【書評】日本百低山 小林泰彦/著
深田久弥氏の日本百名山は、名峰と呼ぶにふさわしい山を選定しており、それを全て登ることは、多くの登山愛好家の目標となっている。私もだ。もはやその呪縛から逃れられないほどだ。
さて、わが千葉県であるが、百名山と縁のない丘陵しかない地である。二百名山も三百名にも千葉の山は名を連られていない。日本一の低山地帯なのだ。
で、見つけたのがこの日本百低山という本である。著者は、作家小林信彦氏の弟で画家で山好きの小林泰彦氏である。
山の写真は一つもなく、著者のスケッチが挿絵となっているほのぼのした本である。
しかも嬉しいことにわが千葉県の山が3つも載っている。鋸山、富山、伊予ヶ岳である。百名山の呪縛から解けていない私はつい先日、鋸山トレイルランレースで通過した鋸山しか登ったことがない。
それでもこの本に載っている山のうち山頂を極めたのは予想以上に多かった。数えてみると、筑波山(百)、笠山(七)、御岳山(ハ)、大岳山(ハ)、御前山(ハ)、鋸山(鋸)、石割山(U)、大洞山(U)、足和田山(U)、長者ヶ岳(U)、天城山(百)、伊吹山(百)、開聞岳(百)だ。
計13山の山頂を制覇していたようだ。
ちなみに山名のあとの括弧書きは、登った経緯を書いている。百低山を登ろうと思って登ったことでないことがばれてしまう。
【凡例】
百:百名山、七:外秩父七峰ハイキング大会、ハ:ハセツネ(日本山岳耐久レース)、U:UTMF(ウルトラトレイル・マウントフジ)
トレイルランの大会のコースがいかに名山が使われているかがわかりました。(走っているときは山頂もチラ見か、夜だと実は山頂通過に気が付かなかったりしているので、実感がない。)
冬は近くの百低山に出かけてもいいかなと思いました。特に関東在住で、百名山はレベルが高いという方にはお奨めですね。
追記:作者が東京在住ということも有り、選定された山は関東近郊に偏っているが、千葉在住の私にとっては、むしろ嬉しい限りでもある。
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