日本の山には、野生動物がいますが、人間を襲い命を落とす危険性が高いもののひとつに「熊」がいます。
よく登山道入口には、「熊出没注意」の看板で注意喚起されているのですが、これにビビって登山を中止していると日本の山はほとんど登れなくなります。
なので、熊と遭遇しなように、熊除け対策を各自で準備して登ることになります。
【熊と遭遇しない対策・対応】
1 熊鈴、ホイッスルなどで音を出して自分の所在に気づいてもらう
2 足跡、糞、つめ跡などを見つけたら近づかないで退避する。
3 退避する時は、静かにゆっくりと。クマに背中を向けない。あわてて走り出したりしない。
4 熊避けスプレー(催涙スプレー)は、最後の手段。襲いかかってきそうな時、きた時に、鼻、目をめがけて噴射。
クマは本来、木の実や草の実などが主食の温厚で臆病な動物で、通常は、人間に気が付けば、自ら逃げたり、身を隠したりするため、出会うこと自体めったにないとのことです。
よって、最も有効な対策は、「熊鈴」ということになります。
では、もう少し詳しく熊のことについて、記述しておきます。
【ツキノワグマの生態と特徴】
[分布]
本州、四国、九州(絶滅?)で生息するとされるが、西日本では絶滅の恐れがある。
[食性]
雑食性であるが、植物食への依存度がとても高い。秋にドングリを大量に食べ脂肪を貯え、冬眠に備える。6月〜9月(端境期)には山に食べ物が少ないため農業被害が発生しやすい。
[特徴]
体色は黒く、胸の白い月の輪の模様(無い個体もいる)が特徴。全長100〜150cm、体重40〜120kg程度(季節による変動も大きい)であり、世界のクマ類の中では比較的小型の種類である。相対的にオスのほうが大型。
[生活]
昼夜を問わず活動するが、朝夕の薄暗い時間帯に盛んに活動している。人間との関わりがある場所では主に夜間に活動している。繁殖期と子育ての時期以外はそれぞれの個体が単独で暮らす。個体間に「なわばり」はないので食べ物が豊富な場所には複数の個体が集まる場合がある。12月頃〜4月頃まで冬眠する。
以上は長野市作成(信州ツキノワグマ研究会協力)のパンフレットより抜粋
万一、熊に遭遇した場合に有効と思われる熊撃退スプレーについて、詳しく考察しているサイトを見つけたので紹介します。
http://www.sandan.net/gear/counter-assault/counter.html
以下、そのサイトから興味深かった部分(三ヵ所)について引用します。
1:
HYMLでは、次のような事件も報告されています。
コイカクにテント泊し1839往復の帰り、上二股のヤブでストッパー紛失したみたいで熊よけスプレーが暴発してしまいました。
自分は左わき腹、尻にかけまともに掛かり。
そばの同行者にも掛かりました。すさまじいです。
まず匂い,1、2分後に痛み、ハッカ油100倍くらい、そのあとは、やけどような痛み、数時間残ります。
沢まで降りていて,洗えたり冷せたり出来ましたが、水が無い時の考えると恐ろしいです。
これを浴びる熊がかわいそうになりました。
使う事は無いと思いつつ、保険のつもりで寂しい山に行くときは持ち歩いていました。
今回自分だけでなく、第3者にもかかってしまい動転してしまいました。
その人はすぐ川に入り体を洗っていました。
自分もその後痛みが来て、川で衣服、身体を洗い,登山口まで20.30分間隔で身体を冷やさないと歩行できませんでした。
往路だったら登山中止になったと思います、
尾根筋だったらと思うと恐怖心がつのります。
2:
クマ研の人に聞いたんですが彼らは先端恐怖症らしい・・・
長い棒や長い笹の竿(我々ならさしずめストックとかデポ旗でしょうか)を、彼らの鼻先に突きつけて退散するまで突きつけ続けるそうです。
ばったり会った時の偶然の産物らしいですが本人がフィールドや動物園で実験を行なった結果、一様に襲ってこれなかったらしい。(中略)
但し!!!私もやったことが無いのでこれで皆様の命が助かるかどうかは、一切責任持ちません。 ひとつの例として記載しておきます。
3:
1.門崎允昭・犬飼哲夫:『ヒグマ』(北海道新聞社)
2.姉崎等:『ヒグマに会ったらどうするか』(木楽舎)
・鈴について … 鈴の音に慣れてしまった熊には、全く効き目がない。鈴やラジオのように常に鳴り続けているものは、他の音を聞こえ難くしてしまうので良くない。約十分毎に大声を出したり、耳慣れない音を出す(例:ペットボトルをペコペコ鳴らす)のが良い。
・熊よけスプレー … 人間を襲う目的で突進してくる熊には熊よけスプレーは無意味だ。特に子連れの母熊は命懸けで突進してくるので、時には心臓をライフルで打ち抜いても突進が止まらない事がある。熊よけスプレーで撃退できる熊は、元から人間を襲うつもりのない熊と思われる。
・襲われた時は … 人間を(食い)殺す目的で襲ってきた場合は、戦う以外に手はない。じっとしていても殺されるだけだ。ただ、このようなケースは非常に稀で、数十年に一度しか起こらない。ほとんどの場合は、目を逸らさずにじっとしているか、ゆっくり後ずさりすれば回避できる。たとえ突進してきても、すぐには襲わない。万が一組み伏せられたら、道具で反撃した方がいい。道具がなければ、熊の口にこぶしを突っ込むというのが一番の反撃になる。
・熊の嫌うもの … 熊は蛇が嫌いらしく、蛇に似たもの(ロープなど)も極端に嫌う。ロープをゆらゆら動かすのが最も有効で、ヒグマに後をつけられたときはロープを引きずって歩くと熊は近寄ってこない。
【ひと言】
私は違う音程の熊鈴を二つ付けていますが、沢の近くの場合は水の音で、絶対に熊には聞こえないでしょうし、何より沢の近くは熊が水を飲みにきている可能性があるので、いつも非常に嫌ですね。
あとは、笹原。熊笹っていうくらいですし、なにより姿が見えずらいし、「さわさわ」って音がすると、熊か?とビビリます。
上に記述しておきながら、本当かどうか分かりませんが、熊が先端恐怖症なら、ストックは非常に有効ですね。
まあ、目の前に熊がいて、冷静に熊と対峙できるか・・・。無理だよなあ(笑)
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