【映画】私が、生きる肌
衝撃の問題作!のキャッチコピーにつられて観ました。
非日常感を体現している独特の映像美はとても印象的でした。
さすが巨匠ですね。衣装もジャン・ポール・ゴルチエですしね。
それにしても、最近の映画は主人公への感情移入を拒むかのような微妙な作りが多い。
価値観の多様化、新しい手法への挑戦といったことが要因なのでしょうが、感情移入ができない映画鑑賞は正直辛い。
この映画では、誰の生き様も間違っているとしか思えないながらも、論理破たんしないので観ているこちらにどしどしと球を投げ込んで受け止めるしかない、圧迫感のある強烈な作品でした。
喪失からの立ち直りという王道でなく、喪失からの暴走といった感じ。この展開では、普通の人間は受け容れられないだろう。むろん私もだ。
見方を変えれば整形、性転換、遺伝子操作といった現代社会の行きすぎた進歩に対する寓話のような物語である気もするが、それでも主人公に近い登場人物は誰一人として、近寄りたくない人物である。
主人公のアントニオ・バンデラスは、ほんとにいい男だが、捻じれた欲望にはやはり嫌悪が生じてしまう。
映画での事実上の紅一点、捕らわれし女性のベラさんは、とても美しいですね。華奢で小柄なことから、日本人の好きな外国人女性って感じです。(それでも感情移入は微妙ですが・・・)
【総括】
金を持っても、医学や化学が進歩しても、最後に頼りになるのは家族。
そんなことを描きたかったのかしら?
【あらすじ】
人工皮膚の開発の権威で、世界的な形成外科医のロベル。その邸宅の一室にはベラという若い女性が幽閉されていた。食事の世話をするのは、初老のメイドのマリリア。ロベルは亡くなった妻を救えるはずだった“肌”を創造するために、“ある人物”を監禁して実験台にし、亡き妻そっくりの“ベラ”として創り上げて
いたのだった。ある日、音信不通だったマリリアの息子のセカがやってくる。その事から、屋敷に住む3人の関係に変化が訪れる。
【作品データ】
原題 La Piel Que Habito
製作年 2011年
製作国 スペイン
配給 ブロードメディア・スタジオ
上映時間 120分
【スタッフ】
監督 ペドロ・アルモドバル
原作 ティエリ・ジョンケ
撮影 ホセ・ルイス・アルカイネ
美術 アンチョン・ゴメス
音楽 アルベルト・イグレシアス
衣裳デザイン ジャン・ポール・ゴルチエ
字幕 松浦美奈
【キャスト】
ロベル アントニオ・バンデラス
ベラ・クルス エレナ・アナヤ
マリリア マリサ・パレデス
ヴィンセント ヤン・コルネット
セカ ロベルト・アラモ
ネタバレはこちら↓(見たい人だけドラッグしてどうぞ)
監禁されている女性ベラは、主人公ロベルの娘の自殺の原因となった強姦未遂男ヴィンセントをロベルが自身の手で幽閉し、無理やり性転換手術を施した、ようは若い男性である。その彼を手術で亡き妻に似せて作り上げ、いつの間にか自分を愛してくれていると勘違いする・・・。あり得ません。殺されて当然ですね。
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» 映画「私が、生きる肌」久し振りに予想と違う展開にビックリ! [soramove]
「私が、生きる肌」★★★☆
アントニオ・バンデラス、エレナ・アナヤ、
マリサ・パレデス出演
ペドロ・アルモドバル監督、
120分、2012年5月26日公開
2011,スペイン,ブロードメディア・スタジオ
(原題/原作:LA PIEL QUE HABITO )
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