【書評】折れた竜骨 米澤穂信/著
ロンドンから出帆し、波高き北海を三日も進んだあたりに浮かぶソロン諸島。その領主を父に持つアミーナはある日、放浪の旅を続ける騎士ファルク・フィッツジョンと、その従士の少年ニコラに出会う。ファルクはアミーナの父に、御身は恐るべき魔術の使い手である暗殺騎士に命を狙われている、と告げた……。自然の要塞であったはずの島で暗殺騎士の魔術に斃れた父、「走狗(ミニオン)」候補の八人の容疑者、いずれ劣らぬ怪しげな傭兵たち、沈められた封印の鐘、鍵のかかった塔上の牢から忽然と消えた不死の青年──そして、甦った「呪われたデーン人」の襲来はいつ? 魔術や呪いが跋扈する世界の中で、「推理」の力は果たして真相に辿り着くことができるのか? 現在最も注目を集める俊英が新境地に挑んだ、魔術と剣と謎解きの巨編登場!
*第1位 『ミステリが読みたい!2012年版』国内篇
*第1位 『2012本格ミステリ・ベスト10』国内ランキング
*第2位 『このミステリーがすごい!2012年版』国内編
*第2位 〈週刊文春〉2011ミステリーベスト10 国内部門
*第6位 Best Books of 2010/Amazon.co.jpエディターが選ぶ文芸TOP11(2010年12月8日)
以上、東京創元社HPからの引用
【ひと言】
本著は、中世RPG風のミステリー小説である。趣向盛りだくさんで物語が進み、ミステリーとしての謎解きのわくわく感ありで、ページをめくるのが楽しくなるとても面白い本である。しかも、なかなか分厚い本であり、読みごたえも十分である。
ラストのどんでん返しは、クリスティーのアクロイド殺し(または「アクロイド殺人事件」)を思い出させましたね。
それにしても、この「折れた竜骨」というタイトル。これでは売れない気がしますが・・・。
それともあえて、竜の骨と読ませ、RPGにかかせないドラゴンを連想させるつもりだったのか・・・。
※竜骨とは、洋式船の構造材で、船底に背骨のように伸びて船体強度の核、すなわち骨となる部分
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ロンドンから出帆し、波高き北海を三日も進んだあたりに浮かぶソロン諸島。その領主を父に持つアミーナはある日、放浪の旅を続ける騎士ファルク・フィッツジョンと、その従士の少年ニコラに出会う。ファルクはアミーナの父に、御身は恐るべき魔術の使い手である暗殺騎士に命を狙われている、と告げた……。
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投稿: 藍色 | 2013年11月 8日 (金) 16時25分