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2012年6月23日 (土)

【映画】別離

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第61回ベルリン国際映画祭で最高賞に当たる金熊賞に加え、銀熊賞(男優賞&女優賞)の計3冠に輝いたイラン発の人間ドラマ。離婚の危機に直面した夫婦と、彼らの問題に関わっていく家族の姿が描かれる。監督は前作『彼女が消えた浜辺』でもベルリン国際映画祭銀熊賞などに輝いたアスガー・ファルハディ。

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【作品データ】
原題 JODAEIYE NADER AZ SIMIN
製作年 2011年
製作国 イラン
配給 マジックアワー=ドマ
上映時間 123分

【スタッフ】
監督 アスガー・ファルハディ 
脚本 アスガー・ファルハディ 
製作 アスガー・ファルハディ 
撮影監督 マームード・カラリ 
編集 ハイェデェ・サフィヤリ 
字幕 柴田香代子 
字幕監修 ショーレ・ゴルパリアン 

【キャスト】
シミン レイラ・ハタミ 
ナデル ペイマン・モアディ 
ホッジャト シャハブ・ホセイニ 
ラジエー サレー・バヤト 
テルメー サリナ・ファルハディ 
判事 ババク・カリミ 

【ひと言】
イランというかイラン人監督が作る映画は、人間の本質を描き出す良い映画が多い。中東でも指折りの敬虔かつ保守的なイスラム教国でありながら、それができているのがなんだか不思議な感じであるが、実際のところそうなのである。

本作品はそうしたよき映画作りの伝統を見事に受け継いでおり、家族の絆とは何かを問う見応え十分な、素晴らしい映画になっていた。
特に、イランの家族を描く場合、イスラム教的な風習の部分が判りづらいものであるが、異教徒である我われにも理解できるように、丁寧かつ判りやすく、それも自然な感じを損なわずに映像化してくれているのである。その見事さにはまさに脱帽である。(日本をはじめ多くの国の映画も見習うべき点であろう。)
一見、深慮深いように見えて、単に意固地で偏狭で衝突するだけの男性の論理、寛容で平和的な解決に向け柔軟で懐の深い思いやりがありながらも時に浅はかな女性。

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結果的に大人たちには解決が出来なかった。

最後に正しい判断が出来るのは、未来が託されるべき子どもしかできないということなのだ。
そして正しい判断ができていないことがわれわれ大人には見えない。
本作品では、正しい判断を大人にみせることない見事なエンディングにやられた感いっぱいで渇望してしまう。

視点を変えて本作品を深読みすれば、イランという国際的に孤立しがちな国を寓話的に風刺しているように私には見えてしまう。
イランという国家が、男性的な論理で核開発などを強引に進めて、国際的に孤立している。その愚かさをイランの大人たちでは頑固さとイスラムの教えでは解消できない。それを解決できるのは、そうした大人の論理に縛られていない、未来を切り開いていける可能性のある子ども達しかいないのだ。

ネタバレ↓(見たい方だけどうぞ)
裁判では、双方が双方とも嘘までついて、さんざん争い、解決の糸口が見えなくなりながらも、女性たちの智恵と寛容さでほとんど和解にこぎつけた。しかしながら、イスラム教の経典であるコーランには、嘘をついてまで誓うことができずに、最後の最後でご破算となる。裁判では嘘をつけても、コーランには嘘をつけない。イランが孤立する理由が垣間見えた。
そして最後は、両親の離婚に伴う親権者を父にするか母にするかを決めるのは子ども自身というラストシーンで終わり、どちらを選んだかは映画では明らかにしてくれない。大人の偏狭な論理に縛られない子どもにのみ未来を切り開く可能性が示唆されている、見事な終わりかたである。娘のテルエーちゃんよ、あなたは父と母のどちらを親権者として選んだのですか?

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