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2012年3月18日 (日)

【書評】聖書男(バイブルマン) A・J・ジェイコブズ/著 阪田由美子/訳

Seisyo 不可知論者(神や死後の世界の存在に疑義を持っている人)で職業は編集者というユダヤ人(つまりは信仰心がきわめて低いユダヤ教徒)による聖書にできるだけ忠実な生き方を実践しようとした1年間の記録。
本著は600ページに及ぶ大著かつ聖書やユダヤ教、キリスト教の認識が絶対的に不足している私なので読みきるのに3週間もかかりました。(現代のアメリカ人なら容易に認識できる固有名詞での比喩が多く、他国の人は理解に苦しむのも読みづらい要因の一つでした。例えばアメリカのコメディアンのギャグなんて、知りませんし、解説もあるのですが、イメージがわかない。)
その一方で、著者は、ニューヨーカーで、理解ある妻が居て、2歳の息子と途中から人工授精で双子を妊娠し、出産までいたると言う家族の生活の記録の部分はとても楽しく読めましたです。

さて、本著を理解するに当たり、まず、基本的な認識が必要です。聖書とは、旧約聖書と新約聖書があると言うこと。キリスト教徒は新約聖書を信じ、ユダヤ教徒は旧約聖書を信じるて居ると言うこと。そして、イスラム教と同じように多くの戒律があるのだが、厳密に守っている人は少なく、そもそも多くの解釈が存在している。(が、日本人である私の感覚的には原理主義者はかなり多いと思った。)

いろいろな思いはあるが、印象的な文章について、以下に引用してみる。

「聖書は正しい。イメージの氾濫が偶像崇拝を助長している。(中略)ぼくたちに醜い大統領が必要だ。テレビだと不細工、不恰好に見えるという理由で、第二のエイブラハム・リンカーンを見逃していると思う。」

「(子どもに規律が必要かどうかの話の続き)暇つぶしに学校の食堂に火をつけたり、崖でスケートボードをしたりしない。息子がぼくより長生きするがあって」

「そもそもセックスってなんだ。生殖を行う際、DNAを混ぜるのに必要なスキンシップにすぎないじゃないか。」

「聖書はこうした大量のジャム瓶を取り除いてくれる」(現代社会の多様性による選択肢の多さに対し、聖書に従うことで、選択に迷いがなくなる、より良い生き方ができる部分もあるという評価)

「(祈りは自分の気持ちを癒すためでなく)もっぱら神のために祈る。自分の時間を犠牲にし、なんの利益も得ることなく。」

「聖書の人びとは「グルービー」だった。集団のすることに従った。自分の属する集団の習慣を守った。頭のいかれたヨーロッパ人が個人主義という考えをもたらした。」

「(アパートの隣人の女性の言葉)『人間がひとりもいない場所では、人間らしくあるように努力しなさい。これがわたしのモットーなの。ニューヨークで生きていくためのね。』すばらしい知恵だ。聖書の言葉じゃないかもしれないが、すばらしい。」

「お互い昼も夜も聖書を読んでいる。ところが、私が黒と読むところを諸君は白と読む。」(つまり解釈がまったく違う人々が居ると言うこと)

【ひと言】
我われの認識としては、いずれの宗教も穏健派と呼ばれる人の方が、常識的思考を持ちえていて、安心感があるのだが、原理主義者からすると、穏健派はそれをご都合主義だと思わっていること。つまり聖書を自分の価値観に合わせているということ。それをカフェテリア宗教と呼ばれる。

絶対的な神、従うしかない人間。そういう思想があるという現実を現代の日本には事実認識とすることすら欠如していることだけは、良くわかった。それが正しいか間違いか、善いことか悪いことかは別として。

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