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2012年4月30日 (月)

【映画】少年と自転車

Syounen2
ベルギーを代表する映画監督ジャン=ピエール・ダルデンヌ、リュック・ダルデンヌ兄弟が、第64回カンヌ国際映画祭審査員特別グランプリを受賞した感動作。父親に捨てられ、心を閉ざした少年が一人の女性と出会うことにより、傷ついた心を少しずつ開きつつ成長していく姿をとらえる。主人公を新星のトマス・ドレが演じ、彼を温かく見守る女性を、『シスタースマイル ドミニクの歌』のセシル・ドゥ・フランスが好演する。本作で、カンヌ国際映画祭5作品連続主要賞獲得の快挙を成し遂げたダルデンヌ兄弟の実力に舌を巻く。

【ストーリー】
児童相談所に預けられたまま12歳になろうとしていた少年シリル(トマス・ドレ)は、いつか父親を見つけて一緒に暮らしたいと願っていた。ある日、彼は美容院を営むサマンサ(セシル・ドゥ・フランス)と出会い、ごく自然に彼女と共に週末を過ごすようになる。二人は自転車に乗って街を走り回り、ようやくシリルの父親(ジェレミー・レニエ)を捜し出すが……。Syounen

【ひと言】
お父さん子である少年が、お父さんに捨てられたのだが、大人を信じられない少年は、事実を確認すべく、男の子らしく自力、すなわち父に買ってもらった思い出の自転車で父を探す。その結果は見事に打ち砕かれる。そんな傷心で弱った少年をワルは見逃さない。そうして、少年は悪の道に落ちていくのだ。
 そこから彼を救えるのは、やはり経験豊かな大人の役割であり、責務なのだ。
 家族の絆が失われつつある自由という名の体たらくな現代社会。私は決して安易な道に流されることなく、なんとしても父として君臨するつもりであるが、実際にはそうでない家族が多いのかもしれない。(これはヨーロッパの映画であるのだが)
 彼を救ったのは里親の独身女性なのであるが、これからの社会にとっても家族は必要で、里親はますます重要となる役割なのかもしれない。明るい未来に向けて、これが端緒となる歴史的な映画になるといいな。

【スタッフ・キャスト】
[監督][製作][脚本]ジャン=ピエール・ダルデンヌ/リュック・ダルデンヌ
[製作総指揮]デルフィーヌ・トムソン
[製作]ドニ・フロイド
[撮影]アラン・マルコァン
[美術]イゴール・ガブリエル
[出演]セシル・ドゥ・フランス/トマ・ドレ/ジェレミー・レニエ/オリヴィエ・グルメ

【作品データ】
英題: LE GAMIN AU VELO
製作年: 2011年
製作国: ベルギー/フランス/イタリア
上映時間87分

追記
 本作品は、監督が、日本で聞いた「帰って来ない親を施設で待ち続ける子どもの話」を元にこの映画は生まれたらしい。どうりで日本人の心情に合うはずだ。

Syounen1

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