【書評】ひとりで死んでも孤独じゃない 「自立死」先進国アメリカ 矢部武/著
歳をとって衰えても、子どもの自立を妨げるような生き方はしたくないと少しかっこよいくらいに思っていたが、本著の舞台である「自立死」先進国アメリカの人々の生き様には到底及ばない。
アメリカは一人で生きることを前提とした社会で、それは新大陸発見以来の開拓精神そのもののアメリカの伝統なのであろう。
なので、個人的に自立し続けたいと思う程度の私の覚悟程度では、将来、ぐらつくことは間違いない。(それは日本的な、家族中心の考え方で良いことでもあるのですが。)
その個人主義であるアメリカに見習うことがあるとすれば、自立した孤独死を迎えられる社会システムであろう。
高齢者が社会と隔絶されることの無い社会。特別養護老人ホームが終の棲家として整備された結果、日本では高齢者が社会と隔絶されつつあると思うのは、言いすぎだろうか・・・。
東洋的な家族主義が失われつつある今日、先進事例の1つとして、意識しないといけないことかもしれない。
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