援助を100万円/年から50万円/年への減額を申し出たところ、今まで通りに援助するように要求された。勿論、多数決でも3対2で負けますが、そこは親子の話合いで分かって貰えた。 <如何でしょうか?>

千葉市において、職員報酬削減に努力していることは認めますが、野放図に給料増、手当ての追加等を行い、人件費が大きく膨らんでいることも事実だと思います。議員についても、報酬以外に(本来の仕事である)議会に出席すれば(交通費とは別の)日当が出たりしています。職員についても、仕事として出張するのに、何故に日当が給料以外に出るのでしょうか?仕事の種類に貴賤があるのでしょうか? これは以前に問題となった"窓口手当て"と同じではないでしょうか?

職員の報酬下げを行う前に、法案・条例を制定している議員の報酬に手を着けるべきでしょうが、外堀を埋めるためにもここは職員の方々と充分話し合って、協力を仰ぐべきだと思います。

Posted by 緑区の小父さん at 2013年01月31日 11:48

■コメント(そうですか?氏)
まあ千葉市長という立場では自分の所の予算を減らされるのは反対!
と言わざるを得ない事情は分からないでもないですけどね・・・。

復興対策は国の仕事だから・・・。と言うのなら地方交付税も国の仕事ですから
国の裁量で増減を決めるのも至極当然の話でしょう。
国家公務員が身を削っているのだから国の援助で給料を得ている
地方公務員に同様な処置を求めるのが何も非合理な話だとは思えません。

そもそも国家公務員より地方公務員の方が給料が高いという事態が異常だとは
思わないのですか。国家公務員、特にキャリア官僚の激務は有名ですが、
ノンキャリアでも忙しさは相当な物でしょう。地方公務員はどうですか?
繁忙期や特に忙しい部署もあるでしょうが、定時で帰宅する部署も多いでしょう。
公務員試験の難易度にしても国家公務員の方が地方公務員より全般に高い筈です。

なのになぜ地方公務員の方が国家公務員より給与が高いのですか?
これこそ異常事態ですよ。要するに地方公務員の方が国家公務員より圧倒的に
数が多い。数は力。つまり地方公務員労組の政治力の強さがその給与削減を
阻んでいる。こういう事です。

安倍政権が官公労が支持する民主党に打撃を与えるという不純な目的で
地方公務員給与削減を目論んでいるとしても、その政策自体は間違いであるとは
思えません。国地方を含めた日本国全体の国家収支を見渡せばもはや大きく削れる
所は地方公務員給与ぐらいしか残っていませんからね。国家が破綻するかしかないか
という瀬戸際まで来ている日本で地方公務員の給与だけを聖域化させるなど
ありえない話です。

熊谷市長の日頃のご主張は大半は正しいと思いますが、自分の所の予算を
減らされるのは反対と言われるのでは旧来の守旧派の主張と同じになってしまいます。
たまに間違った事を言うだけでもその人の発言全体の信憑性が疑われる事態に
なりかねませんので発言は慎重にした方がいいでしょう。信頼を築くのには
気の遠くなるような時間が必要ですが、それを失うのは一瞬です。
Posted by そうですか? at 2013年02月05日 08:29

■コメント(熊谷市長)
ご意見ありがとうございます。
地方交付税を「国から地方への仕送り」と考えている人が多いので、この問題の本質がご理解頂けないのだと思います。

地方交付税というのは地方の財政を助けるために国が補助をするというものではなく、地方自治体間の財源の偏在を調整するための地方独自の財源であることをご理解下さい。
例えば本社が集中する東京や空港からの収入が大きい成田市など、財源的に恵まれている自治体と、過疎地域などの自治体の間では税収に格差が生じ、全国一律で国民が受けられるはずの公的サービスが行えないことを回避するため、地方自治体の財源を出し合い、それを財源に乏しい自治体に振り分ける制度です。
各自治体間で調整するのは大変なので、便宜的にその分を国が徴収し、そして分配することになっているわけです。

ですから市民の方が書いていらっしゃるような例え話にはなりません。

あえて例え話にすると、複数の兄弟家族と両親が同居している家の生活費をそれぞれが出し合うことになっているケースを想定します。
毎月兄弟家族は事前に取り決めた額を両親に渡すわけですが、兄弟間で収入に差があるので、生活費で余った分をその月の収入が少なかった兄弟家族に両親が渡すというルールになっています。
しかし、最近両親の家計も厳しく、その余った分から勝手に一部を自分たちの家計に入れてしまいました。倹約のため2ヶ月限定で食事を一食抜くことにしたらしく「食事代が自分たちは一食分少ないから一部貰ってもいいんだ。お前たちも一食抜けばとんとんじゃないか」と言いだしました。
実は両親はその前は自分たちの方が良い食事をしていたのですが、ここへ来て突然言い始めたのです。
本来そうした食事と生活費のバランスはみんなで話し合って決めることになっているのですが、今回は話し合いをする前に両親が決めてしまったので、どの兄弟家族もルール違反だと怒っているのです。

さて、どっちが理不尽なんでしょうね。
Posted by 熊谷俊人 at 2013年02月08日 17:42

■コメント(コンドラチェフ氏)
千葉市在住の普通のサラリーマンです。地方公務員の給与が国家公務員の給与より高いから下げろ…国家公務員の給与を再度上げればいいじゃないですか。今はデフレ脱却しなければいけないのでしょう。公務員の給与水準が普通のサラリーマンより高い?じゃあサラリーマンの給与を上げればいいじゃん。内需拡大しなければデフレは終わりません。弱気の経営者を首にすればいいんです。経済学的に市長のコメント正しいと(もの足りない。)と思います。
Posted by コンドラチェフin松下村塾 at 2013年02月08日 19:02

熊谷市長のブログ→http://kumagai-chiba.seesaa.net/article/314805580.html

ぜひ一度ご覧になってください。

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熊谷市長のブログが凄いのは当方においては周知のとおり。
日本全国にこの事実を周知すべきだと私は思っています。

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