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2012年8月18日 (土)

【書評】絶望の国の幸福な若者たち 古市憲寿/著

Zetsu
まずタイトルが秀逸なルポルタージュだ。
絶望の国に、幸福な若者がいるとは、摩訶不思議なおとぎ話のようだ。

そしてこのタイトルだけで、日本のことを書いているのだと簡単に推測できるのだが、それ自体、よくよく考えてみると、私を含め何とも能天気な日本の幸せな中高年なのでもある。

以下、本文からの引用である。

確かに「恋人がいない」とは笑って話せるけど、「友人がいない」とはなかなか笑って話せない。しかし現代日本には、恋人や友人に依存しない形で、承認欲求を満たしてくれる資源が無数に用意されている。しかも、結果的にそれは広義の「友人」を増やすツールにもなる。

どんなに悪い労働環境で働いても、どんな不安を抱いていたとしても、仲間のいるコミュニティに戻ればいいのだ。経済的な不満も、未来を感じる不安も、様々な形で提供されるコミュニティが癒してくれる。
それこそが若者が反乱を起こさない理由の一つでもあるのだけれど、他に選択肢がないんだから仕方ない。

「お金持ち」を目指そうと思ったら、ゴールはほぼ永遠にやってこない。この資本主義社会で買えないものはほとんどないからだ。そういった「ナンバーワン」を目指すレースから早々と降りてしまうのは、省エネで幸せになる方法でもある。(引用は以上)

どうやら現代の若者は「将来の貧困より、今の承認(友だちごっこ)の方が重要」らしい。
インターネットが普及したことで、承認されないことを、機会の少なさのせいにできなくなったことを考えると、インターネットなしで生きられない現代の若者がそこにあるのだろう。
そういう意味では、上から目線というより、少し長く生きている人生の先輩として、同情を禁じ得ない。

筆者はかなり若い若者である。
本著の分析の明快さ、文章の上手さから、著者の明晰さが溢れている。
今後の彼の活躍に期待したいですね。

さて、我が家のことですが、承認欲求を満たす便利なツールを父親から与えられていないうちの息子たちは、どうなんだろうか?
選択肢がない以上、リアルに学校の友達と遊ぶしかなく、現にそうしているようなので、それはそれで良いと思うことにする。(笑)

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