【書評】これでいいのか千葉県千葉市 佐藤圭亮・小森雅人・藤江孝次/編
「これでいいのか」シリーズの千葉市版である。都内有名区、横浜市やさいたま市などの政令指定都市、さらには千葉県では、東葛エリア、南葛エリアに続いての登場である。(といっても本シリーズを読むのは初めてですが)
サブタイトルが住民には厳しい。
「ダメさだけが目立つ千葉市の実態とは!?」
「豊かさが産んだドンブリ勘定のひきこもり都市」
ご指摘の内容は、地方出身者であり、東京、神奈川県、千葉県南葛エリアに住んでいた私にとっても、他都市との比較論やそのイメージを十分に合致しているものであるとともに、千葉市の実情を想像以上に把握して論じていた。
表紙の如何わしさから内容を疑っていたが、33作目となっているだけの内容でした。
本著での結論は以下のとおり
「発想を転換し、千葉市は東京頼りの近隣市を横目に、勝手にひきこもって快適に暮らしていけばいい。首都圏の一員だと思うから都心部との距離も気になるワケで、自立していれば首都圏を気にする必要もない。(中略)この場合、「首都圏ではなく地方、田舎である」という事実を受け入れる必要が出てくるが、もとより他人の目を気にせず、ひきこもってきたのが千葉市民だ。田舎で結構、でも暮らしやすいぞ! 高らかにこう宣言し、あとは借金返済のため湾岸の厚情で汗を流すのが、これからの千葉市の目指す道だ。」
おっしゃるとおりだと思いますが、市民の思いはそこまで開き直れないんですよね。
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