【書評】雨・赤毛 サマセット・モーム/著 中野好夫/訳
世界短編小説史上の傑作というので、今更ながら読んでみた。
「雨」は、読み始めるとすぐに落ちが見えてきた。
最後の一言、「(男は)みんな同じ穴の狢(むじな)だよ、豚」
はい、そのとおりですね。さすがに、傑作なだけはあります。90年前なら。
次に「赤毛」、これまた同じく読み始めてすぐに落ちが見えてきた。
さすがに名作、落ちの落ちがあった。
これまた男の身勝手さを見事にあぶりだす、傑作であった。
最後「ホノルル」、これは前二作に比べると、今ひとつなのであるが、光り輝く若き日の恋愛は、後日色褪せるという、前二作と根底に流れるものは同じだ。
本作品は1921年の短編集「木の葉のそよぎ」からのものである。1959年に日本で文庫化された。
字がとても小さいし、行間が狭い。歩きながら読んでいると、次の行に目を上手く移せないのだ。
昔の文庫は、とても読みづらいというのもわかった(笑)
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