【書評】真実への盗聴 朱野帰子/著
表紙に魅かれて借りた本です。
内容も著者もまったく知らず、それ故に楽しく読み進められました。
遺伝子操作の是非、年金問題、少子高齢化によるいびつな社会構造など現代社会が抱える問題を小説として炙り出そうとした見事な着想と野心は大いに評価できます。
惜しむらくは、内容を詰め込みすぎたというか、作者の人生経験が浅いというか、特に男性や高齢者、暴力シーンの描写に違和感を感じてしまいます。また、男女の色っぽい話も皆無なのも爽やかさと思えばよいかもしれないが、物足りなさを感じてしまうところでもあります。
そんなあら捜しのようなことを書いてしまうのも、こちらが歳をとったせいなのであるが、現代社会の問題を踏まえたアイデアをちゃんとした形にしているので、今後が楽しみな作家と思いました。
追記:タイトルですが、私なら「メトセラの秘密」、「永遠の遺伝子」とかにしますね。
まあ、余計なお世話でしょうが・・・(笑)
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