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2012年4月29日 (日)

【書評】告白 湊かなえ/著

Kokuhaku 本著を原作とする映画はとても印象的であったのだが、原作である小説は、映画とは別の趣で、読み応えもあると奨められたので、読んでみた。
まずはとても読みやすい文体。逆に特徴がないとも言えるかもしれないが、描写の細やかさ、視点の多彩さは、今後も楽しみな作家になりそうです。

内容は、救いのない復讐劇。しかも大人が子どもに、教師が生徒にという、モラルハザード崩壊の内容である。それでもおぞましさがないのは、作者の冷静で精緻な文体が、架空の話としての小説(傍観する神の視点)の香りをきちんと漂わせているからだ。(そういう意味では作家の心情が乗り移ったかのような田中慎弥さんのきつい作風とは正反対であるのであるが、それが作品として必ずしもプラスであるとも思えないののでもある。)

さて、本作品は章ごとに視点(主人公)が入れ替わる。
こうした小説の構成は最近の流行なのだろうか?
「ふがいない僕は空を見た(窪美澄/著)」もそうであったし。

それにしても、映画はそうした原作の構成をいったんチャラにしつつ、映像作品としてうまく昇華させたものだ。そういう意味では、小説と映画で二度楽しめる作品である。

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