これからは「ご苦労様」で労おうと思いました。
社会人になって、「ご苦労様」は目上に使う言葉ではないと教わり、代わりに「お疲れ様です」を使ってきましたが、その言葉の軽さに違和感を持って過ごしてきました。
たまたまヒットした「教えて!goo」に納得の回答がありましたので、ご紹介するとともに、これからは自信を持って「ご苦労様(です)」を使っていこうと思います。
「ご苦労様」という言葉について
質問者:noname#75118 投稿日時:2009/01/07 04:13
「ご苦労様」は目上に使う言葉でないといいますが、古いドラマや、映画、小説などでは当たり前の様に目下の人間が目上の人間に使っている場面をよく見ます。江戸時代の伝統芸能でも目下が使うことが多いです。
元々は目上の人間が使っていた言葉であるというのは記憶していますが、それが段々お互いの身分に関係なく使われていたがここ最近になって、やはりおかしいという流れになったのでしょうか?どうかご教授下さい。
No.4ベストアンサー20pt
回答者:gootaroh回答日時:2009/01/08 12:07
「ご苦労様」は目上から目下
「お疲れ様」は目下から目上
「お疲れ様」としておけば無難
これはビジネスマナーにおける教え方です。実際私もこうした内容の研修を受けた記憶があります。
しかし、この定義は、私には乱暴に思えます。はっきり言って逆じゃないの?と思っています。
よく言われる「『御苦労』とは、昔の殿様が目下に向かって言った言葉、『御苦労であった』からなので…」というのは嘘です。時代劇を見ても分かるとおり、昔は「大義であった」といいました。
この場合の「苦労」とは、その役職、役目、役割特有の「苦労」のことです。
例えば、組織として一つの仕事をする場合、指示する側と指示される側とでは、苦労の度合いが全く異なるわけです。手足を動かしていればよい下っ端は「疲れる」だけですが、首から上の頭を使うマネージャーには、下っ端には分からない「苦労」があるわけです。
「ご苦労様」とは、本来、その「お役目」に対するねぎらいの言葉です。当然、ねぎらいだけでなく、感謝の気持ちも含まれているでしょう。
宅配の配達人が自宅に荷物を配達してくれたときは、「ありがとう」の代わりに「ご苦労様」といってもよいと思います。配達がその人の役割なのですから。
夫が帰宅した際、妻から「おかえりなさい。ご苦労様」と言われればうれしいものです。「一家のために働いてくれてありがとう」というニュアンスが伝わってきます。これが「おかえりなさい。お疲れ様」だと値打ちが下がるような気がします。
「お疲れ様」というのは、仕事以外の、例えばレジャーから帰宅したとき、「やっと着いたね。お疲れ様」という感じです。会社などでも、日常の退社時における同僚同士の挨拶であれば、これでよいでしょう。
しかし、例えば定年退職者の送別会などにおいては、長年のお勤めに対するねぎらいの意味で「長い間ご苦労様でした」と言うことはよくあります。
これが「長い間お疲れ様でした」では、主役が下っ端のような気がします。実際に下っ端であったとしても、送別会という主役を持ち上げる場面では「長い間ご苦労様でした」が適切だと思います。
よく駅などで市議会議員などが「みなさん、朝早くからのお勤めご苦労様でございます!」などと街頭演説していますが、彼らは自分が有権者より目上だと思っているわけではありません。一家の大黒柱としてのお勤め(役割)に対するねぎらいの言葉なのです。
20年前、昭和天皇が崩御されたとき、ある老人は「心から『ご苦労様でした』と祈ってお見送りいたしました」と述べたことが新聞記事になったことがあります。
要するに、公的な役割に対するねぎらいと感謝の言葉なのです。
こうして考えてみると、「御苦労様」は、むしろ目上の人に対して使うべき言葉だと思いませんか?
あくまで公的な役割に対するものなので、例えば、いくら会社の上司に対する言葉であっても、社内旅行や社内野球大会などレクレーションの終了時は「お疲れ様」が適切だと思います。これらは単なる遊びですから。でも、幹事さんに対しては、普段は社内では下っ端ですが、「ご苦労様」と声を掛けてやるのが適切な使い分けだと思います。幹事は単に遊んだだけではなく、みんなのために「まとめ役」という役割を果たしたわけですから。
こうしてみると、ご質問者様が疑問に思っている「なぜ昔はたくさん使われていたのか」というのは、昔は至極当然の話なのであり、何に対する「苦労」なのかを昔の人は正しく理解していたからです。最近のビジネスマナーとしての教え方の方がおかしいわけです。これは「言葉は変化するもの」というレベルではなく、間違った教え方をした結果、現代では変な用法になってしまった、ということです。
(なお、語尾に「です」「でした」を付ければ云々は、本質的なことではなく、枝葉末節だと思いますので、ここでは触れません。)
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1月13日(日)午後8時から「八重の桜」第2話が放映されました。
その中で、会津藩山本権八の嫡男覚馬(つまり八重の兄)が帰郷するシーンがありました。権八と覚馬が談笑している最中に弟の三郎が来て言います。
「兄上様、江戸でのお勤めご苦労様でございました」(実際は会津弁 (笑))
この件についてNHKにも問い合わせましたが、江戸時代の講談・歌舞伎に出てくる武家はよく「お役目ご苦労に存じます」という言葉を使っていたという返事でした。
投稿: 苦労人 | 2013年1月14日 (月) 19時01分
苦労人さんへ
コメントありがとうございます。八重の桜は録画してまだ観ておりません。楽しみになりました。
言葉の使い方は相手がどう思うか、どう理解するか、という点では難しいですね。
同じ仕事をしている場合は「ご苦労様」はそぐわないと思うので、まだ使っていません。
時代劇のように言えるシーンはかなり少ないと思いますね。
だからこそ使ってみたいですね。(笑)
投稿: かずさん | 2013年1月16日 (水) 01時35分